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☀ 青空、ひとりきり ☀

お元気ですか!?という訳で、今日は昨日と打って変って快晴、誠に気持ちの良い朝です。ここ最近、僕のオフィスでは様々なBGMが流れていまして、ワーグナーにモーツァルトにドヴォルザーク、キューバン・ソン、旧いリズム&ブルーズ、映画のサウンドトラック、オスカー・ピータースンのジャズ・ピアノ、勿論60~80年代のブリティッシュや日本のロック、そしてプリンスにスタイル・カウンシルに椎名林檎ちゃん、何だか脈絡がありませんね♪僕、昔からインストゥルメンタルと言うかオフ・ヴォーカル、歌詞が無い音楽はどうも飽きてしまうんです。僕、音だけではフックが足りないと言うのかな、やはり人間の肉声が聞きたいですよね。

僕の部屋では、毎日色々な音が流れている訳ですけれど、日本を代表する作詞家の皆さん、阿久悠さん、なかにし礼さん、まあ通常では思い付かない視点から迫って来ますから、思わず書類をめくる手が止まってしまいます。♪ あなたと会ったその日から 恋の奴隷になりました あなたの膝にからみつく 子犬のように だからいつもそばに置いてね 邪魔しないから 悪いときはどうぞぶってね ♪、もうこれなんて、殆ど精神的なSM関係に近いんじゃないかしら!?朝からこんな感じですいません…。

余り注目されていないので、気付きにくいのかな、これまた売れっ子作詞家の、松井五郎さんもかなり凄いですよ。♪ 消えないで まぼろしでもいい 逃げないで 許しあえばいい 身体中 涙より濡らしてもいい あなただけ あなただけでいい 迷うことはすぐに捨てて 行かないで 夜の向こうへ 消えないで 闇を恐れて ひとりではいられない あなたとしか生きられない ♫、何だかギトギトで濃厚極まりない長浜ラーメン、という感じですが、いやあ、この閉塞的かつインモラルな世界観、もし相手に振られたら、即ストーカー化しそうですよね。別れ間際には 無傷じゃいられない、こんな歌詞を書きながら、100㌫勇気、なんてジャニーズの歌も書くんですから、松井さんの事をもっともっと知りたくなるんですが、ホームページを拝見しても、必要最低限の経歴しか書かれていませんから、何だか謎めいてミステリアスではあります。

かって拙ブログでご紹介した優れた作詞家と言えば、泉谷しげる、忌野清志郎、三上寛、ボブ・ディランにブルース・スプリングスティーンにジム・モリスン、ここら辺でしょうか。僕、大事なビッグ・ネームを失念していまして、本日は彼の話と参りましょう。そう、井上陽水さんであります。陽水さんは飯塚のご出身ですから、炭鉱の町、筑豊地帯の産でありまして、父君は元軍医さん、幼少の砌から家業を継ぐべく、歯科医を目指して勉強ばかりさせられていた由、浪人生活の間にビートルズに熱中、天性の美声を生かし、歌手として大成功する訳ですね。まあ、あの素晴らしい声を聞いた事の無い日本人は、恐らくいらっしゃらないと思います。

美声はともかくとして、この人の歌詞、独特のアプローチと切り口なんですよ。まずは代表曲のタイトルを列挙してみましょうか。「なぜか上海」「背中まで45分」「招待状のないショー」「あかずの踏切」「娘がねじれる時」「とまどうペリカン」「ダンスはうまく踊れない」…。日本人離れした乾いた感性と言いますか、まるでエトランジェ、デラシネ、異邦人の匂いがするんですね。では問題の歌詞なんですが、まずは「事件」から行きますか。関取が勝ち名乗りを受け、花道を引きあげる際のシークエンスです。♫ 沢山の客の手が 力士の背中に触ろうとしてた その中にカミソリも混じっていたのさ みぞれは既に 雪になり 白い肌の様に積もった ♫。続いて極め付けの代表曲、「氷の世界」です。♫ 窓の外ではリンゴ売り 声をからしてリンゴ売り きっと誰かがふざけて リンゴ売りの真似をしているだけなんだろ ♫。他の曲では、十年は一昔、故郷は二昔、といった印象的なフレーズや、工場に勤める男が、長年の勤務で指紋すら無くなった、という一節もあります。あの宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」のアンサー・ソングでは、君の願いは誰にもワカンナイ、ですもんね。絵画に例えれば、ダリやマグリッド、エンデといったシュールリアリズムの匂いがするんです。

僕、この陽水さんの感性、そのルーツに由縁があるのでは、と密かに思っています。彼の父祖伝来の地は高知でありまして、父君は或る人物と懇意にしており、遠縁ながら縁戚関係にあったんですね。高知県と言えば、幕末の動乱の主役を務めた土佐藩であり、自由民権運動発祥の地であります。瑞山武市半平太を筆頭に、坂本竜馬に中岡慎太郎に板垣退助、優れた人物を雲霞の如く輩出した訳ですが、自由民権運動を推進した中江兆民も忘れてはならないでしょう。その兆民の弟子が幸徳秋水、新聞記者をしながら、政府なぞ不要ではないか、という思想に目覚め、日本初のアナーキスト、革命家となるんですね。どうやら冤罪だった様ですが、明治天皇を爆殺しようとした、所謂「大逆事件」を起こし、哀れ秋水は刑場の露と消えます。

賢明な読者の方々は疾うにお気付きでしょうが、陽水、これは本名ですけれど、滅多にありませんよね。父君のお名前は若水さんでして、代々、名前に水が付く訳です。幸徳秋水も最後に水が付きますよね。そう、日本を代表する歌手の井上陽水さんは、政府を転覆させようとしていた、危険人物の血を引いていたんですね。こういう歴史的背景というか、血は水よりも濃し、と言いましょうか、陽水さんが生む、アヴァンギャルドな歌詞の秘密の一端が分かった様な気がしますよね。

探し物は何ですか、という訳で、さっきから僕のシャチハタの印鑑が、ちっとも見つからないんです。探すのを止めたら見つかるでしょうし、そろそろ会議でありまして、これから出席して来ます!
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