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駅路

ciao!皆さんお元気でしょうか。昨日、アメリカ在住のドクターと話をする機会がありました。四方山話の後、今回の震災の話題になったのですが、やはりアメリカのメディアは、原発事故報道に対し、微に入り細にうがち、非常に具体的な報道姿勢との由、日本の新聞を見ると婉曲的で隠蔽気味、とても分かりにくいそうです。僕、一概には善し悪しを言えませんが、この件に関してはアメリカのメディアに軍配を挙げたいですね。今更隠したって仕方無いと思います。真の情報を追う、気骨ある骨太のジャーナリズムを求めます!

こういう時、僕が思うのは、昭和は遠くになりにけり、なんですよね。この様な大事件が起きた際に、暫く時を置いてから、必ずと言ってよい程、作家やジャーナリスト、学者達が検証と総括と分析を行い、侃々諤々論争を繰り広げ、華々しく論文やルポ、小説を発表していた筈です。佐瀬稔、近藤紘一、開高健、高木俊朗、猪木正道、福田恆存、谷沢永一、優れた先達諸氏は既に身罷り、僕、佐野眞一、岩上安身、魚住昭、佐藤優、江川紹子、宮崎学、上杉隆、各氏の奮闘に期待しています。

さて、そのノンフィクションを書き、純文学を書き、ミステリーもサスペンスも古代史も世界史も恋愛も伝奇も書き、とにかく売れまくった超人がいます。そう、松本清張先生その人です。直近では、そうですねえ、藤木直人君主演のドラマ「夜光の階段」を覚えている方も多いのではないでしょうか。この清張先生の記念館が小倉にあるのですが、館内に入った途端、その蔵書、その執筆量、その守備範囲に、圧倒される事請け合いです。50歳近くまでは印刷所勤務、初老の域に入ってから、作家として大爆発、ライティング・マシーンと化して、出す本出す本ベストセラーとなりました。

清張先生は、全く女性にもてなかったルサンチマン、学歴や職歴コンプレックス、己の容姿への哀しみ、同業者からの嫉妬、悪を憎み不正を嫌う姿勢、これらが混然一体となって、彼の文学世界を創り上げたと言えましょう。そうそう、清張先生の真価や偉大な才とは全く関係無いのですが、色白で豊満、肉感的な女性がかなりの頻度で小説中に登場して来まして、この女性が必ず男性を裏切る役なんですよね…。決してそういう事は無いと思うのですが、清張先生、余程そのタイプの女性に手酷く振られたんだろうなあ、といつも僕、微苦笑してしまいます。

ストーリーも抜群、リアルさもあり、エンターテイメントとして素晴らしく、宮部みゆきや高村薫、東野圭吾も面白いでしょうが、まだまだ清張先生の域には程遠いのではないでしょうか。

僕、清張先生の隠れた魅力として、風景描写の素晴らしさがあると思うんですよ。その点があまり評価されていないのが、残念でなりません。「砂の器」の日本海沿岸、「点と線」の福岡玄界灘、「ゼロの焦点」の古都金沢、「球形の荒野」では奈良の寺社仏閣、「砂漠の城」のエジプト・カイロ。これら一連の作品の、正確で緻密で丹念な風景描写を読むだけでも、旅をした気分になる事を保証します。

先生の優れた作品は数多く、清張全集がなんと68冊もあるのですが、僕のお薦めはやはり「西海道談綺」でしょうか。かなりの長編ですが、清張先生の長所が詰まった大傑作と思います。

是非、お暇な時、お盆やお正月、GWにでも読んでみて下さ~い。

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