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草枕

人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向こう三軒両隣にちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからといって、越す国はあるまい。あれば人でなしの国に行くばかりだ。人でなしの国は、人の世よりもなお住みにくかろう。これ、漱石の名高い小説の冒頭部分ですけれど、ホント、右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆のからみあい、うんざりする事ばかりです。

ウクライナの戦争はちっともおさまる気配がありません。今月15日に停戦合意をしたばかりと言うのに、昨日17日にはウクライナ東部では盛んにドンパチやってるんですからね、こりゃ収まりませんや。僕、ウクライナの大統領とプーチン、そして諸外国を含めた、その停戦合意の会議の写真を見たんですよ。そうしましたら、プーチンが顔色1つ変えずに、持っていた鉛筆をへし折ってました…。ええ~、もう、全く納得してないじゃん、怖いよ~、と思っていたら、この有り様でしょ!?2週間以内に双方が重火器を撤収する、と言っていたのに、その兵器を思うさまぶっ放しているんですもん。こりゃ、余程の実力者が仲裁に入って水入りとしなければ、延々と戦が続くんじゃないでしょうか。かと言って、欧州にもアメリカにもその力は無い訳でして、いつまで続く泥濘ぞ、果てしない諍いですねえ…。

そして、僕、苦笑しているのが、我が愛する阪神ですよ。和田監督は高血圧で倒れ、濱中2軍コーチは飲み過ぎたのか膵炎で入院、おまけに内野手には怪我人が続出、松葉杖を突いていたり足首を捻挫したり肩を脱臼したり、この間の試合では、選手が足りないから、コーチがセカンドを守りそうになったというじゃありませんか、トホホ…。こりゃあ今年も駄目かなあ!?まァ、阪神の危機管理の不手際には最早慣れっこですから、別に驚きませんけれど、凄まじいのは大塚家具のお家騒動というか、創業者一族の内紛ですよ。

この大塚家具さん、半世紀近い歴史を持つ、立派な上場企業であり、家具の小売りでは、トップ・ブランドの1つですよね。僕、博多のリバレインにある、大塚家具さんのショー・ルームを1度だけ覗いた事がありますけれど、まァ目が飛び出る程お高い家具が、広いショー・ルームに所狭しと並んでおりまして、こりゃあ高嶺の花、とても手が届かないなあと思っていたんですね。少々敷居が高い感があり、最近はイケア等を筆頭に、もっと価格帯の低い家具が大人気じゃないですか。悪く言えば殿様商売の感があり、他人事ながら大丈夫かなあと危惧していたんですね。案の定というべきか、此処は同族経営の由ですが、売り上げが落ちた事で叩き上げの創業者兼社長が退任、その娘さんが継ぎ、4年連続黒字とV字回復をしたそうです。新社長の娘さんは、今までのお高い感じを改め、若い層をターゲットに、よりリーズナブルにフレンドリーに敷居を低くして成功を収めたのです。ところがそれが、創業者のお父さんには、自らの路線の全面否定と受け取った様で、何と実の娘を解任して自ら社長に返り咲いたんですね。娘さんも黙ってはおらず、今度は外資の資金力をバックに巻き返し、お父さんを追放しました。ところが、会長職に就いたお父さんが大逆襲、大株主として改めて娘さんを解任しようとしているんですね~。骨肉の争いという言葉があります様に、肉親故に難しく、そして愛憎相半ばするのでしょう。何だか、シェークスピアのリア王を地で行く悲劇ですけれど、僕、実は他人事とは思えないんですよ。

以前在籍していた病院において、僕が事務長兼役員、父が院長兼理事長、という体制で10年間経営に携わって来ました。先の大塚家具ではありませんけれど、父はドクターとしては大変優秀でしたが、時の流れには勝てず、健康を害していた上に、はっきり言って経営方針が昭和のままであり、古過ぎたんですね。僕としては、今後の激動の医療情勢を鑑み、様々な改革を今の内にしなければ、と必死に訴えたのですけれど、全く理解して貰えませんでした。紆余曲折があり、すったもんだがあり、嫌な思いを散々積み重ね、最後は僕が身を引く形で決着、結局は今は他の方が経営しています。今思い返せば、僕の主張や方向性は、決して間違っていませんでしたし、当時の病院のスタッフや患者様にも、ベストとはとても言えないまでも、何とかベターなソフト・ランディングが出来たと自負しています。只、当時まだ30代の初めだった僕の失敗は、父の哀しみを理解してあげられなかった、という事でしょうか…。尤も、父の意向を全て聞いていては、病院そのものがおかしくなるので、全ては出来なかったにしても、せめて傾聴すべきだった、コミュニケーションが足りなかった、つくづくそう思います。勿論、当時の僕なりに、必死に父を理解しようとしていたのですが、人間、論理では無く感情で動くという事に、未熟な自分は気付いてはいても、軽視していました。「親子なんだし、話せばきっと分かって貰える筈。」、それは正しいんですが、その正論が通れば、戦争なんて、疾うの昔に無くなってますよね。我が家のケースは、先の大塚家具と全く同じでありまして、僕が或る程度病院を立て直した事が、自分の路線や過去の成功体験の全面否定だ、父は恐らく、そう受け取ってしまったんですよね…。勿論、大塚家具さんと、父の小さな病院とは規模が全く違いますけれど、問題の核心部分については、同根と思う次第です。

最近、同じ様な結論ばかり書いている気がしますが、とどのつまり、問題解決の要諦は、寛容と笑いと愛、そう思うんです。

フランスに、メドック・マラソン、という有名なレースがあります。ワインをお好きな方はピンと来たでしょう。メドックは有名なワイナリーが沢山ありますけれど、このマラソン、勿論走っても良いのですれど、ランナーは皆、思い思いに仮装しておりまして、国籍は問わず、老若男女が踊ったり歌ったりしながらレースを楽しみます。嬉しいのは給水所でして、バンドがおり楽しい音楽を奏で、水も当然飲めますが、紅白のワインは勿論、生牡蠣に生ハム、仔羊にチーズ、フランスパンにエスカルゴ、じゃんじゃん出て来るんですね。謂わばグルメ・マラソンでありまして、無事完走した方には、デザートとしてアイス・クリームが出るそうで、うん、フランス人ってやっぱり、人生を楽しむ余裕があります。因みにこのマラソン、大人気で、参加するチケットは垂涎の的だそうです。

同じくフランスですけれど、半世紀以上前の話になりますが、かって駐在武官という職がありました。これ、各国大使館付きの軍人さんでして、その国の軍備を視察し、日本にレポートする役目なんですね。さて、フランスにとっては、外国に自国の軍備なんて決して見せたくない訳で、時には一触即発になる、微妙なポジションであります。さて、日本帝国海軍の軍人さんが、フランス駐在になりまして、でも言葉がちっとも出来なかったんです。ひょんな事から素敵なフランス人の恋人が出来まして、ベッドの上で睦言を交わしながらかどうかは分かりませんが、フランス語も格段に上達、先の困難なネゴシエーションも円滑にこなせたんですね。ところが、フランス語って、僕も大学時代に第2外国語で習った癖に何も覚えていませんが、男女で使う言葉が微妙に違うそうなんですよ。日本海軍の軍人さんは、彼女から言葉を習ったものですから、女性が使うフランス語だったんですって。「あら、困ったわねェ…。日本海軍としては、フランスさんのその申し出は、受けられないのよ、ごめん遊ばせ~。」、てな具合で、荘厳な軍服を着た、厳つい顔の軍人がそう返答していたそうです。フランス軍側も、微苦笑しながら、ついつい日本側の意向に沿う形で処理したそうでして、うん、笑いは一服の清涼剤と言えましょう。

最後に、僕、この写真を見て涙が出ました。ギリシャ南部にある洞窟で、6000年前の遺骨が見つかった由でして、それは男女のカップルだったんですね。横になってお互いが抱き合ったまま亡くなっていたそうで、うん、人間やっぱり、全ては愛ですよ♡

智に働けば角が立ち、情に掉させば流され、意地を通せば窮屈なのが人の世の常ですけれど、全ての人達が、愛と寛容と笑いで、様々な問題を解決出来たら良いなあ、僕、そう思います!よし、これからスタッフとの面談なんですが、その精神で背一杯頑張ります♡
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