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食道楽

ホントに阪神タイガースって馬鹿だなあ、僕、このチームを応援して久しいですけれど、またまたガッカリしました…。フリー・エージェントで、阪神久保投手が横浜に移籍したんですが、こういうケースですと、「人的補償」と言いまして、相手球団がプロテクトした28人以外の選手を、誰でも獲得出来るんですね。熱心なファンの間では、阪神が手薄な若手内野手、或いは中堅以下の若い投手を取るだろう、というもっぱらの噂でした。ところが、ふたを開けてみますと、横浜の鶴岡捕手の獲得の由、ホント、驚きましたよ…。と申しますのも、阪神の野手は全部で36名居るんですが、そのうち9人が捕手なんですね。36-9=27、捕手以外の野手のポジションは7つ、27÷7=3.8となります。捕手のポジションは9人で争い、その他のポジションは4人以下で競うなんて、何とまあバランスの悪い選手編成でしょうか。そして、27人の中には、未だルーキーや常時出場は厳しいベテランもいますから、実質2~3人で1つのポジションを争う形となります。これね、プロ野球ファンなら直ぐにお分かりでしょうが、強いチームは、1つのポジションを巡り、凄まじい競争が繰り広げられるんです。そうですねえ、巨人なんて、セカンドの座を巡って、若手3人、中堅3人、他球団から来た実績豊富なベテラン2人、8人で争ってますよ…。巨人の場合は、怪我人が発生した際の、万が一を考えての事でしょうが、阪神なぞ、1つのポジションで最悪2人の争いですもんね、どちらのチームが強くなるか、誰が考えても分かります。そして、今回入団した鶴岡選手は35歳、驚く事に、阪神は四捨五入すれば40の捕手が3人も居るんです。若手の捕手の教育役として、ベテラン捕手を補強する、というケースはしばしば見られますが、小姑を3人揃えてどうすんの!?阪神は長年に渡って、レギュラー捕手の育成に苦慮していますが、これでは何時まで経っても生え抜きの若手は育たないでしょう。は~あ…。今年もダメでしょうねえ。

この「編成」、非常に大事でありまして、当院でも、理想的な形を造り上げるべく、日夜奮闘しているんです。1つの部署があるとして、経験豊富な50代のベテラン・40代の所属長・30代の中堅・20代の若手、こうなると素晴らしいんですね。世代交代的にも、経験を口授する意味でも、こういう形にしたいなあ、常々そう思っています。

僕のオフィスには、来客用の応接セットがありまして、ガラスのテーブルなんですが、毎日掃除して貰うんですね。濡れた雑巾で拭いてそのまま、という事がかってありました。細かい様ですが、これでは、水垢が残りますし、汚い事この上ないんですね。仕上げにきちんと乾拭きしなくてはなりません。お客様へのお茶の出し方、敬語の使い方、美しい所作、大和撫子として恥ずかしくない立ち居振る舞いをする為には、やはり経験豊かな先輩のサジェスチョンが必須でありましょう。

日本という国そのものが、若々しい青春期にあった明治の時代には、教養小説、啓蒙的な読み物が沢山ありました。中村正直が翻訳した、スマイルズの「自助論」、ミルの「自由論」。加藤祐一が手掛けた、「文明開化」、「開化進歩の目的」。福澤諭吉の「西洋事情」「学問のすゝめ」「文明論之概略」。森鴎外の「知恵袋」。特に鴎外の書は、対人関係や礼儀作法、日常生活における場面毎に細かいアドヴァイスがあり、僕、うちの新入社員に読んで貰っているぐらいです。

新たな時代の幕開けを象徴したかの様に、これらの本は非常に良く売れたそうですが、実は一世を風靡した、これ以上の大ベストセラーが明治期にあったんですね。「食道楽」というタイトルでして、村井弦斎という方が書かれたものなんです。今ではもう、村井先生の名を知る方は少なく、誰それ?という感じでしょうが、数年間に岩波文庫から再発されまして、僕、巻を擱く能わず、一気に読了してしまいました。

この「食道楽」、タイトルだけを見ますと、食いしん坊のグルメ小説の様ですが、いえいえとんでもありません。文明開化当時の日本では、所謂洋食の知識なぞ皆無ですから、まずそのレシピの紹介、という側面がありました。その数は何と600種類を超えまして、明治の初めに、牛の脳の煮込み料理、フランス語では、テッド・ド・ヴォーですか、ここまで紹介しているんですから、驚くばかりです。そして、これは画期的で凄いなあ、と思いますのが、当時の日本では、栄養学といった視点が皆無だった訳ですね。そこにカロリーですとか、滋養といった概念を持ち込みました。この書の巻末の村井先生の言葉が、全てを表している様に思うのですが、「小児には、徳育よりも知育よりも体育よりも、食育が先である」でありまして、食によって人間の性格が形成される、という著者の強い信念なんですね。これを100年以上前から訴えているんですから、大層先見の明があった人、という事が分かるかと思います。

さて、この村井先生、麒麟児であった事は間違い無い様で、12歳で東京外国語学校--現在の東京外大ですね--に入学、すぐさま首席になる程でした。ロシア語・中国語・英語に堪能でアメリカに留学、帰国後は新聞社に入社、そして作家へと転身するんですね。そこで記したのが、この「食道楽」という訳です。現在では、ありとあらゆる食に関する漫画や読み物が花盛りですけれど、その元祖と言えましょう。日本史上初の大ベストセラーになったのですが、大量の印税が村井先生に入ったんですね。言行一致と言いますか、村井先生はその巨万の富を、「食育」、そして「地産地消」を実践すべく実行に移すんです。神奈川は平塚、湘南の地に、何と1万6000坪の土地を購入、広大な畑に果樹園に大庭園、厩舎に牧場、数多くの家畜まで育て、自給自足の生活に入るんです。当時、アスパラにパセリにアーティチョークまで作っていたのは、全国広しと言えども、ここだけだったでしょうね。

やはりリーダーに必要なのは、言行一致の精神でありまして、僕も実践している積もりですけれど、村井先生を見習わねば!それにしても、村井先生の大牧場の牛乳なんて、さぞ美味しかったでしょうね~!今日の給食は何かなあ、僕、何だか、お腹が減って来ました…。
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おもろー

2年くらい前に、おつきあいで、阪神タイガースの応援しに甲子園に行きました。
オレは、タイガースのファンではなく、プロ野球そのものに興味がないのですが、タイガースの応援席にいること自体が、おもしろくて、楽しめました。

関西の、タイガースファンというのは、おもろい。

彼らは、本当にタイガースを応援してるのか?
それとも、「タイガースを応援したり罵ったりする」というスポーツを楽しみに来ているのか?と思いました。


大分の誇り、福沢諭吉先生を、尊敬されているんですね?
昔々、「文明論之概略」とか、読みました。

オレは無作法の極み、めちゃくちゃな人間なのですが。
アスペルガーじゃなかいと、自分では思っています。
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