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KOWLOON CITY

いやあ、結構ハードなここ何日間でしたけれど、僕、無事に福岡から戻って参りました。皆様、おはようございますm(__)m。それにしても、移動距離も結構ありましたし、接待もあり、心身共に疲れ果て、肩や腰が痛みますけれど、終始アテンドして下さった関係者の皆様、心より感謝しておりますし、本当にありがとうございましたm(__)m。今後とも何卒宜しくお願い致します。

出張の際、僕、ささやかな楽しみがあるんですね。日中は忙しく駆け回っていて、夜からは仕事の付き合いで一献傾けるケースが殆どなんですが、ホテルにチェック・インしてシャワーを浴びて旅塵を落として、さて会食まで小一時間ぐらい空くんですよ。仕事の時のお宿は、利便性重視でして、県都がある場所が殆どなんですね。僕、その暫しの時間を利用して、街の商店街を漫ろ歩きするのが、とてもリラックス出来るんです。永井荷風先生の名作に「日和下駄」という随筆がありますけれど、これはかっての江戸が東京へと変容する様を描いたもの、僕なぞはとてもとてもその領域には達しませんが、夕暮れ時、知らない街を独り歩くというのは、中々良いものです。気分はストレンジャー、傍観者であり異邦人でして、まるで久保田早紀の歌の様、って若い読者の方には分からない喩ですよね、スイマセン…。そうですねえ、何て言うんですかね、街ごとに雰囲気が異なり、匂いや個性がありますから、それが何とも言えず旅情をそそるものです。因みに、先日の出張では、久方振りに中洲川端の商店街を散策致しまして、金物屋さんに仏壇仏具の店、お饅頭を売っている店があり、印鑑に呉服にうどん屋、時計店にお花屋さん、妙に目に付いたのは、女性の派手な服を扱っている店が非常に多いんですね。1つや2つじゃないんですよ。色鮮やかなキラキラしたドレス、露出度の高い服や短めのスカートなどが沢山陳列していまして、目のやり場に困るなあ、と思っていましたら、ハタと気付きました。中洲と言えば九州一の歓楽街ですから、夜のお姉さん方の仕事着が売れるんですね~。腑に落ちるとはこの事でして、小さな謎が解けた気分、何だか納得しました。

長崎の佐世保では、米軍基地がありますから、やけに道幅が広く、有事の際に必要とされるんでしょう、街の規模の割には病院が大層立派、そして英語の看板が散見されたりして、独特のムードがありました。pawnshop、と書かれていて、何のこっちゃと思ってましたら、質屋の英訳なんですね。浅草の仲見世や上野のアメ横、そして大坂の新世界、カオスと言っても良いでしょう、雑駁とした喧騒も勿論悪くありません。大阪で思い出しました、ミナミの法善寺横丁は織田作之助の「夫婦善哉」の舞台の地、なにわ情緒と言うのかな、尾野真千子か鈴木京香の様な楚々たる和服美人と連れ添って歩くのに、これ程似合う処はありませんね。打ち水をした石畳なんて、まあ風情がありますもん。新宿の裏通りに入れば、昔からの寄席があるんですね。表通りにはメガバンクやデパートが林立しているのに、ちょいと裏に廻ると、幟があり、はね太鼓の音色が響き、そこはもう江戸の雰囲気、ほんとに小さな寄席なんですが、まあ風情があります。人形町周辺も大好きなスポットでして、水天宮でお参りをして、甘酒横町で抹茶と和菓子を頂くのも乙なものですよね。四国の今治はタオルと焼き鳥の街、そこらじゅうから鳥の焼ける匂いと煙が漂って来ます。僕が住んでいた豪州のメルボルン、ここは移民の街でして、ギリシャ人街を筆頭にイタリアンにベトナム、韓国にポーランドとストリート毎に万博の様、食の博覧会でした。そして街外れには巨大な市場があり、市内からチンチン電車で20分弱でしたか、野菜に果物、肉に魚、胃に入るもので売っていないものはありませんでした。イングランド形式のパブで、昼日中から黒ビールと羊のパイを食せば、気分はもう英国紳士であります。

横浜や神戸の中華街も誠に楽しいですし、京都の錦市場や小倉の旦過市場、都内は鳥越のおかず横町は、将にその街の胃袋、色とりどりの惣菜は、見ているだけで満腹になります。サンフランシスコの埠頭にある、フィッシャーマンズ・ワーフの強い潮風に吹かれながら食べた、クラム・チャウダーの味は鮮明に記憶に残っています。タスマニア島の岸壁には、貝やウニを売る出店が並んでおり、馬鹿みたいに安価、南極からの風は冷たいですけれど、フーフー言いながら焼きたての牡蠣を食べ、地元の白ワインを軽くひっかけてほろ酔い気分も悪くありません。ロサンジェルスのファーマーズ・マーケットでは、搾りたてのフレッシュ・スクィーズ・オレンジ・ジュースが2㌦だったかな、これまた新鮮でありまして、抜ける様な紺碧の雲一つ無い快晴の下、空気がカラリと乾燥していますから、ほっぺたが落ちそうな美味、この味にはどんな一流ホテルも敵わないでしょう。僕、数カ月後に帰国してから日本でオレンジ・ジュースを飲みましたが、風味といいコクといい、どうもアメリカのものとは大きく違う気がしてなりませんでした。これは都市伝説の類と思いたいのですが、スクィーズした後のオレンジの滓が出ますよね。それを日本の商社が只同然で購入、それを再度絞りに絞り、缶ジュースで売っているとか。

台北の屋台街では店舗が200近く密集しており、ありとあらゆる麺類に肉に魚、アルコールもデザートもありますから、市民はここで夕飯を済ませてしまうんですね。北京語や客家語や台湾語が飛び交う喧騒の中、熱々の麺をすするのも乙なもの、驚いたのは、屋台で立派なステーキまで食べられちゃうんですよ。その店名が「牛魔王」でして、何だかかなり怪しげですが、到って普通の美味しいTボーンステーキを賞味出来ました。韓国では、僕達と顔も余り変わらず、英語も通じるのに、当たり前なんですが何処を見てもハングル文字の看板しか無く、何も分からない事に衝撃を受けました。インドでは、普通の商店街に牛が沢山居るんですよ。もう群れをなしています。昼下がりに激甘の紅茶を飲んで、さて、友人に頼まれたシタール--弦が19本もあるギターの親戚の様なものでして、ビートルズのギタリスト、故ジョージ・ハリソンが弾いた事で一躍有名になりました。--というインドの楽器を探しに出ようか、としてましたら、店の真ん前にいきなり牛、であります。どいてくれないかな~、と思うんですが、ちっとも動きませんし、店の人も牛を追いやったりしないんですね。まあ、宗教上神聖な生き物なんでしょうし、郷に入っては郷に従え、when in roma,do as the romans do、ですから、僕も尊重したいんですが、街角を折れたらいきなり牛、ホテルを出たら牛、公衆便所を出たら牛、1か月の滞在中、ちっとも慣れる事が出来ず、これには参りましたね~。立派な風采で高価そうなスーツを着た、恰幅の良い日本人紳士が、牛の糞で思いきりすっ転んでますもんね、宗教の戒律かもしれませんが、インド当局はもう少し何とかした方が良いと思います。

僕、最も印象に残っていますのは、香港にかってあった巨大なスラム、九龍城なんです。今はもう取り壊されてしまい、跡形も残っていませんが、この地は元々イングランドが租借していた飛び地でして、中国の主権が及ばなかったんですね。共産党の弾圧を避けて来た難民達が集まり、行政や法律の支配も及ばない魔窟、無法地帯と化したのです。僕の母は若くして亡くなり、父は大の女性好きでして、何と香港で美人を集めてナイト・クラブを経営しようとしていた大馬鹿者です。その父の女性スカウト?の香港旅行に同行した際、何故か部屋は親子別々、それは構わないんですが、父はあちこちを飛び回っていて、僕はほったらかしなんですね。父の友人であり、ガイドをされていた黄さんという方が、僕に同情しまして、「たかし君、何処か行きたい処は無い?」と聞かれたので、「では九龍城に行きたいです。」と答えましたら、非常に困った顔をされてましたが、連れて行ってくれたんですね。畳1畳に5人が住む様な環境でとんでも無い人口密度、悪臭に異臭がし、海賊版のヴィデオ--遺族からクレームが付き、日本では公開されなかった幻の映画「mishima」なんて平気で売ってましたもんね。--やレコード、怪しげな酒や食べ物、何でも売っていまして、猥雑と混沌と葛藤と矛盾、それを大鍋でグツグツ煮込んでいる様な街でした。でもね、当時の香港の空港にテイク・オフする際、この九龍城の上空を飛ぶんですが、違法建築で勝手にビルを建てているもんですから、ホントにスレスレの所を飛ぶんですね。いやあ、スリル満点でしたけれど、この自由というか反社会的な九龍城の人達、皆さん、過酷な環境下、日々を生き抜く為にギラギラした良い眼をしてるんですよ。まるで俳優の北村一輝ばりの眼力というのかな、恐らく戦後間もない頃の日本人も、こんな目をしてたんじゃないかなあ。

今日は、アイスランドのミステリー作家の話や、中国山西省のテロ事件、またもやイングランドの連中が盗聴を繰り返して件について書きたかったんですが、このブログは生き物でして、特にテーマを決めず書き出す事が多いものですから、僕も思ってもいなかった、九龍城のお話になりました。よし、それではお昼の食事に行って来ま~す。
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地球

メルボルンに住んでたんですねー。

忙しいのに、こんなにたくさん文章書けるってすごいですね。

この文章読んでると、地球は狭くなってる、と思いました。

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楽々ライフ様、いつも読んで頂き、心より感謝しておりますm(_)m。

文章を書くのは、昼休み中の息抜きだったり、仕事前のウォーミングアップだったりして、本人は割とお気楽にやっております。

ホントに、地球は狭いと思うのですが、若い頃にもっともっと色々と行っておけば良かったと痛感します。ブラジルやアルゼンチンなんて1日以上かかりますから、中々チャンスが無いですよね。

メルボルンは良い処でしたよ~。
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