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THE UNDEFEATED.

おはようございます。いや~、それにしても朝晩は寒くなりましたね~。布団から出るのに尋常じゃない決意がいるのが辛い所でして、僕、こういう時何時も、故桂枝雀師匠の名言を思い出して、独り笑ってしまいます。「私、趣味と言える様な事はおまへんが、温い布団の中で、何もせんと、うつら~うつら~とするのが好きですねん。」冬の時期、毎朝それが出来ればどれだけ嬉しい事か…(苦笑)。布団に入ったまま出社したいですよね。

僕、昨日は久し振りの休日でして、風の強い1日、随分冷えた様に思いましたが、何処にも出ず、ぬくぬくと読書とDVD鑑賞三昧でした。寒い時期は暖かくなる小説を読みたいもの、本当にご無沙汰でしたが、昨日はヘミングウェイを久方振りに堪能しました。僕、「海流の中の島々」「エデンの園」といった後期の長編を最も好みますが、手元に見つからず、短編集を拾い読みしたんですね。ニック・アダムス物語という少年の成長を描いたもの、「われらの時代」「男だけの世界」「勝者に報酬はない」、どの短編集も素晴らしく、日曜の午後の穏やかな昼下がり、ヘミングウェイが愛したショート・カクテルでありますラム・ベースのフローズン・ダイキリなんぞを飲みたかったのですが、焼酎の二階堂で我慢しました。その短編集の一編に「拳闘家」なる小説がありまして、それを読了するや否や、僕、ボクシングを観たくなり居ても立って居られず、クリント・イーストウッド監督作「ミリオンダラー・ベイビー」を鑑賞したんです。

この作品、未見の方の為に筋は書きませんが、キャスティング・脚本・撮影・音楽、非の打ちどころの無い大傑作でして、天下の名優であるモーガン・フリーマンもクリントも、ヒロインであるヒラリー・スワンクに喰われた感があり、これも新鮮な驚きですよ。やっぱりあちらの女優さんは、日本の役者とは根性が違いますね。まあ、詳しくはご覧になられて下さい。作中、ヒロインがボクシングの世界タイトルに挑むのですが、僕、その一連のシークエンスを見ながら、ヘミングウェイの語った「勝者には何もやるな」という有名な言葉と、世界チャンピオンの座に届かなかった魅力的な日本人ボクサー達を思い出したんです。

ミスター・ノックアウトと呼ばれた怪物、ルーベン・オリバレスに挑んだ金沢和良。倒されても倒されても立ち上がり、咆哮しながらチャンピオンに挑んだその姿は今でも眼に焼き付いています。愚直なまでのファイターだった尾崎富士雄は、腰痛と幾たびかの敗戦を乗り越え、マジック・マンと呼ばれたWBA世界ウエルター級チャンピオン、マーロン・スターリングに、敵地アメリカはアトランティック・シティで挑みました。必殺のカウンターを武器に、メキシコが誇る偉大なチャンプ、ルぺ・ピントールと戦った村田英次郎。彼等は皆負けてしまいましたが、ヘミングウェイの言葉を借りれば、「敗れざる者たち」でありまして、己が努力に努力を重ね結果として及ばなかっただけで、敗戦に恥じる必要は全くありません。大事な事は結果では無く過程です。僕、これをボクシングから学びました。最近のボクシング界は、あえて名は出しませんが、ペーパー・チャンピオン(粗製乱造の名前だけのチャンピオン)が増えてしまい、嘆かわしい事です。

さて、先に挙げた日本人ボクサー達はもうレジェンドと言いますか、かなり昔の出来事ですので、平成に入ってからの真のボクサー達、敗れざる者たちであり、僕の心を打った男達を3人紹介しましょう。

まずは、日本と東洋のウエルター級を制した吉野弘幸選手。実家は火事で全焼、父親は借金の連帯保証人となり高校を中退、一家は貧窮のどん底に落ちます。吉野選手は、ラーメン屋さんでアルバイトをしながらプロボクサーとしてデビュー、ところが2連続KO負けし、ジムからはボクシングは向いてないよ、と引退を勧告される有様、それでも持ち前の気さくで明るい性格で、コツコツと努力を重ねます。吉野選手の最大の武器は、ラーメンが何杯も入った重い岡持ちで毎日出前をした事によって鍛えられた左フックなんですね、こりゃあ応援するしかありません(^^)。国内のライバル達をなぎ倒し、時の世界チャンプ、ラディゴ(鞭)との異名を持つアルゼンチンの英雄、ファン・マルチン・コッジ選手に挑戦します。チャンピオンにダメージは与えるのですが、5ラウンドで強烈なパンチを浴びKO負け、驚いたのは、敗戦後の吉野選手の態度でした。通常、敗者は力無くリングを去るのが常ですが、彼は何とマイクを取り「負けてしまいまして申し訳ありません。これからも頑張りますので応援して下さい。」とファンにお礼を言い、チャンピオンに感謝の気持ちを伝え、笑顔でリングを降りたのです。僕、負けた事よりも吉野選手の素晴らしい立ち居振る舞いに感動して涙がでました。吉野選手は世界に挑む機会はその後無く引退、現在はジムを開設し、後進の指導にあたっています。

続いて葛西裕一選手です。甘いマスクを持ちインターハイを制し、スタイリッシュなボクシングをする華のある正統派スターでした。このまま順調に行けば世界を取るだろうと誰しもが思っていたのですが、好事魔多し、当時の彼の階級は、強い選手が目白押しだったんですね。葛西選手の最後の挑戦は横浜アリーナでのものでして、僕、これは生で観戦していましたが、如何に強い相手とは言え、持ち前のスタイリッシュさが全く無かったんですね。どうした葛西、何時もの動きはどうした、と思っていましたら、最終ラウンド、チャンピオンの連打を全て貰いKO負け、試合後は救急車で搬送される程のダメージでした。翌日の新聞を見た所、幸い後遺症等は無く安心したのですが、何と試合当日に40℃の発熱があったとの由、大事な世界戦の日にそんな不運が、と哀しくなりました。引退後の葛西選手は帝拳ジムのトレーナーに転身、苦い経験を見事に生かし、既に2人の世界王者を育て上げたのです。

最後は横田広明選手。彼は17歳でプロデビューした才能ある麒麟児でしたが、4戦目で痛恨の敗戦、その衝撃に耐えられずそのまま引退してしまいます。中卒の学歴ながら美容師の資格を取得しアートネイチャーに就職、刻苦勉励と弛まぬ研鑽が実り池袋店支店長に大抜擢、その後は都内ブロック長と順調に昇進を続けるんですね。ところが、自分にはやり残した事がある、と26歳にしてボクサーにカムバック、多忙な業務の傍ら、32歳にして世界戦のチャンスを掴んだのです。こりゃあ、応援するしかありませんね(^^)。相手は3階級制覇を成し遂げたプエルトリカン、爆発的な右ストレートを持つウィルフレド・バスケスという偉大なチャンピオンでした。下馬評は圧倒的不利ながらも横田選手は大健闘、強烈なダウンを喫するも後半盛り返し、試合会場は沸きに沸きました。痛恨の敗戦の後も現役を続行、46歳でKO勝ちという日本記録を作り引退、現在はジム経営に勤しんでいます。

一度の敗戦にめげず、それを糧としてより成長した男達、いかがでしたでしょうか?よ~し、僕は書いていて元気が出て来ました!今週も頑張りまっせ~!!
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おこちゃま

おこちゃまの私には、ボクシングと言えば、あしたのジョー、はじめの一歩、ロッキーぐらい笑。ミリオンダラーベイビーも熱くなります。ボクシングの実物を観てみたいんですが・・・・なかなかね〜。
ちなみに、本読むの早いんですね。私は無職で、暇なのに一ヶ月に一冊ほど笑。コツとかあるんですか?
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