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MOULIN ROUGE

本当に速いもので、このブログも今月でとうとう3周年ですか。三日三カ月三年、就職や入学した折に、その期間毎に節目が来ると言いますけれど、自分が思っていたよりも随分な長期連載になりまして、我ながら驚いている次第です。もうすぐ拍手数も15万に達しようかという勢いでして、最近はフェイスブックでご覧になられている方もいらっしゃる由、しかし、どういった方が読まれてるんですかねえ。コメントやファンレターは大歓迎なんですよ、なんちゃって。

親譲りの無鉄砲で、子供の頃から損ばかりしている、これでは漱石の坊ちゃんの書き出しですが、僕、何だか、期待されると嫌になっちゃいますし、期待されないとやる気を出す、という分かりにくい性格、母からは「難しい子ね!」とよく叱責されたものです。まあ、元来飽きっぽい僕が、ここまで拙ブログを続けて来られたのも、一重に多くの読者の皆様のお陰でして、心より厚く御礼申し上げます。

今朝のBGMは、キューバのトローバと呼ばれる、1920年代前後に産まれた古い音楽でして、偶々山積みにしていたCDの中にあったものですから、久方振りにそればかりかけています。老婆2人のツイン・ヴォーカルが絡まり合い、重層的なリズムに軽妙なギターに切ないトランペット、いや中々どうして、大変なクオリティ、堪能している所です。1曲目のタイトルが、FLOR DE VENGANZA、僕の拙いスペイン語の知識で訳しますと、復讐の花、で良いのかな。男性から棄てられた女性の切ない恋心を唄ったものでして、ま、朝から聞く音楽じゃないですね。

この音源から想起しましたのは、一昨年のウッディ・アレンの傑作、「ミッドナイト・イン・パリ」でありまして、この映画、1920年代のフランス文化に憧れる主人公が、その時代にタイムスリップし、当時のアートに触れる、という謂わば大人のファンタジーでした。フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ジョセフィン・ベーカー、ジャン・コクトー、そしてそして、ピカソにダリにマチスにゴーギャン、今も尚燦然と輝く巨星達が登場するんですもん、この映画が詰まらない筈がありません。当時の画壇は、様々な画法が華開いた時代でもあったのですが、注目すべきは、欧州では産業革命が終わり、商業主義が完全に根付いた頃だったんですね。従って、絵画も、今までの自然主義や宗教画から離れ、芝居やお店のポスターが多く描かれ、貴族のものから大衆化して来たと言えましょう。

僕、当時の画家は皆好きなのですが、現在で言うと、ポップ・アート、リキテンシュタインやアンディ・ウォーホールがその代表格と言えるでしょうが、その大先達もまた20年代に産まれているんですね。という訳で、僕も大好き、当時の最先端で今も追随者の多い、2人の偉大な画家を、今日はご紹介しましょう。

まずは、アルフォンス・ミュシャであります。この人はオーストリア人ですから、ドイツ語圏の出身でして、極貧に生まれ、学校の中退や度重なる失業といった失意の連続でしたが、芝居のポスターを描いた事で一気に認められ、一躍スターダムに躍り出たんですね。一夜目覚めて既に天下の詩人、と自らを称したのは、イングランドのプレーボーイとして知られたバイロンですが、当時のミュシャもきっとそう感じたに違いありません。何せ、出すポスター全てが大評判になる訳でして、シャンパンで有名な、モエ・エ・シャンドンのポスターまで手掛け、富を築いたんですね。とは言え、アーティストはその作品でのみ評価されるもの、僕、ミュシャで素晴らしいなあ、と感じるのは、その美しい女性像と、ヴィヴィットで繊細な色遣いです。この美しい女性の曲線美、恐らく宗教的な概念や文学的素養があってのものと思われますが、上手く己の中で昇華されている感があります。これ、僕の想像ですが、極貧の中、ミュシャの頭の中には、理想の女神が常に頭の中にあったのではないでしょうか。そして、それを描いただけであり、僕、彼が好きなのは、繊細なんですが、何だか人生に対して肯定的な感があるんですね。ご本人も孫の様な年の離れた奥様と結ばれ、78歳で大往生、人生を悔いなく謳歌した訳で、そこが、今なおミュシャの絵が愛される理由では無いでしょうか。

早稲田と慶應、巨人と阪神、ビートルズとストーンズ、バルサとレアル、物事何でも相反するものが人気を博します。先のミュシャとは全く対照的な、もう1人の巨人、それがロートレックです。僕、彼の何処か貴族的な退廃さを感じさせるタッチが大好きなんです。日本文学ならば永井荷風ですし、映画で言えばそうですねえ、ビスコンティやフェリーニ、忘れちゃいけないロッセリーニ等々、イタリア映画界の大監督のタッチでしょうか。ロートレックはフランスの伯爵家の生まれ、蝶よ花よと大事に育てられた御曹司だったのですが、13歳の時に脚の発育が止まる、という奇病になるんですね。恐らく遺伝子疾患ではないか、と言われていますが、そこで彼の人生は大きく変わります。伯爵家のお坊ちゃんが、身障者として酷い差別を受ける事となり、かの有名なキャバレー、ムーラン・ルージュ--映画にもなりましたよね。二コール・キッドマンの輝く様な白い肌と、その美しさが印象的でした。--やダンスホールや酒場に入り浸ってしまうんですね。泥中に咲く一輪の花、それでも彼には天から授かった絵の才能がありましたから、踊り子を描いたポスターが認められ、世界中の注目の的となるのです。酒に溺れ、多くの恋に身を焼き、そして病が襲い、その生涯は36年間と短かったのですが、その作品群は珠玉の輝きを放っています。

両者は余りに対照的で、較べようも無いのですが、絵画ってあくまでその人の好みの問題なんですが、僕、やはりロートレックの方を好みますねえ。

何だか今日は、大好きな絵画の事を書いてしまいまして、ご興味の無い方には大変申し訳ございません!今週末は全国的に天気は下り坂の様ですが、皆様、楽しい週末をお過ごし下さい!!
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