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☀ 西太平洋の遠洋航海者 ☆

五月二十四日 皐月とは思えぬ強い陽射し故、午餐の後、半裸姿で曝書す。転居の際、畳の下にある古新聞を読み耽るのにも似て、ついつい旧き本を手に取りたり。思いも依らぬ新たな発見あり、温めし珈琲と煙草を一喫、暫し空を見ゆ。テレビでは職業野球が流れし折、我が贔屓の阪神軍は大量得点で優勢なれど、ふと気付くと何時の間にやら敗色濃厚也。連日連夜、この様な形勢が続く事頻発し、阪神軍首脳陣の采配、猜疑する処大也。嘆息し電源を切り、床に就く。窓から見えし朧月夜、中々風情を感ずるもの也。

インチキ文語文で失礼しましたm(__)m。天気に恵まれた週末でしたが、皆様、如何お過ごしでしたか!?僕、先に触れました様に、とても気持ちの良い快晴でしたから、書庫にある本を開いてお日様に晒す、という所謂曝書、をしておりました。本棚を見ればその人が分かる、と申します。僕、余程親しい人を除いては、本棚は見せたくないですね~。読んでいる本が分れば、その人の趣味嗜好、考え方やライフスタイルまで一目瞭然な訳で、僕はちょっとそれは勘弁して欲しいなあ。例えば、彼の悪名高いナチス・ドイツのヒトラー、死後に彼の書庫の調査が行われたんですね。そうしましたら、優生学--優れた人種にしか優れた子孫は残せないという、まァ、現在では完全に否定されている考え方です--や遺伝学、ユダヤ人排除の学説、軍事学等、1万を超える書物が残されていたそうです。うう~ん、優生学に遺伝に人種差別に軍事、これでは、偏頗で奇矯な考え方になっても仕方が無いですよね。ヒトラーの様な国を動かす立場であれば、やはり、バランスを取る意味でも、画集や文学書、経済や福祉の本も読まないといけませんよね。さて、所謂、汚い本棚、という言葉があります。僕がそうなんですよね…。これ、整理整頓が出来ていない、という意味では無く、系統立っていないと申しますか、雑多な種類の本ばかり、という事なんですね。例えば戯曲や詩集や文学全集や、政治や経済学の一連の書籍等々、ズラリと系統的に並んでいるのが、綺麗な本棚、という訳です。そこへ行くと僕なぞ、多種多様な漫画本を筆頭に、駅弁に戦車に軍艦、伝記に推理小説にSF、戦記に画集に映画、思想に政治経済にノンフィクション、滅茶苦茶でありまして、その時その時に興味のある物を乱読した、という大変お恥ずかしい、インテリの人から見れば鼻で笑われそうな、汚い本棚であります。

閑話休題、この拙ブログでは、なるべく拾っている心算ですが、世界を見渡せば、ホント、毎週の様に新たな発見があるんですよね。これ、技術の進歩は勿論の事、人間の移動出来る範囲が、陸海空に宇宙と、かなり広くなった事が、新発見の一因でしょうね。さて、中国の河北省では、1億6000万年前のジュラ紀の地層から、コウモリの様な、羽毛に覆われた飛行膜を持つ、50㌢程度の小型の恐竜が見つかったとか。これ、僕の想像に過ぎませんが、恐竜→鳥、という進化の過程に生まれた、過渡期的な生き物だったんじゃないですかねえ!?続いて、アフリカのケニアからは、330万年前の地層から、複数の石器が発見されたそうです。これ、僕達人類の造ったものでは無いそうで、ハンマーやナイフ等々があり、恐らく類人猿でしょうが、一体全体、誰の手に依る物なんでしょうね!?タイム・マシンがあればなあ…。もう1点、先週でしたか、淡路島の海岸で工事をしていた際、何か大きな物が沢山出て来たな、と不思議に思っていたら、事実は小説よりも奇なり、それが弥生時代の銅鐸だったんでしょ。

僕、それで思い出したんですが、最近読んだ本に、「骨が語る日本人の歴史」片山一道著 ちくま新書、があるんです。これ、京都大学の教授が書かれたものなんですが、この先生の専門は、骨、なんですね。世界各国を飛び回り、古代の人々の骨を調べておられるそうです。今ではレントゲンだけで無く、CTにMRIにその他の最先端技術がありますから、弥生でも縄文でも、古い骨が数点あれば、性別・死亡時の年齢・身長・体格・顔かたちは当然分かるそうです。その上、日常の生活習慣、あらゆる疾患、蛋白質の摂取源、食べ物の内容に調理方法、平均年齢まで判読出来るそうで、ただただ感嘆するばかりです。僕ね、へええ、と感心するばかりだったのですが、「魏志倭人伝」に、邪馬台国が登場しますよね。2世紀当時の日本は、「倭国大乱」と呼ばれ、戦乱の世の中であったと。そこに救世主として卑弥呼が登場して、戦は漸く収まった、とされています。その、2世紀当時の地層から出土した骨は、骨折痕があったり、首が無かったり、兎に角物騒な物が非常に多いそうなんですね。ははあ、「倭国大乱」は本当だったんだ、古代の骨を調べる、骨考古学という学問って凄いなあ、と驚きました。弥生人と縄文人の区別には、パラダイム・シフトが起きていて、従来の考え方はどうやら間違っているとか、日本人の平均身長は伸びたり縮んだりする等々、知的好奇心を刺激されましたねえ。

僕ね、前々から日本人の造る組織って、政官財共に、縦割り過ぎる様に思うんですよ。ですから、例えば、お役所に書類1つ提出するにもしても、幾つもの部署に持って行かねばなりません。そして、横の繋がりがありませんから、情報を共有しないんですよね~。今後は、学界も含め、クロス・オーヴァーでなければいけないなあ、そう痛感しています。

昨日曝書した本の中に、「古代文明と気候大変動 人類の運命を変えた2万年史」ブライアン・フェイガン著、東郷えりか訳、河出文庫がありました。これ、読んで字の如し、タイトル通りの本なんですね。ただ、感服したのは、従来の考古学者達のチームに、古代の気候学者、地質学者らが加わって、激しいディスカッションと長い時間を掛けた研究をし、そして大きな発見をした、という事だったんです。話は変わりますが、ミステリー作家の高木彬光先生、この方は、「邪馬台国の秘密」という名著を残されています。僕、この傑作を読めば、邪馬台国は宇佐にあり、宇佐神宮が祀っているのは卑弥呼である、という説は万人が首肯すると思います。未読の方の為に詳しく書けないのが残念、非常に説得力のある説なんですが、書かれた高木先生は、本当に守備範囲の広い方なんですね。冶金学を専攻し、薬学部にも籍を置いた時期があり、戦闘機の設計に携わり、易や占いや将棋はプロに近かったそうで、独りクロス・オーヴァーと言いますか、その知見が、「邪馬台国の秘密」に活かされた事を、僕、信じて疑いません。

文化人類学の金字塔として名高い、旧い物ですが、「西太平洋の遠洋航海者」という本があります。これ、パプア・ニューギニアの原住民達の間で行われる、交易について書かれた物なんですね。クラ交易、と呼ばれているんですが、太平洋の島嶼間で、赤い貝の首飾りを時計廻りに順々に移動させるんですね。そして、白い貝の腕輪は、反時計廻りに移動して行くんですが、これ、1周するのに10年ぐらい掛かるんです。因みに、この流れには、金銭は介在しないそうです。それを延々繰り返しているんですが、これ、神事であり、名誉でもあり、異なる部族間の絆を深める儀式でもあり、情報交換と交易も兼ねた、永遠に続くイベントなんですよ。この不思議な風習?を発見したのは、マリノフスキーというポーランドの文化人類学者の方なんですね。マリノフスキーさんは、数学・物理・心理学を学んだ後、この文化人類学・民俗学を熱心に学び、パプア・ニューギニアに渡ったとか。これまた、独りクロス・オーヴァー、高木先生同様、知の巨人と言えましょう。

僕、新発見をしたり、新たなムーヴメントを造るには、1つの世界だけを知っていても駄目だと思うんです。今日、当院では、新入社員のオリエンテーションを行いまして、僕も冒頭にお話をさせて頂きました。今後の当院を背負って立つ、有望な新人の皆さんには、今にも増して、様々な世界を知って欲しい、切にそう願っていますし、僕も協力を惜しみませんよ!

今週はかなり忙しい1週間になりそうですが、精一杯頑張る所存です。それでは皆様、今週も拙ブログをご贔屓の程、何卒宜しくお願い致しますm(__)m。
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