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CHEF

皆様、こんにちわ!いや~、大分もやっとお日様が顔を出したと思ったら、台風が接近中の由、今夜から暴風雨の由です。かなり大型の台風だそうで、皆様もどうかお気を付け下さいませ。でもこの台風、つい屋根に登ったり、田圃の様子を見に行く人が必ず出て、案の定被害を蒙っているんですよね。まるでお正月に餅を喉に詰まらせる様なもの、予想される災禍は避けるべきですし、君子危うきに近寄らず、ホント、雨戸を閉めて家の中に居るのが一番ですから、くれぐれもご用心、であります。それにしてもこの台風、昔の我が国では、野分、野原を風が分けて行く、という表現でして、本当に風情のある言い方と思います。こういう表現になるのも、僕、昨日の午後から夕暮れ時にかけて、池波正太郎先生の、仕掛人・藤枝梅安シリーズ、古の江戸情緒たっぷりの作品を再読していたんですよ。大人気を博したシリーズですし、幾度と無くTV化され、映画にもなったのかな、皆様疾うにご存じかと思います。舞台は江戸期、主人公の梅安は腕の立つ鍼灸師なのですが、裏の顔がありまして、悪人を始末する仕事人でもあると。その梅安の相方として、彦次郎と小杉十五郎という、腕利きの助さん格さんが付いていると。この小説、面白いのは、主役の梅安さん、鍼灸師として人助けもしながら、その針で人も殺める訳なんですね。人は元々矛盾した存在であり、良い事をしながら悪い事もする、という訳でして、そりゃそうですよね。日々暮らしていく中で、牛さんや豚さんやお魚の命を奪って、僕達は生きて行く訳ですから。池波先生の一連の小説が、大人の読み物である所以であります。そしてね、上手だなァと、ほとほと感心するのが、四季折々の旬の食べ物が、劇中ふんだんに出て来まして、これでリアリティが生まれているんですよね。ちょっと幾つか拾ってみましょうか。

それからしばらくして、二人は膳をかこみ、酒を酌み交わしていた。さっと煮つけた子持ち鯊に、湯豆腐である。貝柱は後で、炊き立ての飯へ山葵醤油と共にまぶしこみ、焼海苔をふりかけて、たっぷりと食べるつもりであった。

二人は、魚や・久七が届けてくれた鰹の片身を刺身にし、溶き辛子をそえ、遅い昼飯をすませたところであった。彦次郎は中落をうまくこなし、酒・醤油・味醂で辛目に煮付け、「晩めしのときには、あいつを骨までしゃぶるのが、楽しみだねえ、梅安さん」煙管をいじりつつ、眼を細めたところへ、梅安のつぶやきをきいた。「片づけるって…どっちをだね?」

佃の沖で漁れた白魚が平たい籠に盛られてい、小さな細い透明な魚の躰から籠の目が透き通って見えるように思えるほどだ。黒胡麻の粒一つを置いたような愛らしい白魚の目はどうだ。食べてしまう自分が憎らしいとさえ感じられてくる。おもんは、火鉢に小鍋を置き、塩と酒で淡味の汁を煮たてた。「こんなもので、ようございますか?」「どれ?…ああ、よしよし」梅安は、それにわずかに醤油をたらしこみ、菜箸にすくい取った白魚を鍋に入れた。こうして、さっと煮た白魚に、潰し卵を落としかけて食べるのが、梅安の好みなのである。

チクショ~、食べたくなりましたけれど、この池波先生、かなりの食通で道楽者だなァという感がしますねえ。

閑話休題、僕、昨日は、新装なった大分駅ビルに参りまして、暫し散策した後、映画を観て来ました。「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」、です。♪冷やし中華 始めました~♪、という歌のギャグがありましたし、邦題は何だか野暮ったいんですが、これ、将にハンドメイドな味わいで、とっても heartwarming 、中々の佳作と思いました。未見の方の為に、粗筋を詳しく書けないのが残念ですけれど、凄腕ながらも我儘なシェフが、お店や評論家と衝突、今まで築きあげて来た、色々な物を喪うんですね。シェフは心機一転、アメリカ全土を屋台のトラックで廻りながら、今まで気付かなかった大事な物を取り戻して行く…、といった按配であります。

僕、上手いなァと感じましたのが、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・ジュニアといった名優にはカメオ的に出演して貰い、主演であり監督のジョン・ファブローはコメディアンでもありますから、自らがお笑いを演じます。お色気担当は、今最もセクシーと言われるスカーレット・ヨハンソン嬢、そして、コロンビアの女優さんであるソフィア・ベルガラも大変綺麗でした。脇を固めるのは、ジョン・レクイザモ、ボビー・カナヴェイル、オリヴァー・プラットですから、皆さん個性的な演技派で鳴らした方々でして、達者ですから、観ていて安心なんですね。そして、この監督さん、メガ・ヒットの「アイアンマン」シリーズを手掛けた方なんですが、CGだらけの映画は撮りたくない、という事で、この低予算で手造りの原点に回帰した、という訳なんです。数十億を超すであろうギャランティを棄て、確かに様々な制約が無く、自由にやれるにせよ、インディーズ映画を撮るなんて、中々出来る事じゃないですよ。主人公であるシェフの、「自分の造りたい料理を作り、お客さんにも喜んで頂く」、という彼のライフ・スタイルが、演者さんと全く一致したのも、本作の成功の一因でしょう。口ばかりの評論家への対抗心、そして映画への愛情をひしひしと感じましたし、ロバート・ダウニー・ジュニアなんて、今、彼のギャランティって、十億単位なのに、監督のジョン・ファブローは売れない時から辛苦を共にした仲ですから、安いギャラでも出演を快諾した、というのは、何だか心暖まる話でありました。脚本は良く練られていますし、演出も素敵です。使い古された話ではありながら、家族の絆があり、ロード・ムービーの要素をしっかり取り入れ、フェイスブックやYOU TUBEといったトレンドも嫌味にならない程度に加えていますから、将に職人芸、安心して観られる一本です。

そして、これまた感心しましたのは、当たり前の事なんですが、メインはシェフですから、当然料理が上手な訳で、主役の方は半年以上厨房に入って猛練習をしたとか。またねえ、旨そうなんですよ~。デザートのショコラ、フィレ肉のステーキ、ペペロンチーノ、僕、舌舐めずりする思いでしたが、キューバ・サンドイッチは食べてみたいなァ。これ、ホット・サンドの原型の様な物なんですね。先ず、プレス出来る熱々の鉄板の両面にバターを塗ります。鉄板に食パン或いはフランスパンを乗せます。そして、パンの上に、チーズ・ハム・ローストポーク・香辛料・ピクルス・にんにく・オリーブオイルを乗せまして、後は両面をプレスするだけ、非常にシンプルなんですが、こういうのが一番美味しいんですよね。またね、演出の妙ですけれど、主人公達が立ち寄るのは、マイアミ・ニューオリンズ・テキサス・LAでして、地産地消と言いますか、その地の名物をパンに挟んで提供するんですよ。マイアミなら、中南米からの移民が多いですから、ピリリと辛い、サルサ・ソースを隠し味にし、BGMは僕も大好き、キューバ音楽。ニューオリンズは元々フランスの植民地ですから、ペシャメル・ソース風の味付け。テキサスでは、1日掛けて焼いたステーキをパンに挟み、あ~、もう、食べたい!!

僕、思わず、お部屋に戻ってから、トーストの四辺にマヨネーズで壁を造り、ハムと生卵をその中に落とし、その上に粉チーズを少々振りかけまして、トースターで数分焼きハバネロ・ソースをほんの少し、そして簡単なシーザーズ・サラダを造りまして、白ワインを開け、それを夕食にしましたもんね♪

冒頭ご紹介した池波先生の小説、そして昨日観た映画、ジャンルは違えど2つの共通点は、「プロの仕事」という事に尽きます。僕、医師の子として産まれ、生家の生業は病院、海外放浪や大学院時代を除き、後はずっと医療人として勤務して来ました。初心忘れるべからず、その積もりで日々やっていますが、ルーティンの業務になると、気を抜いてはいないか、自問自答しました。そう、僕が病院に勤務し始めたのは、救急病院でした。1日の外来患者様が何と1000人を超す、という激務でしたが、あの頃は、朝早く日の出前に安アパートを出て、床に就くのは日付が変わって暫くしてからでしたもんね。患者様のカルテを出すだけで午前中が終わる、という日々でしたが、その原点にもう1度戻らなきゃ!患者様により良い環境を、社会復帰の手助けを、スタッフのより一層のレベル・アップを、そして地域の皆様により愛される病院になるべく、兎に角、頑張ります!蟷螂の斧かもしれませんが、当院がより良くなる事で、微々たるものですが、スタッフの周りの人も良い方向へと変わります。この小さな一石が、やがて波紋となり、大分市が変わり、大分県が変わり、九州そして日本が良くなる、僕、そう信じています。あっ、変な宗教とか妙ちきりんなセミナーじゃないですからね。ご安心下さい。まあ、わが愛する阪神は、プロとは言いながらもプロで無く、泥沼の3連敗で、最下位をひた走っていますが、これは反面教師としまして、ともあれ、今後とも、当院並びに拙ブログに、叱咤激励、ご指導ご鞭撻を何卒宜しくお願い致します。今週は気合を入れて行きますよ~!
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