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○ THE PEARL KING ○

何だか全国的に寒波到来の様ですが、おはようございます!いやあ、今朝はえらい目に合いました…。到来物の、山陰って言ってたかなあ、水鰈の一夜干しを頂きまして、僕、鯵でも鯖でも鰯でも、甘鯛や鰰や赤鯥は勿論の事、干物には何しろ目が無いものですから、喜んで食べていたんですね。そうしましたら、愛犬が凄まじくおねだりして来たんですよ。尻尾はぐるんぐるん回転してますし、しきりに切ない甘え声を出したり、自分の鼻で僕の肘を突き上げて来たり、顔を太腿に置いて鼻息をかけたり、何度もお手を繰り返したり、コイツ、人間だったら銀座でクラブぐらい出来たんじゃないか、という程のコケットリーな魅力を振りまきまして、ええい仕方無い、この小振りな鰈の骨は柔らかいし、ここだけやるか、と思って、身の部分を急いで食べたんです。そうしましたら、慌てていたものですから、身の所に小骨が残っていたんですね。見事に僕の歯間に突き刺さりまして、痛みは左程無かったんですが、これがまあ取れないんですよ…。うがいに歯磨き、挙句の果てには指まで使い、僕、ついさっきまで悪戦苦闘していました。日頃の行いが良かったんでしょう、爪楊枝のお蔭でどうにか取れまして、気分爽快だったのですが、或る事を思い出しました。

この爪楊枝で大儲けした人が居まして、最近の方はご存じないかなあ、絶大な人気を博した禿頭の噺家、その名は柳家金語楼師匠であります。戦前から戦後にかけて、吉本のトップ・スターだった師匠は、進取の気性に富んだ大変な才人でありまして、本職の落語でもオリジナルの新作を多く手掛けました。そして、高座でジャズ・バンドをやったり漫才をやったり、日本喜劇人協会会長であり、自ら立ち上げた劇団の座長を務め、テレビにラジオにレギュラーを持ち、映画にも多数出演していたぐらいでした。また、大変な艶福家としても知られ、果たして奥様というのかな、非常に親しい女性が何と5人もおり、それを知らされていなかった多くの子供達は、師匠の葬儀の際に、兄弟姉妹がいきなり増えて大層驚いたそうであります。さて、この師匠、只の女性好きではありませんで、ほら、先に挙げた爪楊枝って、頭の所がポキンと折れるじゃないですか。箸置きになる訳ですが、これを発明し特許を取ったのが師匠なんですよ。もう1つ、日本中の運動会で使われている、紅白帽、これも師匠の発案でありまして、爪楊枝の件と合わせて、莫大な収入を得た由、成程、それで5人の女性と10数人の子供達を養ったんですね。小池一夫先生の漫画の主人公や、何処かの○○の○○○○も顔負けであります。

閑話休題、日本が世界に誇る発明王、といえば、TOYOTAの創業者であり自動織機を造った豊田佐吉、うまみを追及し「味の素」を作った池田菊苗、世界で初めてホルモンの成分を抽出しアドレナリンを製造した高峰譲吉、誠に多士済々ですけれど、僕、凄いなあ、と思いますのは、THE PEARL KING、と世界中から呼ばれました、真珠のミキモト、御木本幸吉さんであります。

残念ながら、僕、科学や物理の素養は皆無、女性でもありませんから、真珠の価値については少々疎いのが悔しいです。さて、御木本さんは明治人であり、三重県の志摩の産、生家はうどん屋さんでありまして、正規な形でのアカデミックな教育は全く受けておりません。読み書きそろばんだけを会得し、行商を始めたのが14歳、米穀商となったのが20歳、当時文明開化の象徴であった横浜への出張中、地元志摩の天然真珠が、非常に高額で売れている事を知るんですね。じゃあ養殖すれば良い!と思い立ちまして、私財を注ぎ込んで研究を始めます。苦節20年、試行錯誤を繰り返し、家族に支えられながら、漸く真珠の養殖に成功したのが、明治28年の事でした。銀座の一等地に店舗を開き、世界中にミキモトの名が知れ渡り、商いも大成功を収めるんですが、僕、感心しますのは、御木本さんは、2つの顔を持っていて、それを上手く使い分けた事です。研究者・発明家として、そして経営者として、共に成功を収めるのは至難の業です。あの、天下のHONDAだって、創業者の本田さんは技術者ですもんね。本田さんは良い車を造る事だけに全力を注ぎましたが、腹心の藤沢さんという方が、財務全般をきっちり管理し、両者が仲良く共闘したからこそ、世界に冠たるHONDAになった訳です。謂わば、御木本さんはそれを1人でやられたんですもんね。まだ飛行機も無く、外国を旅するには船しかない不便な明治時代に、世界3周し、万博や博覧会に必ず参加、ミキモトの真珠をPRしたっていうんですから、凄まじいバイタリティであります。だって、大正時代に、ロンドン・上海に支店が出来、昭和に入るや否や、パリ・ニューヨーク・インドのボンベイ・シカゴ・ロスにも開店したと言うんですもん、いやはや、もう脱帽、最敬礼であります。

昭和2年、御木本さんはニューヨークを訪れ、彼の発明王エジソンと対面します。美しく輝く養殖真珠を見て、エジソンはこう言いました。「私の研究所で、どうして出来なかったものが2つあります。1つはダイアモンド、1つは真珠です。あなたが、不可能とされていた真珠の養殖に成功した事は、世界の脅威です。」これ程の宣伝効果は無かったでしょうし、たちまちのうちに、ミキモト・パールの名が全世界を席巻しました。

僕、御木本翁の大好きなエピソードが2つあるんです。まず、昭和天皇が、伊勢神宮を参拝された際、御木本翁は拝謁の機会を得たんですね。その折に陛下に申し上げたのは、「世界中の女性の首を、真珠で締めてご覧に入れます。」です、流石は明治男のこの気概、万人をして首肯させるものがあります。

そして、欧州のパーティの席上での事です。まだまだ真珠に対する理解が少なく、特に男性は無知でした。「真珠は、霊的な効果があるが本当ですか?」と問われ、「そうですね、特にご婦人のご病気なら、真珠の首飾りでたちどころに治ります。」と英語で即答し、居合わせたご婦人方の大喝采を浴びたとか。

このバイタリティ、気概、当意即妙な会話のセンス、実験を成功させるまでの辛抱我慢、う~ん、僕なぞ足元にも及びませんね。今年は当院が益々発展する様、日々精進して頑張らなくちゃ!!
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