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THE DARK KNIGHT RISES

皆様、週末は如何お過ごしでしたか?ここ大分では夏のお祭りや花火大会が開かれ、中々の盛況だった様ですが、何だか変なお天気でしたねえ。狐の嫁入りの様な、降ったり止んだりの妙なお天気でして、湿気が堪りませんでした。さて、僕、とても嬉しかったんですが、漸く「ダークナイト ライジング」を観る事が出来ました!という訳で、まずはその映画評から。

バットマン三部作の完結編であり、アメリカでの公開直後に、劇場で銃乱射事件が起きるという忌まわしい事故がありましたが、確かに前作「ダークナイト」は大傑作でしたからねえ。「ダークナイト」の悪役を演じた故ヒース・レジャーの演技は鬼気迫るものがありましたから、犯人の精神面に何らかの悪影響を及ぼしたのは否めないかもしれません。あ、勿論、犯人は厳罰に処すべきですが。さて、本作は2時間45分ですか、欠点は少々長過ぎた事ぐらいで、脚本の粗が目立つのは一点ぐらいしか無く、傑作と言えましょう。劇場で観られる前に、「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」、前二作をご覧になる事をお薦めします。

さて、「ビギンズ」は、バットマンというヒーローが何故生まれたかが主題でした。「ダークナイト」は悪を処罰する為には時として暴力をふるわねばならず、しかしそれを行うと、善も悪もやっている事は変わらないのでは、というテーマでした。そして本作は、よりスケール・アップしまして、秩序が取り払われ、恐怖支配の下で人間はどうなるのか、そして復讐、継承、恋愛、師弟、核との共存、そして現代社会の病巣、それらが上手くミックスされた重層的かつシリアスなお話でして、まずはクリストファー・ノーラン監督の力量に敬意を表したいと思います。

書くべき事はまだまだありまして、まずはキャスティングです。監督さんがイギリス人という事もあり、メインの役者さんでアメリカ人はいません。主役はイングランド人、敵役も同様。ヒロインの二人は、アイリッシュとドイツとインディアンとフレンチの混血に、ケルト系のフランス人。重要な脇役四人は、黒人・アイリッシュ・ユダヤ系・イングランド系。これも又、この物語の重層性に深みを増していました。そして、イギリス映画の特徴として、ややビターと言いますか、人生の苦味を感じさせる大人の味わいがあるんですよね。それは本作でも充分に発揮されていた様に思います。

そして、アクションもこのシリーズの面白さの一つですが、CGに余り頼らず、あくまで肉体のぶつかり合いを見せる姿勢も共感する処でしたねえ。僕、この長い三部作のお話は或る意味、サーガ(SAGA、大河小説、神話の意味です)の趣を感じたんですね。それもやや古いゴシック(中世ヨーロッパ)文学の薫りを感じました。戻ってから、早速調べてみますと、監督さんは、チャールズ・ディケンズの「二都物語」からインスパイヤされた、とインタビューで語っていまして、僕も中々観る眼があるなあ、と自画自賛した次第です。ディケンズは、19世紀のイギリスの小説家でありまして、巧みな社会風刺に定評のあった人ですから、バットマンの世界に合ったのでしょう。

バットマンの舞台は架空の都市である、ゴッサム・シティなんですが、この街はアメリカ社会の隠喩でありまして、格差社会であり無法地帯であり、絶え間無い暴力に晒されている、というのが基本的な設定です。この作品が極めて現代的なのは、核との共存は可能か、というテーマが取り上げられている事ですね。2011年5月に撮影開始されていますから、あの悲しい東北大震災の後にクランク・インしている訳です。監督さんがその事を知らない筈が無く、どうか政府関係者にも観て欲しいと思いますね。

ここからは、現実に戻りまして、酷い話なんですが、ドイツ放射線防護教会から、日本国について、正式な抗議が来ている事をご存じでしょうか。「日本で行っている汚染ガレキの各県への配分、焼却、及び焼却灰の海岸埋め立て等の利用は、重大な過ちである。~中略~ドイツ放射線防護教会は、この計画の至急撤回を勧告する。」との由でして、この是非はともかく、チェルノブイリ事故を経験した欧州では、放射能に対して、極めて厳しい基準で安全性を重視している、という事でしょう。ドジョウは、東北の子供達に、被災地の流木を使った手製のメダルを作らせ、日本人選手団が開会式に着用する事を義務づけました。何か、子供達も選手達も被爆する様な気がするのは僕だけでしょうか。今回のオリンピックの開会式において、日本人選手団は強制退去をくらったそうで、IOCの真意は分かりませんが、日本国の甘過ぎる放射能汚染対策への、世界中からの抗議でなければ良いのですが…。

最後に。原発推進派の皆さんへ一言。「夏場に電力を安定供給しなければ、日本経済はパニック」との論理ですが、それは間違っています。新幹線整備事業に200兆円もつぎ込むのならば、そのお金を、新たな電力エネルギー開発に注げば、優秀な日本の技術力をもってすれば、直ぐにでも出来ると思いますよ。そして、経済も勿論大事ですが、僕、今後の日本を背負って立つ、若者や幼児の健康は、お金には決して変えられないものと思いますし、それが大人の責務と思いますが、読者の皆様、如何思われますか?
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