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わたしは真悟

今朝は結構雨が降りまして、犬の散歩に往生しました。愛犬は人間様の都合なんてちっとも考えやしませんから、水溜りを通らされたり、車道から水飛沫が飛んで来たり…。それでも毎日少しでも歩くのは健康に良いもの、眠い眼をこすりこすり、日々頑張っています。

今日のBGMは、久し振りにクロマニヨンズでして、「雷雨決行」という昨年末に出た新曲、親友のMさんに教えて貰ったんですが、誠に結構であります!サビの部分は、♪合言葉は雷雨決行 嵐に船を出す 引き返す訳には行かないぜ 夢が俺達を見張ってる♪、いや~とても元気が出ますし、ヒロトは48歳、ギターのマーシーは何ともう50歳、論語で謂う知命の年とはとても思えない驚異的な若さとカッコ良さですもんね~。僕も見習わないといけません。そうだ、ハイロウズも聴かないと、と思いまして、ターンテーブルにCDをセットしましたら、今度は、14歳という曲が流れて来ました。♪あの日の僕の レコードプレイヤーは 少しだけいばってこう言ったんだ いつでもどんな時でも スイッチを入れろよ その時はお前 14歳にしてやるぜ♪、少年達のロック・ミュージックへの憧憬を唄った名曲です。それで思い出したのが、「14歳」という名作漫画でして、本日はその作者であります、楳図かずお先生のお話を。

所謂、恐怖を扱ったもの、ホラー漫画の草分けとして有名な楳図先生なんですが、あれだけのビッグ・ネームなんですもん、それだけの筈がありません。老人が少年に若返り学校に入り直す「アゲイン」、家族の珍騒動を描いた「まことちゃん」、この両作品はコメディですし、学校ごと未来の荒廃した世界へタイム・スリップする、楳図SFの金字塔は「漂流教室」、先生の世界観の集大成である「14歳」。鮮烈で美しい愛の物語であり、現在のソーシャルネットワーク社会を予見したかの様な「わたしは真悟」。そして得意技のホラーでは、ただひたすらに怖い「へび少女」「おろち」「神の左手悪魔の右手」。絶世の美貌を誇る大女優が、容姿が衰える事に絶望し、己の娘と自分の脳を入れ替える、という「洗礼」…。何れも傑作揃い、楳図作品に外れ無し、という大漫画家です。これらの作品をほぼリアルタイムで読んでいた僕としては、右腕を酷使し過ぎて重度の腱鞘炎を患い、ペンを持てなくなった楳図先生が気の毒でなりません。

僕、日本漫画界、いや世界的にも稀有な世界観とオリジナリティと先見性を持つ、楳図先生の秘密は何だろうか、以前考えた事があるんですよ。高校2年生で漫画家としてプロ・デビュー、歌手として多くのレコードを吹き込み、バンドを率いてライブ活動をし、作詞家として沢山の曲を書き、役者として映画にドラマにCM出演、バラエティ番組でも人々を笑わせ、英伊仏独西日の6カ国語に堪能、真の天才なんです。これだけの経歴ですから、全力疾走しながら知識を吸収した所も勿論あるでしょうが、僕、楳図先生の創作力の原点は、生まれ故郷と育った環境にあると確信しています。これではまるで僕が私立探偵みたいなアプローチですね…。

さて、楳図先生の出生地は、和歌山県は高野町なんです。弘法大師(空海)が、816年に嵯峨天皇から、真言密教の道場を開いて宜しい、と認可を受け土地を賜ったのが、1200年の歴史を誇り世界遺産でもある、聖地高野山であります。読者の皆様が既にご承知の通り、高野山は高野町に属しますから、そこで生まれた楳図少年は、様々な鎮魂の儀を始めとする宗教儀式、四季折々そして日々刻々と変化する霊山の姿、夏は30℃を超え冬は-13℃を記録する厳しい自然、その中に咲く華麗な高山植物群、そして、世界中から来る多くの観光客を見た事でしょう。父君は学校教師の傍ら、民話や伝奇を好み、楳図少年に日毎夜毎に聴かせていたと言いますから、知的好奇心を刺激されたに違いありません。学校教師から民俗学の泰斗となったと言えば、日本中を歩き回った、故宮本常一先生が有名ですよね。閑話休題、父君は職業柄転勤が多く、奈良県と和歌山県を何度も行き来していた由、楳図少年は、そこでも、神社仏閣ばかりの古都の空気に触れた筈です。そして、和歌山のもう1つの世界遺産に熊野古道があります。5つのルートを持つ参拝道ですが、最も長いものは全長170㌔の伊勢神宮への道でして、陰鬱で鬱蒼とした石畳の山道を延々と歩くんですね。恐らく楳図少年は体感した事でしょうが、梢が鳴る音、落ち葉の音、鳥のさえずり、野性動物の足跡、木漏れ日、滝の音、朝焼けに逢魔が時、きっと五感を強く刺激した事でしょう。

楳図先生の世界観は、幼少期の奈良と和歌山で培われたもの、という僕の仮説、如何でしょうか?そして和歌山を代表する偉大な文化人と言えば、7つの海を股に駆けて飛び回った、破天荒な粘菌学者であり、植物・宗教・天文・博物、そして民俗学を極め19カ国語を操る明治時代の超人、南方熊楠がまず挙げられるでしょうし、故郷紀州の地を幾度と無く執拗に取り上げながら、世界的に見ても普遍的な題材の傑作を数多く執筆し、ノーベル文学賞の噂までありながら惜しくも夭折した作家、中上健次もそうですね。

楳図先生を始めとして彼等に共通するもの、それは密教の曼荼羅の様な気がしてなりません。曼荼羅(マンダラ)とは古代サンクスリット語でありまして、仏の悟りや宇宙の真理を絵にして表したものなんですね。和歌山県、古語では紀伊の国、古い歴史を持ちながら尖鋭的な気質を持つという、誠に興味深い風土と僕は思いますが、楳図先生の象徴的な言葉を最後に。

面白いものを造りたければ、人間の本能を突けばいい。

馬鹿にしているものが、一番馬鹿に出来ない。

恋愛は他の人がやればいい。自分はただ漫画が書ければいい。

どれも哲学的な匂いがしますが、特に最初の言葉なんて、先に挙げた曼荼羅の雰囲気がありませんか?実は僕、出張が入りそうでして、今週の本ブログの更新は、なるべく続ける積もりですけれど、不定期になるかもしれませんが、ご了承下さい。その折は梅図先生の漫画を持って行きまして、長距離移動の無聊を慰める積もりです。
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No title

前回も指摘したような気がしますが、「楳図かずお」さんは「梅図」ではなく「楳図」ですよ^^
ファンに怒られちゃいますよ(笑)

あと、アドバイスですが、文字の色を変えたり、テーマで分けたりするともう少し読みやすくなるような気がします。
ちょっと文字数が多くて読むのに根気がいります。
余計なお世話でしたらごめんなさい。

No title

トトロさん、こんにちわ。

ご指摘ありがとうございます、誤字は大変失礼致しました、恐縮です…。

文字の色、テーマ別については検討してみますね(^^)。

文字数は、う~ん、これも考えます。
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