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われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれは何処に行くのか

僕、つくづく思うんですが、ウチの家系の男性陣って、どうも破天荒と言いますか八方破れ、海外雄飛の夢を持つ人が多い様に感じます。この病院の創立者の僕の曽祖父は、芸者さんを追い掛けて平壌まで行く剛の者でした。僕の父は、香港で綺麗な女性を沢山集めてクラブを開く寸前まで行きましたし、詳しく書けないのが残念でなりませんが、遠縁の伯父さんは戦前から戦後にかけて中国大陸で大暴れしたそうです。もう1人の叔父さんは、慶應義塾を出て商社マンになりフランスに長年在住、日本に戻り上智で神学を学び、その後は中国で大学教授を務め、今は帰国されましたが、今度はアフリカに行って恵まれない人達を救う、と意気軒高ですもんね。その血族の末席にあたる僕も、世界20か国ぐらいは優に行っていますから、これこそ血筋なのかなあ。

さて、そのフランスに二十数年居た叔父さんなんですが、現地ではツアーコンダクターの仕事をされていて、欧州全域を廻っていたんですね。僕、個人的にも大変お世話になりましたし、こう書くと烏滸がましいですが、気が合う叔父さんですから、しょっちゅう色々な話をし、ご教授して頂いたものです。その中でも印象に強く残ったのは、やはりフランスの国情なんです。欧州の人種の分布をざっくりと考えますと、東欧はスラブ、北欧はノルマンやデーン、イングランドはアングロサクソン、ドイツはゲルマン、スペインはカタルーニャやバスク等大きく4つに分かれ、そしてイタリアやフランスはラテン、といった民族で構成されるかと思います。そして、トルコを中心とするバルカン半島は混血ですし、各地にはユダヤ系や、かってジプシーと呼ばれていた放浪民族のロマが居る、という感じでしょうか。これが元々の欧州の姿でしたが、2度の世界大戦により人口が激減し、労働力が深刻に不足、そこでかっての植民地--アフリカ諸国にインドに南太平洋等々--から多くの移民を受け入れました。それに加え、EUが出来ましたから、人々の往来が今まで以上に盛んになったんですね。

アメリカはよく、「人種のサラダボウル」と呼ばれます。ボウルの中に、レタスやトマトやキュウリ等々、多くの野菜--人種に例えている訳ですね。--が混在し国を構成している、という訳です。多くの人種が居る欧州ですけれど、中でもラテンの民は国際結婚が多い事で知られる様に、比較的異人種に寛容なお国柄なんですね。中でもフランスは、フランス語を喋る事が出来れば、もうフランス人だ、という具合だそうです。アメリカが人種のサラダボウルならば、フランスはさしづめ、人種のブイヤベースとでも評しましょうか。

ブイヤベースは、叔父さん曰く、欧州で最も素敵だと言う南フランスの料理でして、様々な海鮮--カサゴに鮟鱇に伊勢海老等々--を、多くの香辛料とハーブと野菜で煮込んだものですが、夫々の材料がお互いを引き立てつつ、共存している訳で、まさしくフランスを体現したかの様な料理、僕、そう思います。

さて、世界初の人民革命を起こし民衆の為の政府を造った国であり、共産党勢力も根強く、先に述べた様に異人種にも寛容なフランス--もう直ぐ始まるサッカー・ワールドカップでも、同国の代表選手は半分以上が、黒人か移民の子孫ですもんね。--ですけれど、つい一昨日のニュースで、極右政党の「国民戦線」がEU内の第一党の座を獲得した由でして、僕、これには驚きました!!この「国民戦線」とは何者なのか、「ジャッカルの日」という映画をご覧になられた方はピンと来るかもしれません。「ジャッカルの日」は、フランスの植民地だったアルジェリア--フランス・サッカーの第一人者、ジダン選手はこの国が父祖の地です。--の独立を認めた、ド・ゴール大統領を、OASという極右組織が、ジャッカルと名乗るスナイパーを極秘裏に雇い、暗殺を狙う、という筋立てなんです。ドキドキハラハラでとてもスリリング、未見の方には是非ご覧になって頂きたい大傑作映画ですけれど、今回EU内の第一党になった「国民戦線」、実はこのOASの流れを汲む政党なんですよね…。現在の党首は、何だか逞しい感じの女傑でしたけれど、その党のルーツは、目的の為には手段を択ばない危険性を持っている、というのは決して忘れてはならないと思います。

この右傾化の動き、実はフランスだけでは無いんですよ。イングランド、デンマーク、オーストリア、スウェーデン…。EUという画期的な試み、これ、戦乱に明け暮れた欧州が、戦を無くし、国という概念より大きな、1つのヨーロッパで行こうじゃないかという事だったのですが、移民の増加、国ごとの経済格差、反イスラム、という社会不安から極右政党が各国で台頭しつつある、という所以だと思います。これ、実は以前の拙ブログでも書きましたけれど、EUとは、一種の軍事同盟でもあるんですね。EUでは皆、ドイツ製のレオパルドⅡという戦車を使っているのですが、欧州全域で同じ物を使っていれば、いざ故障の際にも互換性がありますから、ポーランドでもポルトガルでも修理可能ですもん。

ところが、今台頭しつつある各国の極右政党は皆、反EUであり親ロシアなんです。僕、これは邪推かもしれませんが、ロシアのプーチン大統領は元スパイですから、各国の極右政党に、裏から資金援助をしているんじゃないかな!?ウクライナの情勢も全く予断を許しませんし、中国もやりたい放題ですから、こんな事をしていたら、下手をすると、極東か欧州を舞台に第三次世界大戦の可能性だって無いとは言えませんよ!?

それにしても、千年単位で戦争を繰り返し、欧州統合の道を選んだのに、またもや戦のきな臭い臭いがしている訳で、宇宙から見れば、国境なぞ無いんですが、人間の愚かさには呆れますよね。でもね、その反面、人間って面白いものでして、マイケル・オリバーさんというアメリカ人が居るんですが、この人は、「あらゆる国家権力からの干渉を排した自由なユートピアを造る」と宣言、フェニックス財団を立ち上げるんですね。南太平洋の岩礁を乗っ取ったり、カリブ海の小島の住民や、白人が多く住む大西洋の島で独立運動を起こさせたり、何れも失敗に終わるのですが、彼が最後の望みを託したのは、バヌアツという小国でした。このバヌアツ、イングランドとフランスの共同統治下にあり、これまた南太平洋の小島でして、バンジー・ジャンプ発祥の地なんですが、オリバーさん、ここを独立させようと、色々と画策したんですね。

彼の奮闘も空しく、バヌアツの人達自身の選択で、1980年に見事独立を果たすのですが、実はこの国、「地球上で最も幸せな国」に選ばれた事もあるぐらいでして、住民達は大変親日的で穏和、一年中温暖で海も空気も花も素晴らしく綺麗、島にしては珍しく食糧自給率も高く、土地や物価も非常に安価な由なんですね。そしてポリネシア・フランス・イングランド・モンゴロイド系住民が混在し、皆さん混血ですから、立てば芍薬歩けば牡丹、歩く姿は百合の花、何れ菖蒲か杜若、大変な美人さん揃い、将にゴーギャンが描いた一連の作品群、「果物を持つ女」「アレアレア」「2人のタヒチ女」を地で行く世界でして、オリバーさんはすっかりこの島が気に入り、血生臭い独立運動は何時の間にか止めてしまい、今も尚、バヌアツでお気楽に暮らしているとか。彼が目指した理想郷は、造らなくともそこにあった、という何だか現代の寓話の様なオチでした。

イデオロギーや観念、政治的主張や論理、恨み辛みに妬みに嫉みに囚われると、得てして良い結果って出ないものです。肩の力を抜いて、ゆっくりと道草をしながら考えた方が、きっと成果が出るものと、激動の欧州の情勢を見ながら思った事でした。さて、明日は当院の総会でして、僕、司会進行の大任を仰せつかっていますから、頑張らないと!よおし、これからその準備に入ります!
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