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8 MILE

拙ブログの昔からの読者の皆様は疾うにご存じでしょうが、僕、所謂アメリカン・コミックを原作とした映画をこよなく愛していまして、つい先日もバットマン・シリーズの傑作、「ダークナイト」を再見した所だったんです。劇中、バットマンの宿敵である、ジョーカーの居所をつきとめるべく、ゴッサム・シティ--モデルはNYの街ですね--全市民の通話記録を盗聴する、というシークエンスがあるんですね。バットマンの忠実な相棒であるフォックスが、その盗聴マシーンを巧みに操作し、ジョーカーを発見するのですが、「こういう事は二度とやってはならない」とし、その機械を自ら破壊します。

まあ大仰だし、そんな機械はまず造れないだろう、と思っていましたら、悪夢は現実となり、トゥルース・イズ・ストレンジャー・ザン・フィクション、事実は小説より奇なり、という訳で、アメリカはCIAの元職員が、香港の地で、或る告発をしました。「米国政府は、7年以上前から、数千万人の通話履歴や写真や動画といったネット情報を入手していた。」「米国のみならず、欧州全域、中国、香港、日本においても同様だ。」「マイクロソフトやフェイスブックの中枢システムに直接アクセスした。」「アメリカは世界の全ての会話とあらゆる行動が、自分達に分かる様にする、という意図を持っている。」「私は隠れる為でなく、犯罪を暴く為にいる。」「表現の自由が守られる国があれば亡命したい。」だそうです。この勇気ある告発を行ったのは、エドワード・スノーデン氏29歳の男性でして、僕、YOU TUBEで、彼の香港での単独インタビューを早速拝見しました。15分程度の映像だったのかな、僕の拙い英語力では、全て聞き取るなぞ至難の業、それでもスノーデンさんはゆっくりと喋っていましたので、あくまで意訳ですが、大意は掴めた積もりです。この15分のやり取りを見ていて思ったのは、ファースト・インプレッションとしては、彼は非常に穏やか、かつ知的だ、という事でした。身の危険を感じる事も、恐らく既に多々あるでしょうに、笑いも交えながら淡々と喋っており、超大国アメリカを敵に廻したのに、大した度胸だなあ、と感嘆しました。兎に角、頑張れ、スノーデンさん!

いや、それにしても、アメリカはテロを警戒しての事なんでしょうが、こりゃあ幾らなんでもやり過ぎでしょうよ。魑魅魍魎が蠢く百鬼夜行の国際政治の舞台裏において、非合法で情報収集にあたるスパイの存在は、母国の国益を守る意味でも、必要悪と言わざるを得ません。でもねえ、変な喩で恐縮ですが、極道の世界でも、一般の堅気の市民には迷惑を掛けない様にするじゃありませんか。少なくとも7年間で数千万人の盗聴をし、それを世界中でやってるなんて、大体そんなに危険人物がウロウロしていたら、そこらじゅうでクーデターや内戦が頻発してますよ!?例えば、闘牛とサッカーとフラメンコ、ラテンの民の住む情熱の国、スペインの人口は5000万人足らずですけれど、この国の住民全てが、アメリカを転覆させようと虎視眈々と機を窺い、密かに牙をむこうとしているなんて、そりゃあり得ないでしょ!?

とても哀しい事ですが、大抵の人は皆、己の尺度や器でしか、他人を測る事が出来ません。自分はこう考えたり、やって来たのだから、人も同じくこう思うだろう、と感じる事が常なんですよね。例えば、若手の芸人さんが、エッジの効いた、深い知識に裏付けされたギャグを言ったとします。これ、理解出来ずに笑えない人と、大笑いする人が居ると思うのですが、大変失礼ですが、その冗談を許容出来るか否か、やはり器の大きさや感受性の豊かさが違うんですよね。人との応対は鏡であり、辛辣で失礼な事をすれば、それはそのまま己に跳ね返って来ます。

優れた心理学者である、岸田秀先生の理論を無断拝借し、僕なりにアレンジメントしますと、アメリカ人の心はかなり病んでいる感がするんです。僅か300年足らずの歴史を簡単に俯瞰しますと、本国イングランドで食べて行けない連中がアメリカ大陸に上陸、インディアンを大量虐殺し、元々メキシコのものだったテキサスを奪い、スペインと戦いキューバを収め、ハワイもフィリピンもプエルトリコも支配下に置き、黒人をアフリカから連れて来て奴隷にした、こんな感じでしょうか。悪辣極まりない所業でありまして、こんな事ばかりやって来た訳です。さぞや夢見も悪かろう、と思うんですが、アメリカ人の深層心理下で、いつか復讐されるのでは、という恐れが無い筈がありません。アメリカ疾病対策センターの2011年の調査によりますと、米国の子供で精神疾患を抱えているのは5人に1人だとか。大人の不安定な精神状態が、児童に良い影響を及ぼす筈がありませんよね。

いずれは中南米系住民や黒人が多数派を占め、白人が少数民族に転落するという事実。他国にアメリカの国債を買って貰わねば成り立たない自国経済。絶え間無い銃による犯罪。ドラッグ。化学調味料や遺伝子組み換え食品ばかりの食事。世界の警察であろうとする傲岸不遜な姿勢。そして、行き過ぎた自由主義経済による凄まじい経済格差。大富豪はプールやテニスコート、プライベートビーチまである大豪邸に住み、片や貧困層は、トレーラーハウスと呼ばれる、キャンピング・カーに毛の生えた様な家で暮らしている訳です。所謂、レッド・ネック、プア・ホワイト、或いはホワイト・トラッシュと呼ばれていますが、彼らは米国全州に沢山居るんですね。かの有名なラッパー、2000年代の10年間に最も売れたヒップ・ホップ歌手、エミネムもその階級の出身でありまして、彼の代表曲、ルーズ・ユア・セルフの歌詞なんて、悲壮感に溢れ、胸を打つものがあります。意訳しますと、♫ ママの事は心から愛している でもこのトレーラー・ハウスには居られないんだ こんな場所で朽ち果てて行く訳にはいかないんだ 機会はたった1度 たった1度しかないんだ たった1度のチャンスを逃すな 俺の脚よすくまないでくれ 人生はたった1度だけのチャンスなんだから ♫…。確かにアメリカは、万人にチャンスのある理想郷であり、シャングリラでありエル・ドラド、僕、そういった優れた面がある事を否定しません。個人個人は、フランクで明るい性格を持つ、良い人も多いでしょう。でもねえ、エミネムのこの歌詞の世界がアメリカにある事も又、事実なんですね。

パクス・ロマーナ、パクス・ブリタニカ、ローマ帝国は宗教で、大英帝国イングランドは植民地の喪失により崩壊しました。世界中で、これだけ情報が瞬時に流れる社会になり、僕、強大に見える、パクス・アメリカーナ、アメリカが謳歌している現状も、先に挙げた多くの不安定要因から、長続きしない、恐らく自己矛盾から崩壊する、そう診ています。最後に、戦国時代の優れた外交僧、安国寺恵瓊の言葉をアレンジしてご紹介しまして、拙ブログの〆と致します。

亜米利加之代、五年は持たるべく候。明年辺りは益々隆盛に為るかと見及び候。左候て後、高ころびに、あおむけに転ばれ候ずると見え申候。
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