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BRASSED  OFF!

週末から読み進めている書がありまして、「北の無人駅から」渡辺一史著 並木博夫写真 北海道出版社、なんですが、いや~これは力作ですね。800ページ近い分量、原稿用紙1600枚にも及ぶとの事でして、8年間に渡り北海道全域を丹念に執拗に取材し、漁業や自然保護や農業、観光に公共交通機関に地方自治と、地域の抱える多くの課題について、問題提起を投げかける、といったものであります。そして、過疎化や少子化、商店街はシャッターを降ろしたまま、という衰退する一方の地域経済は北海道のみならず日本全国共通の問題です。この閉塞感を何とかしてくれ、どうにかして欲しい、と願うのは人情ですよね。でも、人間の多種多様な生業、集合離散と利潤の追求、地域毎の因習や習わし、街の発展のいきさつや変遷を踏まえて、様々な角度から物事を勘案すると、明確な回答なぞすんなり得られる筈も無く、この本は薔薇色の予想図、或いは陰惨たる鉛色の未来といった、安直な結論を決して語っていません。さりげなく事実を提示し、淡々と現場の声を紹介するだけです。実現可能かどうか分からない願望を口にする、これ、リーダーや心ある人が決して言ってはならない事でして、著者の誠実で真摯な姿勢が胸を打ちます。僕、最近はすっかりフィクションを読まなくなったんですが、こんな骨太のルポルタージュを手に取りますと、将に事実は小説より奇なり、余程面白く感じます。

昨日の産経新聞に、タイムリーな記事が出ていました。「街は高齢者仕様に 『未来の縮図』長野・小海町を歩く」と題する記事でした。「北八ヶ岳と奥秩父山塊の間に広がる長野県小海町。白菜やレタスなど高原野菜の産地として知られるこの町は、約5200人の人口の5人に2人が65歳以上の高齢者、1年間に生まれる子供は20~30人という『50年後の日本の人口構成に近い町』だ。日本の将来像と言われる町を、一足先に歩いた。」との事でして、要約しますと、町の財政には全く余力が無く商店街には閑古鳥が鳴き、勤労世代は減る一方で農業は衰退するばかり、高齢者の生活を守る事で精一杯…、という厳しい現実がありました。

拙ブログでは、再三、日本再生について触れて来た積もりです。徹底した地方分権、公務員大幅馘首、地域毎の特色を生かした街造り、官僚を主とする利権構造の打破。勿論、それらの施策は当然の事、自明の理ですが、今日は歴史的な考察を踏まえて、もう少し突っ込んだ日本再生の道について綴ってみます。

まずは、産業人口構造をドラスティックに変える必要があります。日本の就業人口の6割は建設業でありまして、これが元凶と思うんですよ。と言いますのは、もうこの狭い国土に、高層ビルや道路や新幹線って、無用の長物と思うんですよね。人口そのものが減るのに、沢山道を作っても、使う人がいなくなるんですから。ですから、建設関係はリフォームや改装業者のみを残して、医療産業や自衛官にシフトします。医療現場は人手が足らず、常に困っていますから、若く体力のある人材は何処の病院でも大歓迎ですね。1年間研修期間を作れば、看護助手として即戦力です。国も無駄な道路建築費がゼロになりますから大助かり、これから益々需要の増える医療業界も万々歳です。自衛官も常に不足していますから、そちらでもきっと喜ばれる事でしょう。

そして、この世界に冠たる経済大国だった日本は、あらゆる面で斜陽の一途を辿っています。ここで僕達は世界の近代史に眼を向け、範を取る必要があると思うんですね。かって7つの海を支配し、世界中に植民地を持つ事で、日の沈む事は無いと称された、小さな小さな島国、そう、大英帝国、イギリスの姿です。

第二次大戦が勃発し、日本は欧州諸国の持つ植民地、東南アジア全域で快勝します。虐げられていた植民地各国は世界中で蜂起し、独立を成し遂げ、今までの支配者であったイギリスは全ての権益を喪う事となりました。小さな島国のイギリスの経済基盤は、世界中の国々を植民地にする事で成り立っていた訳ですから、半世紀近くの間、衰退するばかりでした。社会保障制度は充実(労働党が政権を取っていましたから、「ゆりかごから墓場まで」という言葉が全てを顕していますよね)、組合の発言権は強まり、殆どの基幹産業は国有化され、国民は重税を課せられました。国際競争力は低く、勤労意欲も無く、国家財政は悪化を辿るという、これが当時「英国病」と揶揄された、イギリスが50年間抱えていた宿痾でした。

以前の本ブログでもご紹介した様に、ここで、鉄の女、サッチャー首相が登場、国営企業民営化、組合の発言力を弱め、減税に規制緩和を行い、イギリス再生の緒をつかみます。紆余曲折があったものの、2001年、ブレア氏は首相に就任、イギリスは、再生という大輪の花を咲かせました。クール・ブリタニア、と呼ばれたそのムーブメントは、音楽やファッションに出版、デザインに建築にアート、に対し国策として巨額の予算を割き、観光客は激増、伝統とモダンが融合したロンドン、というイメージが定着したのです。

日本でも、それを真似して、「クール・ジャパン」なんて動きがある様です。まあ、アニメーションや漫画にゲームなどは世界一の水準にありますから、分からんではありませんが、イギリスが成功したのは、サッチャーのドラスティックな公務員大削減、という確固たる基盤があったからです。それをせずして形だけ真似をしても、失敗する事は必定でありまして、大分トリニータというサッカー・チームに莫大な赤字を残して解任された、元天下り官僚を観光庁長官に抜擢する国ですからね、そこの意識から変えていかないといけませんね。いずれにせよ、日本がイギリスの植民地を全て開放させた訳でして、謂わば敗者の国から学ぶのは癪に障りますが、良い事はどんどん取り入れるべきです。とりあえず、オリンピックの誘致は即刻止めましょう。土建屋と官僚と政治家の利権が増えて喜ぶのは彼等だけです。何度も言いますが、本ブログの提言を幾らでも有効利用して貰って構いませんので、首相が代わりましたら、是非宜しくお願いします!
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