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CRYSTAL BALL

春霞 たなびく山の 桜花 見れどもあかぬ 君にもあるかな、山桜 霞の間より ほのかにも 見てし人こそ 恋しかりけれ、ここ大分の地では桜が爛漫と咲き誇り、自転車で通勤していても、思わず足を止めて見入ってしまいます。院内の敷地にも僅かながら桜がありまして、入院患者様と当院職員が丹精を込めて手入れをしていますから、今年も鮮やかに美々しく咲いています。さて、冒頭の和歌は、前者が、春霞がたなびく山の桜花の様に、幾ら見ても飽きない貴方、後者は、山桜が霞から僅かに覗いた時の様に、ほのかに見た貴方が忘れられない、という解釈で良いかと思いますが、浅学菲才な僕ですから、もしかすると間違っているかもしれませんが、その折はご勘弁を。さて、この和歌は何れも古今和歌集からなんです。古の都、京都で繰り広げられる平安王朝絵巻、貴族の皆さん、恋歌ばかりなんですが、何時の時代も人間の営みはちっとも変わらない訳でして、この和歌集が千年の時を超えて、日本人に親しまれているのも分かる気がしますね。

桜の季節になりますと、来る人去る人、慌ただしく生き交い、別れと出会いの時期ですが、僕、過去を引きずらないタイプですから、やはり春は学生さんの入学式のイメージが強いですね。という訳で、今日の本ブログは大学時代の友人のお話を。

本ブログにしばしばご登場願う、親友のMさん、実は同じ大学を卒業していまして、その頃からの友達なんです。もっとも、僕は社会人を経験して入学していますから、年上の下級生、という事になります。Mさんが3年生の時に僕は新入生、ところが、Mさんが4年生に進級した頃、僕は3年生となりました。Mさん、恋に?アルバイトに忙しく、少々学業が疎かになりまして、人より長く学生生活を謳歌した訳なんです。そのMさんの親友に、T・Mさん(以下Tさんと書きます)という方がいらっしゃって、僕とは囲碁将棋部の先輩後輩の仲となり、忽ち仲良くなり、何時も皆でつるんでおりました。夜を徹しての麻雀、飲み会、授業の代返、小旅行、お互いの家を行き来し、親しい間柄となったんです。

さて、このTさん、Mさんも僕もそうですが、非常に個性的な方でして、エピソードは満載、少々ご紹介しますと、まずはお茶事件でしょうか。大学キャンパス内の飲み物の自販機の前で、Tさんがお茶を飲んでいたんですね。「いや~、この、たまのつゆ、美味しかですよ。飲まんですか。」と、久留米弁丸出しで話しかけられたんです。ん、たまのつゆ、って何?僕、恐らく不審げな顔をしていたと思うんです。そしたら、Tさん、間髪入れず、「ああ、たまがすみ」ですって。そりゃあ玉露だろ、とMさんの鋭いツッコミが入り一同大爆笑でした。先の和歌の霞に較べると、随分品が下がりますね。続いて、Tさん、まるで山男の様にワイルドで開けっ広げなんですよ。常に髭がボウボウなんですが、ある仏事の際に、「その髭じゃ拙いんじゃないの」と言われると、ご自身でも気付いたのでしょう、いきなり車を止めてコンビニで剃刀を購入、何も付けずにそのまま剃っちゃったのには驚きました。勿論、顔中血だらけとなり、おまけに、もみあげ部分には見事に大きな菱形の剃り残しがあり、これまた一同大爆笑でした。そして、Tさんの自宅にお邪魔して夕食をご馳走になり、麻雀をしていた時、夜が更けて一服していましたら、何時も居る筈の飼い犬がいないんですね。「あれ、Tさん、犬は?」「逃げたとですよ。」「エッ、可愛がってたのに、何で?」と問いますと、「餌が気に入らんかったですかね。」と答えますので、思わず犬の食器を見ますと、豚骨ラーメンがそのまま入っておりまして、そのワンちゃん、それには全く口を付けず、隙を突いて一目散に逃走、そのまま行方不明だとか。留年が決まった途端、何故か車で東北の恐山にドライブしたり、卒業後は私立探偵になろうとしたり、折角就職が決まっていたのに入社式に出ず中国に長期滞在したり、当時金欠だった僕の家に来た際に、炊飯器に残っていた、なけなしのご飯を全て食べちゃったり、後輩のアパートに深夜侵入し、高校の卒業アルバムを黒く塗り潰したり(これは僕が主犯です、すいません…)、何故かミネストローネ・スープと鳥の混ぜご飯ばかり好んだり、洗車すると必ずフロントガラスに鳥が糞をしたり、車の後部座席はゴミ捨て場で、カーステレオが無いものですからラジカセを積んでいるのですが、カセット・テープが太陽光でやられて全部伸び伸びとなり、音楽がお経の様だったり、Tさんの結婚式ではMさんが泥酔し全裸となり、何故か僕は玩具の機関銃を乱射したりと、楽しい思い出ばかりです。

現在のTさんは、家業である鋳物(銅合金やアルミニウム合金や機器製造)工場に勤め、二児の父であり、若きリーダーとして熱心に働いています。やんちゃだったTさんの若い頃を思い出し、現在の立派な勤務ぶりを聞く度に、僕、少々年上ですから、目を細める思いがしますねえ。

Tさんは確かにやんちゃな一面がありましたが、要所要所の礼儀は正しいですし、筋を通し、真っ直ぐで純粋かつ綺麗な心根は、彼に接した事がある人間ならば、直ぐに分かる筈です。まるで透き通った水晶の様な人柄と言いますか、磨かれる前の原石、という表現が近いかな!?ともあれ、彼の様な実直な男が、友人を大事にし、家族を養い、部下に気を配り、黙々と工場長を務め、日本の原点である、ものづくりの現場を支えているかと思うと、非常に心強いですし、この国はまだまだ大丈夫、と何だか安心します。

でも、Tさん、昔からの癖だけれど、いきなり来るのだけは直してくれると大変ありがたいんですが…。長い付き合いですが、僕から注文を付けるとすればその一点だけです。Tさん、これからも末長く宜しくお願いします!あ、そうだ、最近顔を見てないので、是非大分にも寄って下さいよ、でも電話は忘れずにね!

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