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カンゾー先生

おはようございます。皆様、週末は如何お過ごしでしたか!?ここ大分はずっと雨でして、親友のMさんと一献酌み交わした他は、昨日は終日大人しくしておりました。あっ、映画を1本観に行きましたか。その話は後程に致しまして、先月は、シュトゥルム・ウント・ドラング、疾風怒濤と言うと大仰に過ぎますけれど、大層忙しく、それも漸く落ち着きましたから、今月は一息付けるのかなあ…。

さて、土曜日の朝、ちょうど良い時間帯に映画があったものですから、いそいそとバスに乗り、大分市内のシネマ5、というミニ・シアターに行って参りました。「ヒッチコック」という作品でありまして、題名通り、かの有名な映画監督の撮影時の舞台裏を描いたものなんですね。有名な代表作「サイコ」を軸にした物語なんですが、中々面白かったですよ~。まあ、ヒッチコック監督のフィルモグラフィに関する基礎知識があった方が、より一層楽しめるとは思いますが、彼が自分の映画にブロンド美人を主役として抜擢し、彼女達--グレース・ケリー、イングリッド・バーグマン、キム・ノヴァク等々--を猫可愛がりし、こよなく愛した事は、広く知られている周知の事実でありまして、そうですねえ、夫婦喧嘩のシークエンスには大爆笑しました。奥さん曰く、ユー・ライク・トゥー・メニー・ブロンド・ビューティ・ウーメン、ですって。流石の天才ヒッチコックも己の長年の不実を詰られ、一言も返す言葉がありませんでした。

それにしても、本作品は役者の演技合戦という趣がありまして、ヒッチコックを演ずるのは、アカデミー主演男優賞、サー・アンソニー・ホプキンス、ビア樽の様に太った体躯は特殊メイクでしょうが、話し方にイントネーションは、クイーンズ・イングリッシュでして、惚れ惚れしました。また、劇場の隅っこから、己の作品のクライマックスに観客がどの様な反応をするか、こっそり覗き見るシークエンスがあるんですね。お客さんが悲鳴を上げる度に、歓喜の表情を浮かべ、踊るのですが、その演技は絶品でありました。その妻役も、同じくアカデミー主演女優賞のヘレン・ミレン、演技に緩急を付けると言いますか、間も素晴らしく、抑えた激情とでも言いましょうか、いや流石でした。ヒッチコック監督を惑わすブロンド・ビューティは、スカーレット・ヨハンソン嬢、この人は小悪魔と言うか、男心を惑わすコケットリーな演技をさせれば、スペインのペネロペ・クルス嬢と並んでピカイチでしょう。将にはまり役でした。

さて、主役であります、サー・アンソニー・ホプキンスさん、ウェールズのご出身で、数多くの舞台で場数を踏み、犯罪者から大統領から、伝説の画家から神話の王様まで演じた大変な名優ですけれど、彼の膨大なフィルモグラフィーの中に、余りヒットしなかったのですが、「ケロッグ博士」という作品があります。このケロッグ博士、1852年生まれですから19世紀のアメリカ人でありまして、現在の健康食品の産みの親とも言うべき存在なんですね。19世紀に菜食主義や禁煙を訴えてたんですから、将に先駆者であります。驚くのは、当時に腸内洗浄ですとか、脚のマッサージ器、こういった発明までしているんですね。そのケロッグ博士の最も偉大な発明が、今なお世界中でロング・セラーのシリアル、コーンフレークであります。ケロッグ社は1922年に博士が創立していますから、もうすぐ1世紀ですよ、凄いですよね。ただ、「健康の為なら死んでもいい」という所まで徹底的に追求するものですから、奇矯というかエキセントリックな域にまで達してしまうんですね。まあ、1つの事に徹底して集中する姿は崇高ですけれど、傍目からは滑稽に見えるものですから、実は「ケロッグ博士」の映画は、ドクターを尊重しつつ、名匠アラン・パーカー監督によるブラック・ジョーク仕立てになっています。

西洋が「ケロッグ博士」ならば、本邦代表は、巨匠今村昌平監督の「カンゾー先生」しかありません。どんな患者さんが来ても「肝臓炎じゃな」と診断するお話でして、最後にはドクターの見たてが正しいんですね。この映画、余り評判になりませんでしたが、音楽は日本初のフリー・ジャズ・バンドを率い、毎年の様に欧州を中心としたワールド・ツアーも敢行した、日本の誇るジャズ・ピアニスト山下洋輔というお洒落さが光ります。そして本作品が実質的なデビュー作だった、現在は売れっ子の麻生久美子さんの清楚な美しさも、映画に華を添えています。主人公のドクターは、医療環境の整っていない寒村に居るのですが、東に重傷者がいれば駆け付け、西に重篤者がいれば飛んで行くんですね。そう、病人が居れば昼夜限らず、何処にでも往診する訳です。僕も開業医の不肖の息子ですから、本作品の冒頭の台詞は、何時聞いても胸を打たれます。

開業医は足だ。片足折れれば片足にて走らん。両足折れれば手にて走らん。

僕、折角一度は医学部に入りながら、あっと言う間にドロップ・アウトした人間です。全てのドクターの優秀さ、聖職として患者様に対する真摯な態度は、外科医だった父の姿を見ていますから、骨身に浸みて理解している積もりです。そういった素晴らしい先生方に対し、文句を言う訳では決してありませんが、作品中の昭和の初めのドクターと較べて、デューティ、パッション、絶対に患者様を治すというデタミネーションと言うのかな、その点についてはどうなんでしょうか。勿論、医療技術や機器に関しては、当時と較べものにならない程でしょう。当院の先生方にはそういった方は決しておられませんが、時折新聞を賑わすドクターの不祥事なんかを見ますと、僕、カンゾー先生の、滑稽ながらも真剣極まりない姿勢を思い出すんですよ。やっぱり、生き死にの最後の際に頼りになるのはお医者さんですもんね、凛々しくカッコ良く、そして責任感が強くあって欲しいものですし、切にそれを願っています。

何だか、映画の話でしたのに、医師でも無い僕が、暴言多謝であり、大変申し訳ありませんでした。当院は素晴らしい先生方が多くいらっしゃいますので、何かの際は是非頼りにされて下さいませm(__)m。最後は何だか宣伝みたいですが、今週も拙ブログを宜しくお願い致します!!
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