FC2ブログ

12 YEARS A SLAVE

どうやら日本列島の天気は下り坂の様子、ここ大分も朝から曇天でして、もう今にも氷雨が降り出しそうです。東日本では今夜半から雪模様の由、皆様、風邪を引かない様に、どうかお気を付け下さい。僕も今朝は寒さに耐えかねてマフラーと手袋で自転車を漕いで来たのですが、道中ふと思い出しましたのが、襟巻の 狐の顔は 別に在り、どちらかと言えばのびのびとした風景描写が多い、虚子の句にしては珍しくシニカルです。シルバー・フォックスでもカシミヤでもミンクでもファーでも結構ですが、狐の襟巻をしたご婦人の顔は、狐とちっとも変らないじゃないか、という意なんですね。外面如菩薩内心如夜叉、如何に高価な服を身にまとっても、その心の内は、狡猾な狐と同じ、という訳でありまして、思わずニヤリとしますけれど、虚子先生、日頃の句とは随分趣が異なりますから、若い銀座のマダム辺りにでも入れあげて、こっぴどく肘鉄でも喰らったんじゃないかなあ…。ってこれは邪推ですかね!?

今朝、少々気になる出来事があったものですから、出勤後直ぐに新聞各紙を熟読していたんですが、へえ、と思いましたのが、朝日新聞のインドの記事でした。「インド、なるか野外排泄ゼロ 7億人にトイレ 政府目標」とあったんですね。インドの人口は12億人ですから、毎日毎日3分の2の人々が、外で用を足している計算になりまして、汚ったねえし、バッチイですよね…。そう言えば僕、インドを1か月程かけて廻りましたけれど、自分自身はホテルで済ませていたんですが、確かに公衆便所は殆ど見なかった記憶があります。というか、あんまりお手洗いに行かなかったですねえ。と言いますのも、日中は平気で40℃を超す様な土地柄ですから、汚い話で恐縮ですけれど、小用を足す前に、汗になってしまって、トイレに行かなくて済むんですよ。少年時代に熱中した野球、炎天下の中、ずっとプレイしていますと、帽子が塩を噴きますけれど、あんな感じでした。

でも、それにしてもインドはアンバランスな国だなあ、と思いますが、凄まじく発展している部分と、未発達な部分の落差が激しすぎます。このトイレの問題は氷山の一角でして、児童虐待や未就学児の労働といった課題もありますけれど、やはり、その最大の要因はカースト制度でしょう。バラモン・クシャトリア・バイシャ・スードラ、そしてアチュートと呼ばれる不可触賤民から成りまして、日本の江戸期の士農工商の様ですが、順に、僧侶・武士・商人・奴隷・賤民、となるんですね。古くからの慣習は、例え宜しく無いと分かってはいても中々変わらないもの、何といまだに、同じ階級同士でなければ結婚はタブーだそうですし、仕事に就く際も同様とか。例えば脚立を置いて電球を変えるとしても、バラモン階級は決してそれをせず、部屋がずっと暗くとも、スードラの人達が来るのを待つとか。馬鹿じゃないの、さっさと電球変えて明るい部屋で仕事した方が合理的じゃん、と思うんですけどね~。このカースト制度、実はインドだけではありませんで、何れも僕の訪れた事のある、インドネシア・ミャンマー・ネパールでも同様の由、どうも数億人を超す人々が、差別され続けているそうです。

しかしながら、インドの民の強かさは、国外で活躍している人々が多い、という事が挙げられます。例えば、旧宗主国のイングランドでは、ドクターの3割がインド国籍とか。そして、アメリカはNASA、ここのエンジニアの1割以上はインド人が占める由なんです。インド人の数学の能力の高さは広く知られた処でして、最早彼らの力が無くては、スペース・シャトルも飛びません。オーストラリアのパソコン企業のソフトウェア開発も、殆どがインド人達の手に依るものなんです。可哀相なのは、オーストラリアは、元々「白豪主義」と言いまして、人種差別政策を取っていましたから、インド人排斥運動が頻発しているんですね。僕が住んでいた、豪州第2の都市、メルボルンでは、インド人を襲う襲撃事件が1年間で100件を超す由、数千人の被害があったそうでして、先のカースト制度と同様、人間の心の暗部である、差別感情を払拭するのは、日暮れて道遠し、という感があります。

でもねえ、お前に一言物申す、余り知られていませんけれど、インド人だって、来たくて外国に来たんじゃないんですよ。と言いますのも、イングランドがインドを統治していたのは、大体400年近くでして、4世紀の長きに渡ります。要はインド人は家畜扱いをされた訳でして、これまた悲惨なんですが、世界各地に散らばる、イングランドの植民地の労働力として、問答無用で、奴隷として運ばれてしまったんですね。ジャマイカやアンティグアといったカリブ海の島々。ニウエを筆頭とする南太平洋の孤島。ニュージーランドやオーストラリア、そしてその周辺の列島。アフリカ、欧州、中近東、東南アジアと、殆ど全世界に送られた訳なんです。確かにアフリカの黒人達も可哀相ですが、インド人達も負けてませんよね。そして、縁も所縁も無い土地で必死に頑張って、高収入を得る様になったら、また苛められるなんて、神様なんてホントに居るのかな!?

僕、今日の拙ブログを書くにあたって、これは本当に偶然なんですが、ノラ・ジョーンズを久し振りにかけていました。ジャズからソウルからポップスから網羅し、端整な容姿と美しい歌声とメロディ・ラインで、アルバムをリリースすれば、大体2000万枚は売れる、世界的なアーティストですけれど、彼女の父君は、世界的なシタール--インドの民族楽器ですね--奏者である、ラヴィ・シャンカールさんなんですね。実はこのラヴィさん、メンバーは皆ケルト系なんですが、イングランド国籍のビートルズに多大な影響を与えたんです。ノラ・ジョーンズさん自身も、勿論ビートルズのファンでして、何と言うんですかね、お父さんが影響を与えたアーティストを娘さんが愛聴し、それを血肉として、美しいメロディを紡ぐ、インド発祥のヒンズー教や仏教の教えである、リ・インカーネーション、輪廻転生の趣があります。ノラさんこそが、希望の光であり泥中の蓮、現在のインドが置かれている立場を体現している気が致します。

さて、その奴隷制を描いた映画が、全世界で話題沸騰でありまして、日本公開は恐らく来年なんですが、12 YEARS A SLAVE、というタイトルなんです。無理矢理アメリカ南部に連れて来られた黒人の、奴隷から抜け出す為の、苦闘の12年間を描いた作品でして、鬼気迫る演出だそうで、今から楽しみです。ただ、制作はイングランド人達がメインだそうですが、手前らも同じ事をやってるじゃない、何言ってんの!?僕にお金をくれたら、インド人奴隷の映画撮るよ、と言いたくなりますけれど、「ミシシッピー・バーニング」「ルーツ」「ジャンゴ 繋がれざる者」と並んで、黒人の歴史を描いた、必見の一本である事は間違いなさそうですよね。

まあ、インドの苦難の歴史を思いますと、益々の発展を願いますけれど、とりあえずはトイレの設置は急いだ方が良いですね…。当院に来院時に、お手洗いを使われる際は、車椅子対応のものもありますし、ウォシュレットも付いておりますので、どうぞご安心下さいませm(__)m。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

しもごおり

Author:しもごおり
OSHブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR