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遠い夜明け

おはようございます、と言うよりも、もうこんにちわ、でしょうか。やっぱり師走ですねえ、今朝は何だかずっと忙しく、業者さんの年末の挨拶があって来年のカレンダーを持って来られたり、電話は鳴りっぱなし、職員との打ち合わせも入りまして、漸く自分のオフィスの机に座る事が出来ました。冬なのに、汗をかいている始末でして、今日は或る忘年会もありますから、夕方に着替えに帰らなきゃ。

年末というのに世情不安と言いますか、世界の各地でデモが頻発しています。ウクライナの首都キエフでは、反政府集会への参加者が2000人を超えたそうですし、僕、驚いたのは、微笑みの国と呼ばれ、敬虔な仏教徒であり、王室への敬慕の念が強いタイでも、現政権に反発する民衆が蜂起、首相府に突入して占拠しちゃったんですから、ただ事ではありません。事の是非を判断する材料が、今の僕の手元にはありませんし、何とも言えないんですが、タイは大変な親日国であり、日本企業は確か1500社近くの現地法人が進出していますから、何とか平和裏に解決して欲しいものです。

まあ、最近の日本においても、反原発や秘密保護法反対のデモが頻発している訳ですよね。昨日触れました石破幹事長は兎も角として、この秘密保護法に対しても、遠くスイスはジュネーブからも反対の声が聞こえて来ました。僕ね、日本人として、こういう海外からの率直で真摯な批判には、きちんと応対しなくてはならない、そう思うんですね。恐らく、現政権はこれを黙殺するんでしょうが、恥ずかしいです…。さて、その反対意見を訴えたのは、国連人権高等弁務官のナバネセム・ピレイ女史でして、コメントをそのまま書きますね。安部政権が進める、特定秘密保護法案について、「何が秘密を構成するのかなど、幾つかの懸念がある中で、成立を急ぐべきでは無い。」、「この法案は、政府が不都合な情報を秘密として認定するものだ。日本国憲法や国際人権法で保障されている、表現の自由や情報アクセス権への適切な保護措置が必要だ。」、との事なんですね。

国連という組織そのものについて、ネット上では反発の声がある様ですし、確かに有名無実化しているという非難は分かります。日本に言うぐらいなら、他に言うべき国が、本邦の近くにありますもんね。でもね、至らない点が多いにしても、現状では国連しか、多くの国を束ねる組織が無いんですよ。日本の近代史を振り返って見ても、現在の国際連合の前身である、国際連盟を脱退してから、世界を相手にした無謀な戦争に突き進み、国土の殆どが焼尽と化した大敗戦となった訳でして、このピレイさんの意見を撥ねつけない方が良い、僕、そう判断します。そして、このピレイさん、残念ながら英語の資料しか無かったので、僕の拙い意訳で恐縮なんですが、法律家としては、凄い経歴の持ち主でして、少なくとも、自民党首脳部よりは上の様に思うんですね。女史は1941年に南アフリカの原住民として生まれ、今年で御年72歳、お父さんはバスの運転手さんだったんですね。貧困と差別に喘ぎながら、原住民向けの奨学金を得て、ハーヴァード・ロー・スクール--世界一の法学部大学院ですよね--を優秀な成績で卒業、弁護士資格と法学博士号を取得、南アフリカ初の、女性原住民でありながら、法律のエリートとなった人物であります。その後、順調に昇進、大混乱と大虐殺が続いたルワンダの地で、そして地元南アフリカで検事長を歴任、国連へと転身されたんですね。こういう素晴らしいキャリアを持つ方の言葉を、日本人は、決して黙殺してはならないんじゃないでしょうか。という訳で、今日はそのピレイさんを生んだ、南アフリカのお話と参りましょう。

人類発祥の地であり、広大なアフリカ大陸の最南端に、この南アフリカという国があります。何百万年も前から、ピレイさんのご先祖である、先住民族達がこの地に住みついていました。狩猟を得意とする部族、農耕を得手とする者達、そして牧畜に長けた民ら、幾つかの種族に分かれ、平和に暮らしていたのですが、大航海時代の到来で、この南アフリカは激変します。オランダの東インド会社、帆船を操り、先日僕が参りました長崎の地まで来ているんですから、凄まじいバイタリティですが、彼らが入植を始めるんですね。現地に住む人々を段々と追い払うんですが、母国オランダとも異なった文化を形成しまして、入植者達は、ボーア人、と呼ばれる様になります。欧州の勢力図は目まぐるしく変わりますから、次のヨーロッパの覇者はイングランド人でして、彼らも又、南アフリカを統治しようと、簒奪の手を伸ばしたんですね。何せこの地の、cape of hope、喜望峰を通らなければ、香辛料の豊富な地、インドや東南アジアまで行けません。そして、この喜望峰、大変な難所でありまして、どうしても中継基地としてのこの港の重要性が高まった訳です。となりますと、当然、血を見る大抗争の勃発でありまして、先のオランダをルーツに持つボーア人、新たな支配者のイングランド人、そしてこのアングロサクソンが奴隷として連れてきたインド人、勿論、元々住んでいた善良な先住民達も居ますから、映画「仁義なき戦い」は、深作監督が撮り始めた物から数えれば、リメイクも含めて11作になりますけれど、それと左程変わらない、果てしない陰謀と暴力の連鎖、となってしまった訳です。おまけにこの南アフリカ、地下資源が大変豊富でして、プラチナにダイアモンドにウラン、そして何と言っても金の産出量は、全世界の半分を誇る訳で、そりゃあ、欲望の権化と化した欧州人達が、この地を手放さなかった訳ですよね…。当時の混乱ぶりが良く分かるのが、この国の公用語の数です。その数、何と11言語もありまして、如何に混沌としていたかがお分かりでしょうか。

500万人の白人が4000万人の黒人を支配する、という不自然な形態が続き、悪名高いアパルトヘイト、人種隔離政策まで行った国ですが、ネルソン・マンデラ大統領が全てを変えました。以前、拙ブログでも少々触れましたから、簡単な紹介に止めますけれど、何十年も収監されていながら、政治家として奇跡の復活を遂げ大統領に就任、人種間の融和に専心したんですね。未見の方は是非、「インビクタス」という映画を観て頂きたいです。2人とも大変おモテになられて、私生活には少々問題ありですが、名優モーガン・フリーマンとマット・デイモンが熱演していますよ。マンデラさんの全ての政策が成功した訳では無く、今の南アフリカは犯罪が多い国ではありますが、彼無くしては、この人種差別の国が、国際社会に復帰出来る事は無かったでしょう。そして、このマンデラさんの人種融和政策から、虐げられていた先住民族にも教育を受ける機会が与えられ、先にご紹介したピレイさんの様な方が生まれた訳です。マンデラさんにしても、ピレイさんにしても、政府が言論を統制し、国民を支配する怖さ、即ち、特定秘密保護法の様な悪法の弊害を、身に染みて分かっている筈で、僕達は想像力を働かせなければなりませんし、世界の情勢や日本の歴史を、もっともっと勉強しなくてはいけません。

マンデラさんは非常に名言の多い方なんですが、1つだけご紹介して、今日のブログを終わりたいと思います。

教育とは、世界を変える為に用いる事が出来る、最も強力な武器である。
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