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プルシアンブルーの肖像

僕、どうにも体調不良でして、ゾクゾクと寒気があり、人形も 腹話術師も 春の風邪、誠に申し訳無いのですけれど、昨日は早退させて貰いました…。帰宅後、ただひたすらに横になりまして、将に病床六尺、苦しい一夜でした。カラスカァと啼いて夜が明けて些か回復しまして、まだ微熱が残ってはいるのですけれど、今日は半期に1度の部門長面接でして、幹部の皆さんの生の声を聞ける、貴重な機会ですからね、必死で頑張ります!

で、熱があるものですから、うつらうつら朦朧としてまして、でもねえ、眠るのにも飽き、かといってTVを見る気力も無く、枕頭の書を眺めていました。でも、とても堅い内容の本なぞ頭に入りませんで、先週買っておいた、岩波文庫の「北斎 富岳三十六景」を読んだんですね。僕、絵画鑑賞は大好きでして、和洋抽象具象、何でも好むんですが、久方振りに観た北斎、矢張り素晴らしいですねえ。僕、何度も観ては居るのですけれど、絵画って平面じゃありませんか。でも、巧みな遠近法で非常に立体的、大胆極まりない構図と相まって、誠に眼福でした。そして、何だか感動したんですが、古の江戸の風景と富士山が描かれているのですけれど、其れが当時の東京かァと、何だか信じられませんもの。例えば、原宿だったり浅草だったり、日本橋に品川、目黒に渋谷の景色が見事なまでに活写されています。でね、吃驚しますのが、200年前の原宿って、水車がある農村地帯ですよ。其れが2世紀後には、竹下通りに雑居ビルが所狭しと立ち並び、世界中から人が集まってるんですもんねえ…。都内の何処からでも、霊峰富士が綺麗に見え、お洒落な青山や渋谷も、新幹線が止まる品川も、渡し船や牛馬が行き来し、勿論スカイツリーなぞありません。

でね、私見ですが、北斎の最大の特徴って、藍色をふんだんに使う事だと思うんです。其れが清涼感を感じさせ、とっても見事なんですが、此の絵具は、プルシアンブルーと呼ばれるものなんですね。ドイツのベルリンで造られた合成顔料でして、オランダ船に乗り、喜望峰とインド洋とマラッカ海峡を超え、香港とマニラを経由、そして長崎の出島に着く訳です。其処から西海道に東海道と運ばれ、北斎の手に届き、世界に冠たる大芸術、「富岳三十六景」が描かれたんですね。日本って、資源が無いですから、何でも輸入して其れを加工し売るしか無いんですが、江戸期のアートの世界でもそうだったんですね~。

さて、北斎には、欧米人からも絵の依頼が殺到してましたから、彼の絵は欧州へと沢山渡り、彼の地の画家達は大きなショックを受け、浮世絵を模倣するんですね。ゴッホを筆頭に、ドガにロートレック、マネにゴーギャン、枚挙に暇がありません。でね、或る巨人も北斎の影響を受けてまして、其れはピカソであります。僕、亡母の形見で、晩年のピカソの絵を持ってますけれど、何だか子供の落書きの様でして、クレヨンで書き殴った、パンクな1枚なんです。其れはさておき、北斎もピカソも、美術史に燦然と輝く大天才なんですが、其のパワフルさがそっくりなんですよね~。だって、共に90を過ぎても生き、幾度も作風を変えながら、死ぬまで描き続けました。北斎は名を変える事30回、生涯の引っ越しは90回でしょ。爺さん、落ち着きなよと謂いたくなりますよね。かたやピカソは、3人の女性に4人の子供を産ませ、ガールフレンドは星の数程居たと謂います。どんだけパワフルな爺さん達かと、此処まで来ると感心するんですが、盤年の北斎は、「猫が描けない」と涙を流して悔しがったそうですし、僕、ピカソの言葉で一番好きなのが、「明日描く絵が一番素晴らしい」ですもんねえ…、いや、凄いです。見習わなくては…。そうそう、僕の大好きな漫画家、ちばてつや先生も、御年80にして、未だに連載を持ち、今春には、宇都宮にある、文星芸術大学の学長に就任されますもんね~。ちば先生、何時までもお元気で、頑張って下さい!!

閑話休題、画家って、得意な色があります。個人的な解釈ですけれど、ターナーなら黄色。藤田嗣治なら何と謂っても乳白色。クリムトは金。ゴーギャンは赤。ルノワールは茶かなァ。シャガールは青やオレンジ。デュフィは華やかな原色。でね、余り人気は無さそうなんですが、北斎に影響を受けた画家の1人に、ルドンと謂う人が居ます。彼は何と謂っても黒かなァ。

僕、ルドンの絵が割と好きでして、彼のパーソナルな変化が、素直に絵に表れている気がするんですよ。恐らく、決して悪い人じゃなかったと、勝手に想像しています。さて、其のルドンは、1840年、フランスのボルドーに生まれました。日本はちょうど、ペリーの黒船が来る頃ですね。さて、幼いルドンは1歳で里子に出され、酷寒の寂しい田舎町で、余り外に出ず、友達もおらず、極めて内向的に育ちます。お父さんの意向で行かされた建築学校も馴染めず中退、折角進んだ大好きな絵の道も、師匠と合わず断念、そして戦争に取られ、激烈な戦場で戦い、悲惨な目に遭うんですね。そして復員し、画家となるんですが、当時のルドンの作品って、黒を基調とした、暗い物ばかりなんですよ…。ルドンの心象風景其のままと申しますか、気球の玉が人の眼だったり、人がサボテンの姿になり鉢に植えられているとか、身体はクモで頭が人間とか、そんなのばっかりなんです。其れは其れで奇想でありまして、凄味はあるのですけれど、ちょっと怖いですよね。ところが、不遇な人生だったルドンも、最愛の女性と結ばれ、お子さんが出来ると、画風が大きく変わるんです。明るく豊かな色使いへと大変身、仏様やビーナスまで描いちゃいまして、僕、展覧会で彼の絵を観て、作風が余りに変わり過ぎたのに、思わず笑いましたもの。

北斎は所謂化政期、江戸の華とも謂える、文化が爛熟した平和な時代の人です。ピカソも、3度の大戦争期を生きましたが、戦には一切コミットしませんでした。そしてルドンも、戦争後には極めて明るい作風となりました。戦争は何も生みませんが、芸術は後世に残るんですよ。やっぱりねえ、古ぼけた言葉ですけれど、LOVE&PEACE、愛と平和が一番ですよね♡よし、書き上げたら流石にお腹が減りました。此れから朝食を済ませまして、今日の部門長面接、愛の心で頑張って来ます♡
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