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CAT'S CRADLE

残暑が厳しい今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか!?気に入らぬ 髪結ひ直す 暑さ哉、またまた何時もの荷風先生の句で恐縮ですけれど、これ、芸妓さんを団扇で扇いであげながら詠んだそうで、何ともはや艶っぽいと言うか、遊び人であり粋人ですよね~。暑過ぎて 布団蹴飛ばす 夏の朝、これ、今さっき僕が造りましたけれど、分かり易いだけで、え~ん、全く文学的でも無いし、ちっとも色気もありませ~ん!

冗談はさておき、フランスの週刊紙、カナール・アンシェネ--1915年から発行と言いますから、もう1世紀近く続いている新聞なんですね。「鎖に繋がれたアヒル」との意だそうで、辛口の社会批評で評判だとか。--が、東京五輪と福島原発を風刺した絵を掲載しました。1つは、オリンピック選手が防護服を着て、放射能測定器を持ってプール・サイドに立っているもの。お次は、腕が3本ある力士と、脚が3本ある関取が相撲をしているものなんです。在仏日本大使館が厳重抗議したそうですが、カナール・アンシェネのオロ編集長はこうコメントしたそうです。「日本政府の反応に当惑している。問題の本質は、東京電力の汚染水の管理能力の無さにあり、怒りを向けるべきはそちらだ。」との由なんです。……。……。……。

あの、これね、僕、あんまり、おフランスのお人は、何かあれば「愛だ恋だ」「そうざんす、シェー」ばっかり言ってるイメージで好きではありません。ご自慢のお料理も、僕、フレンチよりはイタリアンを好みますし。でもなあ、どう考えても、この編集長の言う事の方が筋が通っている気がするんです。確かに、日本政府は風刺漫画に怒るのならば、東電を督促すべきでして、口惜しいし悔しいけれど、おっしゃる通りですね。

それにね、諸外国の日本に対する眼が、非常に厳しい事は知っておいた方が良いです。先のフランスは勿論の事、ドイツにイングランドにアメリカ、どの国においても同様の風刺画が掲載されていますもんね。好意で義援金を送ったり協力をしているのに、事故後2年以上経っても放射能はダダ漏れ、首相も世界中に大ウソをついてりゃあ、怒らない方が不思議です。だって、放射能に汚染された水が、太平洋に垂れ流されて早2年半も経つんですよ。そんな危険極まりない魚を、自国民が食べさせられて、怒らない為政者は居ないでしょ!?あ、日本だけそうじゃないですよね!?風評被害なんて、よくもまあ言いますよ!本当の被害じゃないですか!おフランスではそんな危ないお魚は、決して食べないザンスよ、シェー!

古過ぎるギャグで恐縮ですけれど、この風刺画、圧政に苦しむ民衆の抵抗手段として、長い長い歴史を誇ります。紀元前の古代ギリシャの時代から、独裁者を茶化し、一般大衆は溜飲を下げていた訳でして、そうそう、イタリアの世界遺産に、ポンペイの遺跡がありますよね。ナポリ近郊の古代の保養地であり、突然の火山の噴火と火砕流により、一瞬にして街は壊滅したんですね。それは西暦79年の事だったのですが、街は瞬時にして火山灰に埋もれてしまい、そのまま遺跡として残った訳です。1世紀の古代ローマ人の生活をそのまま伝える、貴重極まりない歴史的遺産となったのですが、壁に落書きが残されていました。当時の皇帝、暴君ネロをからかった絵でして、その特徴ある大きな鼻が描かれていました。

皆さんご存じ、スウィフトの「ガリヴァー旅行記」、ジョージ・オーウェルの「動物農場」「1984年」、マーク・トウェインの一連の作品群が広く知られていますが、何と言っても絵で表現するのが一目瞭然、一番分かり易いですよね。

現在でも世界一の漫画大国日本ですけれど、最も古い物は、平安期に描かれたとされる「鳥獣戯画」です。蛙や馬や豹に犬、ありとあらゆる動物達が、相撲や蹴鞠や博打に興じ、ひたすら遊んでいるんですね。散逸した部分もあり、話が繋がらない処もあるそうですが、法要や宮中行事も描かれており、そこに獣が登場して人間と同じ事をするんですから、全部で4巻ありまして、世界最古の長編風刺漫画である事は間違い無しでしょう。

人心が乱れ、凄まじい混沌、果てしなきカオスの中にあった室町期には、「百鬼夜行絵巻」が発表されます。この百鬼夜行とは、草木も眠る丑三つ時、深夜の京の都を徘徊する妖怪どもの群れでして、夜は墓場で運動会、楽しいな楽しいなBY水木しげる先生、という訳です。追い剥ぎに強盗、山賊どもが、白昼堂々と大手を振って歩いていた室町時代ですから、この絵巻の意図する処はどなたにも分かるかと思います。

江戸期になりますと、北斎や広重といった著名な浮世絵師も風刺漫画を書いているんですね。明治期に来訪したフランスのビゴー、イングランドのワーグマンらも、当時の日本の風俗を茶化しながら世界に紹介しました。

漫画界のメイン・ストリーム、手塚治虫先生やちばてつや先生の路線からは外れますけれど、この風刺漫画には巨人が2人居るんです。まずは宮武外骨、という人物でして、この先生は、終始一貫、反体制であり、官僚・政治家・マスコミの腐敗を追及し続けました。「滑稽新聞」を創刊、自らも記事と漫画を書き、幾度となく発禁や実刑判決が下りながらも、決して信念を曲げなかったのです。事の善悪は兎も角、明治期に、天皇陛下を骸骨に見立てて漫画にしちゃうんですから、その度胸は大したものです。僕ね、共産主義は大嫌いですが、その言論の自由は認めねばならないと思います。例え、もしそれが間違った考えだとしても、己の信条を曲げない人は大好きです。さて、この外骨先生は、戦後は、アメリカのGHQの検閲に喰ってかかり、「何処か自由の国か」と批判したというんですから、将に快男児、嬉しくなるじゃありませんか。

そして、未だ現役バリバリ、僕、密かにこの先生は天才では、と思っているのが、いしいひさいち先生です。「がんばれタブチくん」「隣の山田くん」で有名ですが、この人の社会風刺は、平成日本で良くまあ描けるなあ、と感心します。だって、アメリカ大統領、確かブッシュを描いたものと記憶していますが、このご仁は、余り頭が宜しくない、というのは周知の事実じゃないですか。それをいしい先生の漫画では、パピプペポでしか喋りませんもんね。ロシアの独裁者、エリツィンは常にウオッカ呑んでましたし。凄かったのは、朝日新聞でいしい先生は4コマ漫画を連載しているんですね。ライバル会社であります、読売新聞社長、通称ナベツネを、「ワンマンマン」という設定で、空を飛ばしてるんですもん!!ナベツネと言えば、政財官全てに顔が効く超大物、元総理の中曾根が土下座したという噂もあるぐらいです。そのナベツネが、怒り過ぎて鼻水を垂らし、手を振り回し、真っ赤な顔で空を飛んでるんですから、いやあ、いしい先生の度胸と才能には感服致しました!また、その似顔絵が笑ってしまうぐらいそっくりで、ユーモラスな線で描かれているんですよね!

王様の耳はロバの耳、と言えるのが健全な社会でして、今の日本は果たしてそうなのか、甚だ自信はありませんけれど、いしい先生には遥かに及びませんが、拙ブログが読者の皆様のお考えの、何かの手助けになれば、これ程嬉しい事はございません。週末の天気はどうやら下り坂の様ですが、明日から三連休、皆様、楽しいウィーク・エンドをお過ごし下さいませm(__)m。
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