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RISO AMARO

ときに皆さんは朝は何を召し上がるんでしょうか?コンチネンタル・スタイルでエスプレッソにクロワッサンだ、いやいや、アメリカン・スタイルでせめてサニー・サイド・アップは欲しいなあ、あたくしは正統派のブリティッシュでして、ブラック・プディングは必須なんですの、俺は喫茶店のモーニングで充分だ、私は台湾の焼餅も捨て難い、あたしはホテル・オークラの朝粥で充分、議論百出、皆様夫々お気に入りの朝ご飯があるかと思うんですが、僕、やっぱり保守的なんでしょうか、純和風が一番です。程良く焼けた鯵の開き、納豆、温泉卵、焼き海苔、ほうれん草のおひたし、糠漬け、赤出の味噌汁に山椒をふって、では頂きます、という訳で、色々な国を旅しましたが、やはりこれが一番ですね。何でこんな話になったかと言いますと、最近、僕の使っている炊飯器が随分おかしくなって来まして、電子音で焚き上がった事を知らせてくれる筈なんですが、無音のまま、何時の間にやら蒸らしに入っていたりして、いよいよ寿命なんですよね。パナソニックがスマートフォンで設定出来る新型炊飯器を売り出す、なんて記事が出てたりしますと、気付くと食い入る様に読んでたりして、真剣に検討しています。という訳で、今日はお米にまつわるお話と参りましょう。

僕、世界五大陸のうち未踏の地はアフリカと南極だけでして、最も長く住んだのはオーストラリア、20代の初めでした。当初は語学学校に通っていまして、そこでのお昼はビュッフェ・スタイル、生パスタのクリーム・ソースあえですとか、ミニッツ・ステーキや羊のグリルにパン、焼きトマトにポーチド・エッグ等々、美味しく食べていたんですが、2カ月ぐらい経った頃、もう飽き飽きしまして、それらを見るのもおぞましい感覚になりました。全身が米を欲していると言いますか、中華街か韓国人街、ベトナム人街やイタリアンに行けば、外米やリゾットが食べられるのですが、僕が食べたいのは、ふっくら焚けた日本の白米だったんです。早朝の市電に乗り込みまして、目指すは市内最大の市場、ヴィクトリア・マーケットです。移民の街であるメルボルンには世界中の食材が集まるのですが、途方も無く大きなこの市場、食糧品生鮮品何でも揃うんですね。当時は日本米の評価も低く、何処に置いてあるのか皆目分からないんですよ。拙い英語と身振り手振りで漸く見つけ、部屋に戻って、さて炊飯器が無いのに気付いたのですが、パスタ用の鍋で何とか上手に焚きまして、胡麻塩と、即席味噌汁と、鮭缶に醤油をかけたものをおかずに、我ながら呆れる程食べたんですが、数カ月振りの白米は天にも昇る旨さでした。

1週間程度の海外旅行ならば、美味しいフレンチやイタリアン、地方毎の郷土料理で充分行けるでしょうが、数カ月間お米は全く要らない、と言える日本人は相当少ないのではないでしょうか。恐らく、僕達のDNAレベルに刷り込まれていると感じますが、我が国は、古事記に書かれた様に、豊葦原瑞穂の国、でありまして、縄文時代から稲作を行っていた訳です。葦が繁る、という事は低湿地帯だったでしょうし、その平原に豊かな稲穂が実っている、というのが数千年の長きに渡る日本の原風景と言えるでしょうし、瑞穂とは日本の豊かさや美しさを象徴する言葉でもあります。

天皇陛下は毎年稲穂を植えられますし、多くの神事や宮中祭祀を行われているのを皆さんご存じでしょうか。慰霊は勿論の事、我が国の弥栄をお祈りになり、そして五穀豊穣を寿ぐのが、毎年11月23日の勤労感謝の日に行われる新嘗祭です。戦後にGHQが勤労感謝の日、という新たな名称を付けたものですから、意味不明瞭な祝日になってしまいましたが、飛鳥時代から連綿と続く神事の名称を敝履の如く投げ捨てる、というのは、僕、到底看過出来ませんね。この間完成したスカイツリーについても同様です。もよりの駅名を、とうきょうスカイツリー駅に変更したんですね。平安時代の歌仙、在原業平の歌、名にしおはば いざ言問わむ都鳥 我がおもふ人はありやなしやと、がこの近辺を詠んだ事から業平駅、という詩情豊かで優雅な駅名が付いている訳です。それをまあ品の無い名前によく変えましたよ。以前話題になった、市町村合併時の平仮名や片仮名交じりの名称も、僕、全くお粗末で、見ちゃいられませんでした。日本人は、もっと古来からのものを大事にすべきじゃないでしょうか。最近跳梁跋扈している外資系ホテルにしても同様でして、まあ、こんなものは時代の過渡期に咲いた徒花ですから、近い将来に消えて無くなるでしょうが、それにしても癪に障ります。

閑話休題、米、という漢字は八十八から出来ている事から分かる様に、農家の方々の大変な手間暇を掛けて出来上がるものです。塩水を使って種を選び、発芽させ、田を耕し、土を育て、田植えをし、水を管理し、雑草を抜き、病気や害虫から稲を守り、稲刈りをし、乾燥、脱穀、選別、精米、と何カ月も掛けて、美味しいご飯を僕達はやっと食べられる訳ですね。あだやおろそかに食べられるものではありません。何の罪も無い福島の農家に対し、その耕し続けた先祖代々の土地を台無しにした政府や東電、それは万死に値する大罪ですし、己の所業をよくよく考えて欲しいと切に願っています。僕、またまた怒ってしまいましたが、日本中に3万は下らないと言われる稲荷神社、総本社は京都の伏見稲荷大社ですが、この稲荷大神は、言葉の通り、稲を祀った穀物の神ですし、米粒には大黒様を中心に、7つの神が宿ると言いますからね、どうかこの連綿と続く歴史を大事にして欲しいと思います。

さて、ここまで書いて、怒りの感情も爆発して少々疲れました。今日の病院給食のご飯、お米を食べるのが楽しみです。
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