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♪ NEVERMIND ♪

落雷の 近しと鯵を 叩きけり、ここ数日の大分は、まあ酷い天気でして、昨日なぞ、集中豪雨の後に、ほんの少し晴れ間がのぞいたり、狐の嫁入りがあったり、途轍も無い湿気が残ったりと、僕、もう、へばってます…。夜の寝汗も酷いですし、エアコンのタイマーが切れると目が醒めたりして、仕方が無いので、句集を読んでいましたら、眠れなくなってしまいました。

さて、冒頭の句は、鈴木真砂女--まさじょ--さんの詠んだものなんですが、この方、「天衣無縫」「いよよ華やぐ」という小説になっている様に、燃える様な恋に生きた方だったんですね~。何だか僕の母に、何処となく似ている気がして、郷愁を覚えますけれど、ご実家は千葉の最南端、太平洋に面した鴨川グランドホテルのご息女ですから、非常に裕福な家庭に生まれたんですね。恋愛結婚後娘さんを儲けますが、ご主人が出奔し離婚、お姉さんが夭折し旅館の女将として義兄と結婚します。旅館に宿泊した年若い海軍士官と恋に落ち、出征する彼を追って家出、そして離婚、銀座で小料理屋を開きながら、96歳まで俳句を造り続けるんですね。将に恋と俳句に生きた情熱の人、という感がありますけれど、残した句が、まあ艶っぽいと言いますか、業が深いんですよ。死にし人 別れし人や 遠花火、白桃に 人刺すごとく 刃を入れて、花冷えや 箪笥の底の 男帯、野良猫の 恋に憚り なかりけり、男憎し されども恋いし 柳散る、かの人と 思ふ蛍を 追いに追ふ、衣ずれの 音をきかせよ 雪女、うう~ん、情念の世界ですね、演歌では無く艶歌、いや怨歌でも良いかもしれませんね~。こういう女性を相手にすると大変な事になりそうですが、居留守なぞ使っても何時間も帰りそうにありませんよね!?その道に詳しい人が居ますから、今度の飲み会の時に、彼に聞いてみようっと!?

閑話休題、昨日は仏事があり、お経を聞く機会がありました。「我や先、人や先」、浄土真宗の女僧さんのお経を聞いていましたら、ギャーテーギャーテーハーラーギャーテーハラソーギャーテー、おっとこれは天台宗の般若心経ですね、失礼しました…。話を戻しまして、僕の生家は浄土真宗なんですが、今までお経を聞いていても、全く気付かなかったのですが、迦陵頻伽--かりょうびんが--という言葉が、始めてはっきり聞こえました。この迦陵頻伽とは、大変な美声を持ち、極楽に住み、上半身が人で下半身が鳥、という架空の生き物なんですね。ここからの話は、信じるも信じないも貴方次第なんですが、眉に唾を付けて少々お付き合い下さいませ。

米長さんという、大変強い将棋指しが居ました。幾つものタイトルを取り、女性にモテる艶福家、ファンからも絶大な人気を誇ったのですが、将棋界で最も権威と伝統がある、「名人」だけは、どうしても手が届かなかったんですね。米長先生が名人位に挑戦する事6度、全て失敗に終わりました。棋士としては晩年の49歳になり、7度目の挑戦権を得るんですね。米長先生は、今までと同じやり方では勝てない、神仏の加護を得ようと思ったのでしょう。鑑真和尚が眠る、奈良の唐招提寺に参拝します。鑑真和尚は唐の高僧ですが、日本に仏教を広めようと渡海する事6度、悉く失敗し、7度目の航海で漸く来日出来たんですね。米長先生は、ご自身の運命を重ね合わせたのでしょう、和尚のお御堂で一心不乱に瞑想する事暫し、瞑目していると、何とも言えない美しい鳥の鳴き声が、延々と聞こえて来たそうです。参拝後、案内されたお坊さんにその旨を伝えた処、「私には何も聞こえませんでした。恐らく、迦陵頻伽が来たのでしょう。」との由でした。その後、名人戦が行われたのですが、米長先生は、今までどうしても勝てなかった中原名人に、4勝0敗のストレート勝ちを収めるのです。

米長先生は、迦陵頻伽なぞ勿論ご存じ無かったそうで、摩訶不思議な事もあるものですよね。さて、この鳥、世界各地で神様として扱われていました。本邦では八咫烏、インディアンのサンダー・バード、インドネシアでは航空会社の名前にもなっていますが神の鳥のガルーダ、マヤ文明のキンチ・カクモ、北欧の光る巨鳥はウィゾフニル、エジプトの不死鳥のフェニックス。所謂凶鳥、妖鳥としても、中国の姑獲鳥、ギリシャのセイレーンにハーピー、スリランカのブルル、アイルランドのマッハ、アラビアのルフ。枚挙に暇がありません。興味深い処では、世界各地のシャーマンは皆、鳥の恰好をしますし、モーツアルトのオペラ「魔笛」でも、鳥装をした登場人物が現れます。

何故鳥は神格化されて来たのか?これ、故手塚治虫先生のライフ・ワーク、「火の鳥」でも繰り返し描かれましたけれど、一種の太陽神ですよね。日本ならば天照大神、ケルトではルー、エジプトのラー、マヤのケツアルコルトル、北欧ではソール、ローマのアポロ、最後の神を除いて、どうやら皆さん女神らしいんですが、太陽に向かって飛ぶ鳥は、その化身と見做されたのでしょう。チベット仏教や、インドやペルシャのゾロアスター教の鳥葬が好例ですよね。これは蛇足ですけれど、アメコミの、キャプテン・アメリカに登場するヒーロー、ファルコンは大空を自由に飛び回り、鳥を仲間にしているのですが、彼の父君は牧師、という設定ですもんね。

僕、ここまで割合アカデミックなアプローチをして来たなあ、と自画自賛していたのですが、とんでもない不信心で罰当たりな事を思い出しました…。僕が小学生の頃、夏休みの家族旅行で、京都・大阪・神戸の三都を廻ったんですね。京の伏見稲荷大社に参った時の事です。ここは全国の稲荷神社の総本山でして、千本鳥居が荘厳で美しく、世界中から観光客が集まるパワー・スポットとでも申しましょうか。大変な賑わいの中、参拝して喉が渇いたしお腹も減った、という訳で、参道の門前にあった、とあるお店に入ったんですね。僕、全く知りませんでしたが、ここの名物は雀の丸焼きなんですよ。雀は稲を食い荒らすから害鳥という事なんでしょう。でもね、延々触れました様に、鳥って神様扱いされているのに、雀の焼いたのを頭から丸ごと食べるなんて…、と思っていましたら、父は余程お腹が空いていたのでしょう、もう2~3本平らげた上、ビールまでとっとと飲んじゃってまして、「おい、たかし!こりゃあ旨えぞ!お前も食えよ!あと5本頼んだぞ!」ですって…。雀の形状がはっきりと分かりまして、骨も頭も全て食べるんですから、中々ワイルドなんですよね。元来が食いしん坊の一家ですから、お代りまでして綺麗に平らげましたけれど、全国稲荷神社の総本山の真ん前で堂々と殺生三昧、僕達は、極楽或いはnirvana、はたまた天国に行けるのか、何だかとっても不安になったものです。

お盆も近くなりましたし、今日は何だか抹香臭く、折角硬派なアプローチと思ったのに最後は竜頭蛇尾に終わりましたけれど、我流の鳥類考察、如何でしたか?ハンニャハラミタ、オンアボギャー、ボジソワカー、って、こんなに般若心経を茶化していたら、僕、とても天国には行けませんね、って、そりゃキリスト教だよ!?
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