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MANOS DE PEDRIA

おはようございます。いや~暑いですね。僕が子供の頃と1カ月季節がずれている気がします。以前は6月ってもう少し涼しかった様に思うんですが…。今年の夏は大分も40℃を超える日がありそうですよね。

こういう暑い日って中々寝苦しく、睡眠不足が続き、体調を崩しがちです。僕、20代30代の頃は、夏を乗り切る必殺技がありました。当時の勤め先の屋上に、サンドバッグやパンチング・ボール、サウナ・スーツを置いていまして、ボクシングのトレーニングを毎日行っていたんですよ。サウナ・スーツを着込んで、柔軟体操とストレッチを3R(1Rは3分です)、ロープ・スキッピングを2R、シャドーボクシング1R、パンチング・ボール2R、サンドバッグ打ち4R、最後の柔軟体操を3R、の計15ラウンズ45分をこなすと、全身汗まみれ、Tシャツは変色し、脱ぐのに一苦労です。その後、ぬるま湯で半身浴を30分、麦酒を呷って夕飯をしっかり取れば、朝まで目覚める事はありませんでした。今やったら倒れそうですね、運動不足のお陰で身体がプクプクしてますが…(^^)。当時は辰吉選手に似ている、なんて良く言われたものです。目付きが良くなかっただけかな…(苦笑)。

僕、中学生ぐらいから格闘技が好きで、当時はやはりプロレスが大人気でしたから、新日本だ全日本だ、スタン・ハンセンだブルーザー・ブロディだ、タイガー・ジェット・シンだダイナマイト・キッドだ、と毎週テレビ放映を楽しみにしていましたし、荷揚町体育館に何度も観戦に行っていました。でも、そのうち疑問が生じてきたんですよ。確かにプロレスってエンターテイメントで楽しいけれど、真剣勝負という点ではどうなんだろうって。

高校時代は柔道部への入部を勧められたり、周りには極真空手や少林寺を習っている連中もいて、自分でも何かやりたいな、と思っていた時に出会ったのがボクシングです。

世界中の全ての格闘技のルーツは、古代ローマの武術「パンクラチオン」に行きつきます。このパンクラチオン、ルールなんてありません。目潰しと噛みつき以外何でもOK、の極めて危険なもので、この武術が長い歴史の中で洗練され、ルールが確立し、近代ボクシングが誕生します。

当時の僕はそんな事は露知らず、世界チャンピオンの具志堅選手や浜田選手に憧れ、見よう見まねでサンドバッグを叩いていました。ある程度の基礎が出来れば、ジムに入門し、まずはプロライセンスを取って、と考えていたのですが、残念な事に、視力が悪すぎ、プロボクサーの道は断念しました。

この断念した事が、かえってボクシングにのめり込んだ一因かもしれません。自分では出来ない分、帝拳ジムに入ってトレーナーになって世界チャンピオンを育てるんだ、いやジョー小泉の様に世界を股に掛ける解説者になるんだ、なんて夢見がちな高校生でした。

皆さん、ボクシングって野蛮なイメージがあるかと思うんですよ。僕、それは違う、と声を大にして反論したいです。ボクサーとは、非常に聡明なんですよ。東大を出た人より頭が良いのは間違いありません。脳から命令を下して、身体が動くのにはコンマ何秒か掛かります。相手が打ってくるパンチ、そのかわし方は十何種類もあり、反撃に出る手段も幾つもあります。それを瞬時に判断し、的確に脳から命令を下し、身体を動かす訳ですから、頭が悪い人が出来る筈がありません。そして、ボクシングは距離のスポーツでもあります。相手からのパンチは届かず自分のパンチだけが届く、これが理想形です。身長に手足の長さ、胴体や顔までの距離は人によって違う訳ですから、リング上にいる12R36分の間で、動き回る相手に対して距離感を正確に保たねばなりません。そして、戦う肉体を作り上げるのも非常に重要です。瞬発力に必要な速筋、持久力に必要な遅筋、どちらも必要で、バランスの良い身体造りが必須です。おっと、最も大切な事を記すのを忘れていました。「チャンスに慌てずピンチに動じない」「恐怖心を飼い馴らす事の出来る」精神力と、幾通りもの試合展開を想像出来る構想力です。もう1つ。ボクシングは個人競技の様に見えて総合力なんです。選手とともに、練習方法を練り試合の分析をするトレーナー。ギャランティや試合会場の設営、合宿の為のキャンプ地の決定、テレビ局との交渉等を行うジムの会長。トレーナー、会長、選手の三位一体が無ければ厳しい試合に勝つ事は出来ません。

物事を瞬時に判断出来る頭脳。距離感を正確に測る眼力と経験。身体を造る為の正確なトレーニングと栄養学。精神力。構想力。人間同士の信頼関係。

いかがでしょうか。ボクサー、というよりは、F1レーサーやジェット戦闘機のパイロットに近い存在、という事が分かって頂けたでしょうか。

すっかり観戦専門になってしまった僕ですが、思い出の試合は幾つもあります。贔屓のボクサーが理不尽な負け方をし、両国国技館内の18000人の静かな男泣きを背にして、帰りがけのビアホールでまともな注文が出来なかった事。横浜アリーナでの世界戦、ラスト・ラウンド、大歓声を受け、敗勢の挑戦者が勇気を振り絞りチャンピオンに立ち向かうが、返り討ちに合い、意識を無くすまで戦い抜いた事。同じく横浜アリーナで、前座で出て来た若手ボクサーの煌めくばかりの才能に目を奪われ、変わった名字なので何となく覚えていたら、数年後に世界を制した事。

男同士が、知恵と度胸と努力を武器に、己の拳のみを頼りに命を的にして戦い、勝者は全てを掴み敗者は全てを失います。それを知りながら試合後は健闘を讃え合い、両者は抱擁して別れる、こんなに面白く、そして激しく、人間の崇高ささえ感じさせる格闘技が他にありますか。だからこそボクシングは世界中の格闘技の中で、最も人気と権威があるのだと、僕は思います。

ボクシングの世界を知り、離れられなくなった人の事を、「虫に刺された」と言います。僕はずっと刺されっぱなしで腫れ上がっているぐらいですが、読者の方々が、この小文で、少しでも虫に刺されれば幸いです(^^)。

最後に僕の贔屓ボクサーを記しまして、この小文を終わります。

<国内・順不同>

ファイティング原田/輪島功一/渡辺二郎/柴田国昭/浜田剛史/小林弘/沼田義明/海老原博幸/飯田覚士/長谷川穂積/辰吉丈一郎/坂本博之/吉野弘幸/関光徳/横田宏明

<世界・順不同>

フリオ・セサール・チャべス/へクター・カマチョ/アレクシス・アルゲリョ/ミゲル・デ・オリベイラ/ポーン・キングピッチ/ウィラポン・ナコンルアンプロモーション/サルバドール・サンチェス/ホセ・ナポレス/アーチー・ムーア/シュガー・レイ・ロビンソン/ジェイク・ラモッタ/サンディ・サドラー/ジョー・フレイジャー/ジョージ・フォアマン/マイク・タイソン/イベンダー・ホリフィールド/マニー・パッキャオ/トミー・ハーンズ/マービン・ハグラー/ロベルト・デュラン

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