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THE SHELTERING SKY

おはようございます。いや~、不肖私、漸く戻って参りました。久方振り、いやそうでも無いのかな、博多出張だったんですね。僕、行く度に思うのですが、適度な規模の都会であり、地下鉄もJRも西鉄もあり、都心部から国際空港までは10分程度という利便性、食事は安価で美味、人情味に溢れ、プロ野球チームのスタジアムもあるんですもんね。団塊の世代の皆様の隠棲の地として、密かな人気と言うのもむべなるかな、でありましょう。昨日一昨日と湿度も気温も高く、まあ大変な暑さでありまして、Yシャツまで汗で濡れて不快な気持ちの中、朝から夕方までセミナーを受け、夜は歓楽街中洲で、名物の水炊きをご馳走になりました。ホテルで一風呂浴びて、鳥のつみれと良く冷えた麦酒と地酒が、乾ききった喉にこよなく美味しく、堪能致しました。関係者の皆様方、ご多忙中にも関わらず、大変ご親切にアテンドして下さり、僕、恐縮しきり、本当にありがとうございました。僕からの粗末な手土産は、大分の銘菓「ざびえる」だったのですが、何せ激甘でして、辛党の皆様のお口に合う事を祈っております。今後とも何卒宜しくお願い致します。大分にお寄りの際は、是非お声を掛けて下さいませ。すぐさま駆けつける所存です。

袖すり合うも他生の縁、本当に人との繋がりとは面白いもの、僕、古いタイプの日本人ですから、一度でもお世話になった方は心から大事にしたい、そう思っています。まあ、人との応対って、鏡の様なものと思うんですね。自分が丁寧に誠意を尽くして接していれば、必ず相手もそう応えてくれる、それが僕のスタイルで長年やって来ました。まあ、必ずしもそうも行かず、酷く無礼な扱いを受ける事もしばしばですが、そんな時こそ、顔には笑みを、心には太陽を、ぐっと堪えて我慢の子、そういう人って傲慢倨傲ですから、決して良い方向には行かないもの、敬して遠ざけるのが大人の見識でありましょう。

それにしても、中洲は九州一の歓楽街でして、地下鉄を利用しようか暫し考慮の末、タクシーのお世話になったのですが、同名ながら全く違うお店で下ろされてしまい、途方に暮れました。そのお店の方に聞いた処、親切な人は何処にでもいるもので、丁寧に道案内して下さり、何とかアポイントメントの時間に間に合い、胸を撫で下ろしたんですが、これが博多っ子のホスピタリティなんですかね~。僕、益々福岡に親しみが湧きましたし、サービス業ってのはこうでなくちゃいけません、いや、当院でも見習うべき姿勢で、勉強になりました。

忙中閑あり、忙しない時間の中、映画を観る事が出来ました。「孤独な天使たち」、そう、イタリアの巨匠、ベルナルド・ベルトリッチ監督の久し振りの作品でして、地味な小品だったのですが、滋味掬すべき味わいがありまして、いやあ水炊き同様に堪能致しました。僕、気に入った監督さんに関しては、フィルモグラフィをずっと追う、という癖がありまして、そうですねえ、日本ならば黒澤に今村に成瀬、海外ならばヒッチコックにキューブリックにウォン・カーウェイ、まだまだ沢山いらっしゃいますが、ベルトリッチはその中の一人なんです。未見の方の為、本作の詳細は書けませんけれど、やや自閉症気味の少年が主人公、学校でのスキー旅行をサボタージュ、アパートメントの地下室で1週間こもる、という話なんですね。そこに美しい異母姉が闖入者として現れる…、というお話です。美しき青春の日々、という最近のロックの佳曲がありましたけれど、ベルトリッチさん、御年72歳でしょ!?瑞々しくも痛々しく、ビビッドでイノセントなティーン・エイジャー達の心の動きを、失礼ながらそのお歳で撮れるんですもん、いや、超人でしょう!ラストのシークエンス、まあ美しかった事!人は、人と触れ合う中でこそ成長して行く、というメッセージが何の説明も無く、観客の心に迫って来るんですね。僕だって何時も能天気では無く、暮夜密かに眠れない事だってあります。そういった気分まで全て吹き飛ばす、とても綺麗な絵でした。

大別すると、監督さんのタイプって2つだと思うんですね。脚本か映像、どちらを重視するかに分かれると思うのですが、ベルトリッチは全くの後者であります。映像美、という言葉が本当に良く似合いますよね。「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の、ささくれた様で寒々しい、荒涼としたパリの風景。「シェルタリング・スカイ」での広大な砂漠。「ラスト・エンペラー」の紫禁城。でも僕、アット・ヒズ・ベスト、彼の最も素晴らしかった作品は、「シャンドライの恋」だと思うんです。

アフリカで暮らすヒロインは、政治活動をしている夫が投獄され、イタリアはローマへと単身脱出します。そこでピアニストと知り合う、というお話なんですね。異なる文化や生活環境、勿論肌の色から言語まで違う訳で、その二人の恋模様を描くんですが、いや、映像描写が素晴らしいんですよ。広大なアフリカの光景。一輪の真紅のカトレアの花。フェルメールの様に、陰と陽のコントラストが鮮やかな室内。夕闇迫るローマの街並み。螺旋階段の上からゆっくりと落ちて行く一枚の白いハンカチ。少しずつ減ってゆく家財道具。ラストのシークエンスは、ローマの朝焼けなんですね。世界遺産だらけのこの街ですから、凡人が撮っても綺麗なのに、ベルトリッチと組むのは、3度もアカデミー撮影賞を獲得した伝説の男、ビットリオ・ストラーロですもん、息を呑む程に美しいんです。俯瞰から始まったキャメラ・ワークは、アパートメントの屋上から舐める様に降りて行き、そして主人公の家に向かうタクシーを捉え、答えは観客が選んでくれ、という結末を迎えます。僕、こぬか雨の降る、神楽坂の古いミニ・シアターで本作を見ましたが、カット割りから役者さん達の演技から、心底満足しまして、そのまま歩いて新宿まで出まして、痛飲した事を昨日の様に思い出します。また、何の共通項も無い二人を結びつけるもの、それは音楽なんですね♪♪男性はピアニストですから、モーツアルトやバッハを好み、女性はアフリカのトップ・シンガー、サリフ・ケイタなぞを聞いているのですが、徐々に理解しあって行くのは、彼の創る音だった、なんて、大人のファンタジーであり、いやあ、未見の方は是非DVDを探されて下さいませ。そして、愛とは見返りを求めないもの、当然の原則と思いますが、それも過不足無く描かれていた様に感じました。

いやあ、身辺雑記から映画評論になってしまい恐縮ですが、明日から週末、皆様、ごゆっくりお過ごし下さいませ!
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