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年々歳々

年々歳々 花相似 歳々年々 人不同、毎年毎年花は変わらずに咲くが、人は変わりゆくものだ、という無常感を唄ったもの、唐の時代の劉希夷、河南の詩人の漢詩です。本当に月日が流れ行くのは早いものでして、あの震災から1年が経ちました。あの悲惨な光景を、僕は確か仕事中の出先で見ましたが、生涯忘れる事は無いでしょう。この震災の犠牲者のご冥福を、衷心よりお祈り致します。そして、この国が本当の意味で復興する事を切に願っています。自衛隊ばかりに汚れ仕事をさせて、霞が関でふんぞり返っていやがる連中がいるんだから堪りません。

昨日の毎日新聞によりますと、避難生活を送られている方は34万3935人、仮設住宅に住んでいる方は11万6787人との由、昨日のテレビは色々と放送していましたが、こういう物事の本質に迫る番組は殆どありませんでしたね。僕、これ程自分の無力さを感じた事はありませんし、真実を決して報道しないマスコミ、そして菅から野田へと続く無能政権への怒りが中々収まらなかったです。党内抗争ばかりにうつつを抜かし、小沢派を追い出す事ばかりに腐心し、またそれを持て囃すマスコミ連中…。アンタらねえ、小沢叩きとか消費税増税、TPPの前にやる事なんて幾らでもあるでしょ!!とっとと被災地の皆さんを救って、仕事とお金と住居と安心と健康と正確な情報を与えないでどうするの!?もう1年も経ったのに、30万人以上も被災者がいるなんて、こんな無責任な政治がありますか。そして、世界中の方々から多くの義援金を頂いた(台湾だけでも200億を超えているんですよ!)のに、それをちゃんと使えているのか、本当に疑問ばかりです。

僕、病院で義援金を募り寄付をし、それ以上に何か出来る事は無いか、必死に考えまして、病院の空いたスペースがありますから、そこの部分を開放し、被災地の子供達の里親となろうかと思ったんです。それが出来るか否か、或る処に問い合わせをしましたら、返って来た返事は「先方からその様な申し出があれば伝えます」ですって。あのねえ、被災地の人達に、僕の提案をアナウンスメントするのがテメエの仕事だろ、と怒鳴り付けたかったんですが、何とか堪えまして、交渉を続けたのですが、暖簾に腕押し、梨の礫でした…。

折角の週明け、気持ち良く今週を迎える為にも、もう怒りの矛を収めましょう。さて、昨夕は親友のMさんの所にお邪魔して一献傾けたんですが、僕がお借りしていた、ももいろクローバーZのDVDの行方が分からなくなり、てんやわんやの騒動でした。カラスカァと鳴いて一夜が明ければ、何の事は無い、僕の部屋から見つかったので一件落着、胸を撫で下ろしましたねえ。それはともかく、僕の部屋は狭く書庫もありませんから、Mさんのご好意で、本を置かせて貰っているんですね。久方振りに本棚を見ていましたら、僕の敬愛する作家、阿川弘之先生の全集が眼に付きました。という訳で長い前振りになりましたが、今日は阿川先生のお話を。

阿川先生はお年はもう91歳、大正生まれの気骨ある老作家でして、テレビや対談で大活躍中の阿川佐和子さんのお父さん、とご紹介した方が分かり易いかもしれません。満州で多くの事業を手広く手掛けていた、裕福な家の子として生まれ、東京帝大を卒業後、大日本帝国海軍に入隊、大尉に昇進した後、敗戦を迎え、帰国後は小説の神様、志賀直哉に師事して作家の道を歩む事となります。その阿川先生のデビュー作「年々歳々」を読んでから、僕、すっかりファンとなりました。祖国日本が戦に大敗し、郷里の広島には原爆まで落とされます。主人公はその広島に何とか復員、あらゆる物資不足に苦しむ中、粗末ながらも心尽くしのお弁当を拵え、満開の桜の下、奇跡的に再会出来た両親との出会いを感謝し、日本の再興を暗示して終わる、という内容でして、今こそこの古い小説を全国民が読むべきですし、元気が出る事間違い無しの名短編と思います。

阿川先生の魅力、まずはその文章力の高さでしょう。言葉遣いの美しさ、心地良いリズム、豊富な語彙、格調の高さ、いずれも現代の作家には無い魅力でして、日本語に堪能出来る事は間違いありません。そして、日本人が顧みようとしない、近現代史を題材に取った、海軍を舞台とした一連の作品群--「軍艦長門の生涯」「暗い波濤」「雲の墓標」「春の城」--は勿論見事なものですし、丹念な取材に裏付けられた人物評伝--「山本五十六」「米内光政」「井上成美」--は定評がある所、特に「山本五十六」は黒澤明も絶賛した程で、大ベストセラーとなりました。それだけではありません。その卓越した文章力の魅力が、全面に出ているのは多くの随筆集ですし、世界中の汽車旅や船旅を材に取った紀行文は、先達の内田百閒とは味わいは異なるものの抱腹絶倒の面白さ、希代の食いしん坊ですから食味随筆は唾が垂れそうになりますし、私小説も上質のユーモア小説も翻訳も手掛け、読売文学賞を2回、日本文学大賞、日本芸術院賞、毎日出版文化賞、文化勲章に菊池寛賞と、様々な賞を総なめしているんです。あの~、日本の作家って、1つのジャンルを書き続けて、その分野は得意なんですが、少し違う事を書くと、知識の広がりや人生経験が足りず、途端に詰まらなくなる人が圧倒的に多いんですね。その点、阿川先生は欧米型の真の大人の作家と言えましょう。

阿川先生は、「瞬間湯沸かし器」との渾名がある程の短気として有名ですが、優しい人柄を顕した一冊の絵本があります。「きかんしゃやえもん」、書かれて50年以上経つと言うのに、今だに新刊が購入出来、アニメ化もされ教科書にも掲載されたという超ロングセラーですね。余りに有名な一冊ですからその内容は割愛しますが、絵本で知られてはいても、著者の本業である小説の分野において、多彩な活動を続けて来た事を知る人が余りに少ないのが、僕、残念でなりません。

最後に、阿川先生の「山本五十六」の中の、印象的な台詞を。山本五十六大将がイギリス在留中に、関東大震災が起こりました。動揺を隠せない現地邦人に向い、大将はこう言われたそうです。「何も心配する事は無いよ。日本人は偉大な民族であり、前より立派に復興する。今のうちに株式でも買っておくんだね。」平成の日本人も、山本五十六大将に気概を見習い、復興を成し遂げたいものです。それでは皆さん、今週も本ブログを宜しくお願い致します!!
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