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† 剣と寒紅 † 

今日は先ずはお悔みから。ネパールで大規模な地震が発生、何と2500人を超す死者に加え、凄まじい被害だそうで、謹んで犠牲者の方々のご冥福をお祈り致します。僕、ネパールは20代の頃に1週間程滞在した事があるんですね。とても貧しいけれど、飾り気が無く質朴剛健な人々が住み、とても穏やかなお国柄であり、空気は清澄で静謐、エベレストが空港から見える絶景と共に、非常に美しい処として、大変印象に残っています。首都カトマンズにある世界遺産、ダルバール広場は、幾度と無くそぞろ歩きましたけれど、大変な活気と、3つ目のシヴァ神の仏像と、同じく額に朱印を付け、サリーを身に纏った女性達を今でも思い出します。このダルバール広場、元々はネパールを支配する王様の宮殿だった訳で、今では寺院と広場となり、一般公開されているのですけれど、そこが無残にも瓦礫だらけになっていて、悲しい限りです。幽かなご縁があって、かって清遊した地が廃墟になる程辛い事は無く、僕に出来る事は募金ぐらいしかありませんけれど、ネパールの1日も早い復興を、心より願っています。

さて、読者の皆様、週末は如何お過ごしでしたか!?僕、本当に久方振りの、1か月ぶりぐらいの連休が頂けたものですから、思う存分、骨休めが出来ました。とは言っても、犬の散歩に映画に昼寝、といった至極平凡なものでしたけれど、随分と疲れが取れた様に思います。欲を言えば、あと10時間ぐらい眠りたかったんですが、幾ら何でもそれでは寝過ぎですよね!?僕、土曜日の午前、床屋さんで髪を切ってさっぱりしてから、大分市内に在る、シネマ5というミニ・シアターに赴きまして、少し気になっていた映画を観たんですね。邦題は「パレードへようこそ」、原題は pride 、ですから、誇り、でしょうか。舞台になりますのは、80年代のサッチャー政権下のイングランドであります。当時のイングランドは、深刻な財政難に喘いでおりまして、其処に、鉄の女サッチャーが颯爽と登場した訳ですね。彼女は新自由主義の考え方ですから、無駄な物は全て排除する、というスタンスなんですね。僕、それは決して悪い事では無く、サッチャーの行った規制緩和や国営企業の民営化については、大変素晴らしかったと思うのですけれど、彼女の大失策は、人の心情や実体経済への理解度が薄く、セーフティ・ネットをきちんと構築しなかった所為で、失業者が増大した事でありましょう。そして、ゲイや労働者や少数民族を暴力で弾圧するという、単一の価値観を押し付け、国民の猛反発を招いた事でしょうか。アベノミクスと似ているんですが、法人税や所得税を下げて消費税を上げ、結局は上手く行かなかったんですね。日本の場合、サッチャーの行った公務員の削減すらしないんですから、失敗するのは目に見えています。サッチャーは、強く優れたリーダーではありましたが、経済政策は何とか成功の範疇でしょうが、セーフティ・ネットの構築では失敗、戦争指導は大成功、毀誉褒貶相半ばする、という評価が一般的かなあ…。

さて、映画の話に戻りまして、そのサッチャーが、不採算部門と考えた、炭鉱の閉鎖の問題が第1のテーマです。劇中の炭鉱は、ウェールズにあるんですね。ここで、イングランドという国の成り立ちを考えてみます。土着の民である、ウェールズ・スコットランド・アイルランドのケルト人達を、アングロサクソンであるイングランド人達が搾取し、支配し出来上がった国なんですね。ウェールズ人達の土地を、イングランド人が植民地として差配するという歴史が千年以上続いた訳で、この炭鉱も全く同じ図式なんです。この惨状を見かねて立ち上がったのが、ロンドンに住む、ゲイやレズビアン達だった、という実話なんですね。主人公のゲイのリーダーが、「僕らの敵は警官とサッチャーだ。炭鉱夫も同じ立場だ。ならば助けなきゃ。」という台詞があります。つまり、この映画の構図として、権力VSマイノリティ、という図式になるんです。千年以上虐げられたケルトの民、ゲイやレズビアン、黒人らが共闘し、イングランド政府と平和裏に戦う訳でして、涙あり大人の辛口のジョークあり青年の成長あり、劇中の音楽は当時の世相そのままの、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドにカルチャー・クラブにザ・スミス、これまた大変結構でしたねえ。炭鉱の街に、ゲイ達がやって来るシークエンスがありますが、マッチョな炭鉱夫どもですから、案の上、全面拒否となりますが、やはり女性達の方が柔軟性がありますから、直ぐに素直に受け入れるなど、良く練られた自然な脚本でした。若手もベテランも、役者は何れも芸達者ですし、このゲイとマイノリティが主役の映画を、BBC films ですから、国営放送がスポンサードしているんですから、日本では考えられませんし、流石は大人の国と思いました。僕、、英国映画に外れなし、という持論があるのですけれど、ラストのシークエンスも大変素晴らしく、必見の一作と思いました。そうですねえ、本作は、「フル・モンティ」、「ブラス」、「トレインスポッティング」、「リトル・ダンサー」、「リフ・ラフ」、「ロンドン・ドッグス」、「バースディ・ガール」といった一連のイングランド映画の系譜に繋がる、傑作と言えるのではないでしょうか。

この「パレードにようこそ」は、今の日本の様な新自由主義に負けず、マイノリティや社会的弱者が連帯、政府に対抗する、というお話です。我が国はまだまだ偏見が強いなあと思うのですけれど、同性愛者だって、同じ人類な訳で、彼らの権利をきちんと認め、受け入れるべきです。昨日、統一地方選がありましたけれど、同性愛者の議員さんだって、まだまだ数える程でしょ。もっとどんどん立候補すれば良いのに。僕、同性愛者じゃありませんが、その人の政策が良ければ、喜んで一票を投じますよ!あの天下の三島由紀夫先生だって、ゲイだった訳で、それで彼のずば抜けた文学を馬鹿にする人なんて、世界中に誰も居ないでしょう。僕、かって三島先生のお相手だった作家、福島次郎さんが書かれた私小説、「三島由紀夫 剣と寒紅」を読んだ事があります。遺族は激昂、あっという間に絶版になりましたけれど、それで三島先生の価値が下がる筈がありません。僕、三島先生の、率直で律義なライフ・スタイルを知り、寧ろ好きになりましたよ。まァ、これはあくまで噂でしょうが、三島先生はスペインから男性のフラメンコ・ダンサーを自宅に招聘、満月の下、延々と全裸で踊らせたそうです。観ている三島先生も全裸だったそうで、ここら辺になると、僕には理解出来ない世界ではありますが、私生活と文学の出来には、何の関係もありませんからねえ。寧ろ、それで、今なお全世界で三島文学は読まれ続けているんですから、スペインのフラメンコ・ダンサーに感謝すべきでありましょう。

閑話休題、新自由主義も悪い事ばかりではありませんし、自助努力は当然の事ですが、弱者救済のセキュリティ・ネットだけは決して忘れてはならない、そう思えてなりません。と申しますのは、この国において、所謂居所不明児童、行方不明になっている子供って、かなりの数居るんですよ…。ここ半世紀のデータでは、累計が2万4千人でして、毎年500人前後の子供達が居なくなっています。去年の冬の日経新聞に依れば、行方不明の子供は141人に減った、と出ていました。でもねでもね、毎日・読売新聞の同時期の調査では違ったアプローチをしていまして、それに依ると、「18歳未満の、住民票が消えた子供」の数は、なんと941人に達するとか。これ、実は政令指定都市や東京23区だけだそうでして、全国で調査したら、一体全体、どれ位の数字になるんでしょうか、僕、肌が粟立つ思いです…。恐らく、虐待や一家離散や失踪、もしかして国外への誘拐や人身売買、といった最悪のケースも考えられますが、これこそ、国が取り組むべき、喫緊の最重要課題じゃないでしょうか。アベの馬鹿は、踊る阿呆に見る阿呆、浮かれ上がってアメリカに行って喜んでますが、福島の復興に原発の廃炉、先の行方不明の子供達の確保、北朝鮮の拉致問題、年金問題の解決は勿論ですし、アンタのやる事は日本で沢山あるよ!!
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