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ISLANDS IN THE STREAM

何でも昨日の関東地方では、大きな雹が沢山落ちて来たとか。ここ大分でも、昨日は妙な空模様でして、時々刻々と天気が変化し、晴れ間が覗いたり、黒雲に覆われたり、強風も吹き荒び、まるで三寒四温とも言うべきか、何処と無く落ち着かない一日でした。あれ、この天気って、僕、何処かで経験した事があるなあ、と必死に記憶の糸を辿っていましたら、今朝漸く思い出しました、そうです、豪州最南端の島、タスマニアです。という訳で、今日の本ブログは、この小島のお話を。

面積は大体北海道よりやや小さいぐらい、人口は48万人ですから大分市程度、人口密度はスカスカですよね。鬱蒼たる広大な原始林が世界遺産に認定され、多種多様な野性動物が棲み、銅や錫や鉄の天然資源に恵まれ、林業が盛んでありまして、日本から飛行機で飛べば12時間掛かります。さて、僕が住んでいた豪州メルボルンからは直行便のフェリーが出ていまして、1泊すれば到着しますから、或る日思い立って独り旅に出たんですね。気分はもう奥田民生の名曲「さすらい」のままでありまして、♪さすらおう この世界中を ころがり続けてうたうよ 旅路の歌を まわりはさすらわぬ人ばっか 少し気になった 風の先の終わりを見ていたらこうなった 雲の形を真に受けてしまった♪という訳でいざ出陣、意気揚々と乗船しました。確かちょうど今と同じ5月ぐらいでしたが、あちらは南半球で既に冬ですから、短い航路なのに滅茶苦茶に揺れるんですよ。ローリングにピッチングが絶え間無く繰り返され、甲板には強風でとても出られず、食事中の方はご免なさい、三等船室の僕の胃の中は空っぽになるぐらい嘔吐しました。まんじりとも出来ず、一夜が明けてホバート港に到着した時は、九死に一生を得た観がありましたねえ。

ここで少しだけ歴史のお勉強と参りましょうか。オーストラリアは元々流刑地でありまして、本国イギリスで犯罪を犯した人達が送られたんですね。タスマニア島やニュージーランドは、オーストラリアでまたもや犯罪を犯した人が送られた訳なんです。まあそれはイギリスさんの好きにすれば良いのですが、大問題がありまして、オーストラリアもタスマニアもニュージーランドも、先住民が既に居たんですよ。その先住民達はアボリジニと呼ばれていまして、素朴ながらも目を見張る程の出来栄えの壁画を描き、世界最古の管楽器を造り音楽を楽しみ、優秀な狩猟民族であり、自然を崇拝し、何万年もの長きに渡り平和に暮らして来たんですね。全くアングロサクソンの連中は、世界中で悪行三昧で心底嫌になりますが、1788年にイギリスがこの地を植民地化しまして、その時点では100万人いたとされるアボリジニ人達は、虐殺と疫病で7万人まで減少してしまったんです。「アボリジニを自由に殺害する権利」なる法律まであったと言うんですから、僕、やっぱりキリスト教は苦手ですね。僕、彼らアボリジニの聖地と呼ばれた、オーストラリア中心部に位置する、巨大な一枚岩のエアーズ・ロックまで、バスで2泊3日かけて行った事があります。その長い道中で、広大な赤土の砂漠の中、原色の衣装に身を包み、頭に大きな荷物を積んだ、アボリジニの女性が何処まで行くのか、トボトボと歩いているのを見た時は、流石に憤りを覚えました。

閑話休題、タスマニアの魅力は、まずは大自然でしょう。世界一空気と水が美味しい、というのがキャッチ・フレーズでして、確かにそれは感じました。空気を吸うと肺が喜び、水を飲めば喉が鳴る、将にそんな感じなんですね。この島、元々は南極の一部だったそうでして、氷河に削られた山々があり、氷河湖があり、太古の森と呼ばれる、レイン・フォレストでは2億年前から残っていると言われる針葉樹林は壮観でした。そして、比較的新しい森である、コアラの大好物、ユーカリの木の森があり、そして最も驚いたのは、ボタングラスの大湿原でして、この植物からは、ワインやお茶に含まれるタンニンが大量に含まれており、湖の水が黒く染まっているんですよ。急峻な氷河、2億年前の針葉樹林、巨大なユーカリの森、そして漆黒の巨大湖、平凡な言葉で申し訳ありませんが、将に大自然の驚異でした。

そして、野性動物が多すぎるんです。カンガルーやワラビー(小さなカンガルー)なんて群れごと近くで見られます。只、彼等は全くの無表情でして、僕が公園でスナック菓子の包みを開けましたら、その微かな音を聞きつけて、森の奥から何十頭と跳ねて来るんですもん、あれは恐怖でしたねえ。結局、僕のポテト・チップスは全て食べられましたが…。道路の脇には野性動物の死骸だらけですし、のそのそ動くウオンバットが足元まで人懐っこく来たりして、貴重な体験ではありました。

文豪ヘミングウェイの「海流の中の島々」ではありませんが、かなり複雑な潮流がタスマニアの廻りを取り巻いているらしく、海鮮料理の旨さは筆舌に尽くし難いですね。カニやオマール海老を始めとする多くの甲殻類、ありとあらゆる魚達、岸壁に向えば牡蠣を始めとして貝類は大量にいますし、何故か雲丹が美味しくありませんでしたが、果物も野菜も新鮮、羊も臭みが無く、食べ物に関しては言う事無しです。

意外と知られていないのがタスマニアワインです。オーストラリア本島では、紙パック入りのワインが売られている程、ワイナリーが多く、安価で美味しいので僕も散々堪能したんですね。タスマニアは本島以上に、緯度・降水量・気温・土壌・植生全てが葡萄栽培に適しているとか。丘や池があらゆる所に位置し、爽やかな風で畑に湿気がこもりにくく、世界一の水と空気があり、理論上はヨーロッパ以上のワインが出来るそうです。僕、半信半疑のまま、手長海老の折にはシャルドネ、羊を食べる際にはピノノワールを試してみましたが、驚愕する美味しさでした。何より貧乏旅行でしたから、その破格の安さにも感謝感激雨あられ、でしたねえ。

余りにも知られていない絶海の孤島、タスマニアの情報、皆様如何でしたでしょうか?それでは皆さん、楽しい週末をお過ごし下さい!
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