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♡ PLEASE REMEMBER MY LIFE IN YOUR HANDS ♡

「全ての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている。」、これ、1776年に造られたものですから、今から約250年前に書かれた文言でして、彼の有名な、アメリカ独立宣言であります。でもどうやら、「全ての人間」には黒人は含まれていない様ですね。今年8月にミズーリ州で起きた、丸腰の黒人が白人の警官から、少なくとも6発の弾丸を浴びて射殺された事件において、不起訴が決まりました。僕、この事件の背景や正確な状況は分かりませんけれど、人を1人殺しておいて、不起訴というのは、どうも納得出来ません。それを決めた陪審員も、白人9人黒人3人だそうですし、起訴されて法廷で審理の上で無罪なり有罪、というのなら分かるんです。不起訴、という事は裁判無しで無罪なんでしょ。無理が通れば道理が引っ込む、アメリカもこれで完全に終わった感は否めません。オバマは「アメリカは法治国家だ。不起訴を受け入れる必要がある。」と言ってますが、説得力皆無ですよね…。法治国家ならばこそ、法廷においてこの事件を裁くべきだった、僕はそう思います。挙句の果てに、オバマの演説中に暴動が発生した由でして、現地では略奪に放火が相次ぎ、2000人を超す兵士が投入されたとか。また、NYにLAやカリフォルニアでもデモが起こっているそうです。

歴史を紐解けば、1950年代のアメリカでは、黒人達による大きなムーヴメントが起こりました。人種差別の解消と、公民権--参政権ですね--を求める運動だったのですが、マルコムXとマーティン・ルーサー・キング牧師という2人の優れた指導者の尽力により、それは成った筈でした。でも、白人による、黒人やヒスパニックやインディアンへの殺害事件は、ちっとも減りません。♪ 時代する都市よ その安全の為に 新しく差別を産み落とす ♪、泉谷しげるの名曲、「ハレルヤ」のフレーズを思い出しますけれど、この果てしない暴力の連鎖には吐き気がします。使い古された歌詞かもしれませんが、war is over,if you want it、でありまして、やっぱりねえ、暴力よりも愛ですよ♡♡

閑話休題、こういう時にこそ、美しい物に目を向けねばなりません。読売新聞を読んでいましたら、銀座でクリスチャン・ディオールの展覧会を開催している由なんです。当院のO事務部長と違って、僕は女性服は疎いですけれど、流石にディオールのお洋服は、エレガンスで優雅な曲線と美しいシルエットを持つ事ぐらいは分かります。ディオールは元々画廊を経営していたぐらいで、絵画に造詣が深く、ピカソにマティスにデュフィ等と交流が深かったぐらいですから、色合いもビビッド、流石に際立っていますよね。サンローランもフェレも、そしてジバンシィのデザイナーだったガリアーノも、皆さんディオールに居た訳で、ファッション界のメイン・ストリームである事は言うまでもありません。

もう一方の雄としては、やはりジバンシィになるのかなあ。ディオールはグレース・ケリーのイメージですが、ジバンシィはやはりオードリー・ヘップバーンでしょうか。「ティファニーで朝食を」「おしゃれ泥棒」「シャレード」「麗しのサブリナ」、これらの素敵な衣装は皆、ジバンシィのオートクチュールですもんね。日本の女優さんでは、社長シリーズや名匠成瀬巳喜男監督の作品に出ていた、新珠三千代さんが、常にハナエモリのお洋服でありました。さて、ヘップバーンは映画界のトップ・スターでありファッション界のアイコンであり、世界中で知られている訳ですが、先に挙げた「麗しのサブリナ」で穿いていた、細身のふくらはぎ丈のパンツが、サブリナ・パンツとして一世を風靡したんですね。

このサブリナ・パンツ、トレアドル・パンツとも呼ばれていたそうでして、ヘップバーンにインスパイヤされた所為でしょうか、これを和歌に詠んだ文豪が居るんですね。その名は、僕も大好きな谷崎潤一郎でありまして、つい先日、女性に宛てたラヴ・レターが288通見つかったんですが、これは三番目の奥様の松子さんへの物でした。「あなた様の夢を明け方覚めるまで見つゞけました。」「永久に御高恩を忘れず、忠僕に御奉公申し上べく候。主従の分を守り候。」「私之生命身体家族兄弟収入等総て御寮人様之御所有。」、うう~ん、女性の脚をこよなく愛したマゾヒストの谷崎らしいんですが、これ、文章や内容は兎も角として、不必要な程、見事な達筆なんですよね。

さて、熱烈な恋愛の末、3度目の結婚相手の松子夫人と結ばれた訳ですが、一度噛んだ犬はまた噛む、の喩どおり、暫くしますと、谷崎先生は、50歳近く年の離れた、遠縁の姪に入れあげるんですね~。彼の棟方志功に版画を彫らせ、原画は恐らく1000万は下らないでしょうが、彼女の肖像画を入れ、そこに、先のサブリナ・パンツの和歌を添えるんです。「トレアドル パンツの似合ふ 渡辺の 千萬子の赫き 手にあるダリア」、「薬師寺の 如来の 足の石よりも 君が召したまふ 沓の下こそ」、ですって。ド変態&ド助平確実なお爺さんでありまして、彼らが交わした書簡が本になっていまして、これ、以前の拙ブログでもご紹介しましたけれど、「谷崎潤一郎=渡辺千萬子 往復書簡」 中公文庫、なんですが、将に巻を擱く能わずの面白さは、僕が保証します。最初は堅い候文なんですが、どんどんメロメロになってしまいまして、先のトレアドル・パンツは勿論の事、真珠にダイヤにミンクのコートに現金に靴に象牙、兎に角プレゼント攻勢なんですね。「僕は君の為ならどんな高価なものでも高価とは思いません。」「今度京都に行つたら、あの靴を履いたアナタの足を、もう一度ゆつくり拝ませて下さい。」「アナタを幸せにする事が僕の生きがいです。」「僕はアナタのスラックス姿が大好きです。」「私はアナタに支配される事を望んでいます。」「どうしてもアナタにミンクのコートを贈りたいのです。でも今お金を送ると家族に露見します。良い案を思い付くまで、暫く時間を下さい。とりあえず50万は書留で送りますのでお許し下さい。」「今2億円あれば、共に欧州で暮らす事を夢見ています。」、まだまだあるんですが、変態爺さん大爆発の巻、という感じでして、でもこのやり取りが、傑作「瘋癲老人日記」「鍵」が生まれるきっかけになった訳です。

まあ確かに、谷崎は文学的価値はさておき、私生活はアブノーマルでモラル的にどうか、という気はします。でもね、歪んだ形ではありますが、これも谷崎の愛の証だったのでしょう。何もしていない、丸腰の若者を問答無用で惨殺するよりは、よっぽど罪がありませんよ。暴力よりも、all you need is love,love,love is all you need、僕、そう思うなあ♡
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