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♬ 俺節 ♫

♬ おろすわさびと 恋路の意見 きけばきくほど 涙出る ♫
♬ 小唄都々逸 何でもできて お約束だけ 出来ぬ方 ♪
♬ 雪をかぶって 寝ている竹を 来ては雀が ゆりおこす ♩

今朝はいきなりの都々逸から始まりましたけれど、いやあ、寒いですねえ。僕、6時前でしたか、愛犬を連れて散歩に行ったんですが、まあ風の冷たい事、耳はジンジンと痛むわ、手はかじかみ、粉雪も舞い飛ぶぐらいでして、戻って入浴しましたら、全身に鳥肌が立ってましたもんね。ここ数日間は冬将軍が猛威を奮う由でして、皆様、どうぞ風邪にはお気を付け下さい。

こう寒くなりますと、やっぱり、♪ お酒はぬるめの 燗がいい 肴はあぶった 烏賊でいい 女は無口な ひとがいい 灯りはぼんやり ともりゃいい ♪、八代亜紀の舟唄じゃありませんが、やっぱりこの時期のBGMは、日本人ならば、演歌が一番合う様に思いますね。追いかけて 追いかけて 追いかけて 雪国、という訳で、今日は演歌について書いてみましょう。

さて、演歌の特徴って2つあると思うんですね。まずはその音階でしょうか。ファとラを使用しない、ドレミソラで曲を造るんですよね。これ、日本では古来からのものだった様で、童謡や民謡は皆そうなんです。面白く感じるのは、中南米--アルゼンチンやチリやパラグアイ等々--のフォルクローレと呼ばれる民族音楽や、スコットランド民謡でも、ファとラを使わない様なんですね。中南米の先住民達は元々モンゴロイドですから、僕達日本人と共通項があるにせよ、スコットランド人はケルトの民ですもんね。この不思議については、調べまして、またご報告出来たらと思います。そして、演歌の特徴と言えば、七五調五七調の歌詞でしょう。あなたが噛んだ 小指が痛い、尽くして 泣きぬれて そして愛されて、どれも短歌や俳句や都々逸と同様、五・七、或いは七・五になっているのがお分かりでしょうか。賛否両論ありますけれど、僕は世界一の国歌と思っています、君が代、あれにしても、五七調ですようね。君が代は 千代に八千代に さざれ石の、ね、そうでしょう。どうやら日本人の生理的なリズムに合っている様でして、最近のヒット曲にしても、歌詞の並びはそのパターンを踏襲しています。当院の或る先生の愛唱歌、ゴールデンボンバーの女々しくて、にしてもそうですもん。女々しくて 女々しくて 光を浴びて 女々しくて 女々しくて 恋の歌 歌って 今日は踊ろう もう忘れよう、ですからね。

そして、これは決して忘れてはいけない事実ですが、演歌が生まれたのは、元々はプロテスト・ソング、体制に対するアンチ・テーゼ、反抗を唄ったものなんですね。ジャンルは違えども、ボブ・ディランやジョン・レノンやボブ・マーリーと同じ系譜な訳です。故忌野清志郎が、演歌歌手の坂本冬実と一時期一緒に活動していましたけれど、その親和性は何だか頷ける気がします。

時は遡りまして、明治の時代、大久保利通に始まり、山縣有朋らの思想は、中央集権で国民に対し高圧的な国家を目指していました。選挙も中々行われなかった訳で、憤りを感じた人々は、繁華街に立ち、演説をして圧政への批判を訴えるしか無かったのです。政府側は当然面白くありませんから、取り締まりを強化し、演説を禁止させます。訴えが駄目なら歌にすれば良い、という訳でして、演説から演歌、と成った訳なんです。世は歌に連れ歌は世につれ、激動の時代を経て、演歌も少しずつ変容を遂げ、平和になって来ますと、政治的な訴えは不要になりますから、男女の恋愛の機微を唄ったものになったんですね。

そして、何より、演歌界の皆さんは、唄が上手いんですよ。最近の歌手やバンドの演奏力やアレンジメント、以前に較べまして、長足の進歩を遂げ、欧米に出しても、決してひけを取るものではありません。そうですねえ、僕が気になるのは、ドラムの力強さ、音の抜け具合が唯一劣っているぐらいですか。その高度な演奏力をもってしても、がっかりするのが、歌い手さんの声量や音域の狭さなんです。やっぱりカツ丼をお代わりするぐらいじゃないと、黒人歌手には勝てないのかなあ。ビヨンセの強靭そうな背筋や、豊満でどっしりした下半身を見てますと、圧倒されますもんね。日本人の歌手で、演奏はカッコいいけれど、何を言ってるのか分からない人、残念至極ではありますが、結構居ますもん。歌唱力という点で、何とか一矢を報いる事が出来そうなのが、演歌界の皆さんでしょう。演歌界で最も助平な大川栄策、鳩を素手で捕まえる新沼謙治、大借金を抱えた吉幾三、マイク二刀流、63歳未だ独身の冠二郎、妖艶な藤あや子、清楚で美しい石川さゆり、皆さん歌唱力抜群の歌い手さん達です。

僕、元気が無い時に聞く曲って、ブルース・スプリングスティーンのサンダー・ロードですとか、ストーンズのレット・イット・ブリードとか、ボブ・マーレーのライヴリィ・アップ・ユア・セルフ等々、色々あるんですが、演歌では、水前寺清子のいっぽんどっこの歌、ですかね。♪ ぼろは着てても 心の錦 どんな花よりきれいだぜ 若いときは 二度と無い どんとやれ 男なら 人のやれない事をやれ ♪、どうです、元気が出ませんか!?そう言えば、水前寺清子の渾名は何故かチータなんですね。僕、随分前に、大分のアフリカンサファリという動物園に行きましたら、水前寺清子も来ていたそうでして、子供のチータと共に写真に収まっていました。チータとチータ、と小さくキャプションが添えられていて、水前寺清子の不機嫌そうな顔写真を見て、僕、思わず吹き出した記憶が蘇りました。

今日は演歌ずくめでしたが、如何でしたでしょうか。この拙文は、「俺節」という傑作演歌漫画を描かれ、43歳の若さで夭折された、才気に満ち溢れ、優れた漫画家であった土田世紀さんに奉げます。

それでは皆様、随分冷え込みそうな週末ですが、お元気にお過ごし下さい!♪ 北へ走ろう お前とふたり 北は雪どけごろだろう そんなに泣くなよ 今夜からは二人だけだよ ♪、新沼謙治の往年のヒット・ナンバー、ヘッド・ライトをBGMに、暫しの間、ごきげんようさようなら。
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いつも楽しく読ましていただいております

時折、楽しく読ませて頂いております。クマモト(Orange HP)と申します。
さて、演歌は、各作曲者のプロフィールから推察されるように元々西洋音楽が基盤となっており(一部韓国歌謡が一部ルーツとの説もありますが)、〈舟歌〉〈雪国〉や〈みちのくひとり旅〉〈越冬つばめ〉などは、ファもシも使っております。〈函館の女〉や〈北国の春〉はファ・シ抜きですが…。因みにキャンディーズの〈春一番〉や〈戦メリの前半テーマ部〉は、ファ抜き(シ有り)で出来ています。ファ抜き(+シ)辺りがオリエンタルな雰囲気を醸し出すのもしれません。が、あまりそれを強調しずぎると作曲のプロからは怒られるのかもしれません。また、ファ・シ抜きペンタトニックスケール(音階)は日本の陽旋法、レソ抜きペンタトニックスケール(音階)は日本の陰旋法にその類似性(ルーツではないと思います)を見ることが出来ます。後者は、〈銭形平次〉の♪は~な~のお江戸は八百屋町♪と和風な雰囲気を醸し出す辺りにそのそれが感じらます。オマケにいうと〈ずいずいずっころがし~〉は途中で微妙な転調をしています。
という訳で、面白そうな話題でしたので悪意なく突っ込んでみました。
それにしても日本人にとって「演歌」とは何なのでしょうね?私は、「もし車の中で演歌しか聴いてはいけない」という掟があれば拷問ですが、居酒屋やラーメン屋では演歌のBGMが心地良かったりします。
個人的には、ロックも大好きです。スプリングスティーンの「Thunder Road」良いですね!確か初期バージョンでは歌詞が違っていたりしたような?ストーンズも大好きです。ディランなんて一時期どうかしてしまったようにBootlegを収集していました。
これからもブログ頑張ってください。拝見しております。
もし、同業の士ということで何かの会でお会いした際は気軽にお声掛けくだされば嬉しく存じます。映画の話にはついていけなかと存じますが・・・。
今後とも宜しくお願い致します。

No title

クマモト様、おはようございます。

先輩の先生に、この様な拙い文章を読んで頂いているとは、汗顔の到りでかつ恐縮至極、穴があったら入りたいとはこの事です。そして、拙ブログをお読み頂いているとの事、本当にありがとうございます。

僕は幼い頃にピアノを、ハイ・ティーンの頃にギターを齧った程度でして、スケールの話になりますと、とてもクマモト様の様にロジカルな理解はしておらず、野性の勘だけの拙い文章でありまして、これまた恐れ入る次第です。

ともあれ、何かの会合の折には、こちらこそ宜しくお願い申し上げます。それでは失礼致します。
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