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GRAN TORINO

連日の寝不足でして、ほとほと参っています…。昨日は温度差がある中を出入りしていた所為か、床に就いてからも全身が火照った感じでして、中々寝付けずに鼻血まで出る始末、よくよく考えたら、熱中症の一歩手前だったのかもしれませんね。水分はしっかり取ってた積もりなんだけどなあ。病院に勤める医療人でありながら、この不始末、今後はよくよく注意せねば。眠れなかったのにはもう1つ訳がありまして、窓を開け放して寝ていたんですが、憎っくき蚊が侵入しまして、目覚めた時は左腕を掻きむしってました。ええい、もう仕方が無いやと、枕頭の書に手を伸ばして読み始めたんですが、これがまあ凄い一冊でありまして、気付けば夜は白み始めていました。爽やかな朝には相応しくないと言いますか、将に戦慄の書でして、僕、肌が粟立つ感じ、思わず襟を正して耽読しました。

この書のタイトルは、「ナガサキ 消えたもう一つの『原爆ドーム』」、高瀬毅著 文春文庫、でありまして、僕、長崎に所縁のある方は勿論の事、全日本人必読の一冊と感じました。ところで、僕の親友のMさんは長崎の出身なんですね。以前、夜を徹して一献傾けていた折に、「広島に較べて、同じ被曝した県なのに、長崎の影が薄い様に感じるのは何故ですかね!?」なんて話していたんですが、その疑問がすっかり氷解しました。未読の方に先入観を与えてはなりませんから、僕の意見を記すのは差し控えますけれど、日本人はどうしても情緒や感情に流れ易く、大きく広い視点や、冷静でロジカルな判断力に欠けている事を痛感します。ただ、これだけは書かせて下さい。

長崎の浦上天主堂、その上空に原子爆弾が落とされた訳ですが、敬虔なクリスチャンである筈のアメリカ国民が、同じキリスト教を信仰する人達を殺した、という事になります。長崎のクリスチャンの歴史を紐解きますと、かの有名な島原の乱が起きたのが1614年、そのずっと前、1500年代からキリシタンが居た訳です。江戸時代の宗教弾圧を乗り越え、隠れキリシタンとしてキリスト教を信じていたんですね。将に遠藤周作の「沈黙」の世界そのままですが、何百年も篤い信仰心を持ち続けて来たのに、同じクリスチャンから原爆を投下される、何というアイロニー、大いなる皮肉としか言いようがありません。浦上天主堂の被曝したマリア像を見て、未だアメリカ人は「自分が正しい」と言えるのか、真正面から目を逸らさずに、是非聴いてみたいものです。戦闘において、軍人同士が戦い合うのは当然ですよね。でも、非戦闘員である民間人を殺傷してはなりません。この戦時国際法は、1899年、オランダのハーグで交わされた国際条約で批准され、アメリカも署名しています。国際間の約束を平気で破棄、自らの依って立つ宗教的モラルをも無視、大量虐殺をし、そしてその後に起きた様々な出来事は、是非この書をお読み下さい。イエス・キリストならば彼らアメリカ人をどう裁くのか、非常に興味のある所ですが、僕、本を読みながら、泉谷しげるの歌が、頭の中でずっと鳴り響いていました。

♪ 少女が描いた 地下室のヒーロー 憧れた人とは 遥かに違う 鉄のギターをかき鳴らし 錆びたマイクに唾を吐き 人生のサービスをあざ笑い 神に向って文句を言う おい!馬鹿な神よ お前はいつだって無力だ ♪

閑話休題、何だか暗澹たる気持ちで朝のテレビ・ニュースを見ていましたら、何と同じくアメリカのニュースが流れて来ました。全米有数の工業地帯、自動車産業のメッカ、モーター・シティとして有名なデトロイトが、1兆を超す負債を抱えて破産した、というニュースでした。実は結構アメリカの街は破綻している場所が多く、カリフォルニア州、ネブラスカ州、コネチカット、マサチューセッツ等は、財政再建団体に転落した過去があります。

ところが、今回のデトロイトはかなり根が深い感がありますし、今までの破綻例とは些か状況が異なるんですね。と言いますのは、デトロイトの場合は、構造的な大問題があるんです。1950年代には200万近い人口でしたが、現在では68万人となっています。風が吹けば桶屋が儲かる、じゃあありませんけれど、図式的かもしれませんが、僕なりに要約してみましょう。アメリカ自動車業界の大不振→工場や関連企業の閉鎖、撤退→人口減少による地価下落→富裕層や中間層のデトロイトからの脱出→貧困層が流れ込み、廃墟が増え麻薬取引の場として使われる→治安が劇的に悪化するも、税収が少ない為警官を増やせない→益々の人口減→全ての公共サービスの削減、という訳なんです。7万棟が空き屋となり、放火に強盗に殺人等、凶悪犯罪の巣と化しているんですから、そりゃあ皆逃げ出しますよね…。

僕、このデトロイトのケース、決して対岸の火事では無いと思うんです。近い将来の日本を考えれば一目瞭然でして、世界でも際立って少子高齢化が凄まじい訳で、田舎街なんてあっという間にゴースト・タウンになる事は間違いありませんね。となりますと、基幹産業も無く、人口も少なく自治体の税収は大幅減、廃墟だらけで公共サービスは満足に受けられない、となると、デトロイトと何処が違うんでしょうか!?僕ね、今、安部チャンが推し進めている、今年10月に成立しそうな、TPPなる世紀の大愚策、これが亡国の兆しになる気がしてなりません。米国と共通ルールを作り自由な貿易をする、聞こえは良いですが、文化も慣習も国民性も言葉も異なる両国間で、果たして上手く行くものでしょうか。農業も医療も共通ルール、となりますと、アメリカン・スタイルでは、狂牛病も農薬も遺伝子操作した穀物も規制がゆるゆるですから、それを食べねばなりません。そして、医療では国民皆保険が無くなるかもしれませんね。アメリカでは国民健康保険が無く、全て民間ですから。

はああ、今日は何だか暗い話題に終始しちゃいまして、すいませんでした。週末も厳しい暑さが続く様ですけれど、皆様、どうか熱中症には充分お気を付けて、楽しくお過ごし下さいませ。それでは、皆様に月曜日にお会い出来るのを、心から楽しみにしております!!
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