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ちからびと

昨夕、仕事が終わって一風呂浴びて、僕、暫く前に浴衣を買って重宝しているんですが、其れに着替えて麦酒を開け、TVを付けてニュースを見たら吃驚しましたねえ。りりしさは 四つに組みたる 相撲哉、何と貴乃花親方が引退、部屋を畳んで角界から退くと謂う記者会見をやっていました。うう~ん、確かにねえ、貴乃花親方って、見るからに頑固者の感があり、大変失礼ですけれど、余り空気を読む感じではありません。改革の志は素晴らしいと思いますが、余りに性急だったのかなァ。又、日本相撲協会と謂う大所帯をまとめ上げる政治力と謂うのかな、根回しやネゴシエイションや弁舌も、とても得意には見えませんでした。ご自身の部屋の関取も確か3人しかおらず、親方としても、指導者としてもどうだったのかなァ…。でもね、平成の大横綱である事は間違い無く、絶大な人気を誇った、角界を代表する大スターじゃありませんか。結局、貴乃花親方は、日本相撲協会から事実上の追放でしょ。今回の顛末は、貴乃花親方の身から出た錆かもしれませんが、大功労者の大横綱を遇するに当たり、幾ら何でももう少し、大人な解決があったんじゃないかしらん。

でも僕、今回の件は矢張り、日本相撲協会側に非がある様に思います。角界ではかって、暴力事件から賭博、そして八百長や大麻の疑惑もあった訳で、大改革は待った無しでしょう。だってね、平成の初め、大相撲ブームがありまして、国技館は常に満員御礼でしたけれど、当時の人気関取衆、殆ど角界に残ってませんでしょ。若貴兄弟、曙、朝青龍、日馬富士の5人の横綱。把瑠都、琴光喜、小錦の3人の大関。貴闘力、琴富士の両関脇に小結の旭鷲山。此れら錚々たる面子が、角界とは無縁な訳で、日本相撲協会さん、大損失と思いませんか!?此れだけのスター達が皆、離れて行くと謂うのは、どう考えてもやっぱり、協会側に問題があると思えてなりません。

僕の曽祖父、此の病院の創立者である、故蜷木稔先生は、郷土の英雄である、大横綱双葉山の宇佐における後援会長だったんですよ。亡父も相撲好きでしたから僕、関取衆には好感を持っていたんですが、今回の件で、角界はすっかり嫌になりました…。

今回、新潮社の雑誌、「新潮45」が、レズやゲイの人達に対する差別が酷過ぎたと大問題になり、とうとう廃刊となりました。日本相撲協会も新潮社も、其の世界を代表する存在なのですけれど、其の地位に胡坐をかき、同じ様な価値観を持つ仲間内だけで付き合っていると、世間がちっとも見えてないんでしょうね。

閑話休題、僕、貴乃花のニュースですっかり気分がブルーになっちゃいまして、YOUTUBEで、故古今亭志ん朝師匠の十八番の噺「明烏」を観て、随分機嫌を直したんですが、寝しなに松本清張先生の「弱気の蟲」と謂う小説を読んだんですね。小官僚が、日々の憂さ晴らしから麻雀を始めると。ところがとても弱く、負けが嵩み借金が増え、其れを取り戻そうとレートを上げて大きな勝負に挑むも大敗、資金繰りに行き詰まり、破滅して行くと謂うお話でした。僕、陰惨過ぎる話に、溜息を付くばかりだったんですが、ふと思ったんです。此の小官僚も、助言してくれる親しい仲間さえ居れば、こんなにはならなかったんですが…。でね、先の貴乃花親方に、良いブレーンが付いていれば、引退は無かったんじゃないかと。だって、親方の相撲道に対する姿勢や考え方、関取としての実績には、誰もが認める処だったんでしょ。ならば、日本相撲協会との折衝や、世間知や、人脈等々を、親方にサジェスチョンしてくれる人生の先輩が居ればねえ、各界も浄化されたに違いありません。

僕、麻雀を題材とした「弱気の蟲」で思い出したんですが、親方に、故色川武大先生、又の名を阿佐田哲也先生の様なブレーンが付いていればねェ。僕、色川先生の本、殆ど読んでまして、全集を持っている位なんですが、将に人生の達人なんですよね。色川って、珍しい姓ですけれど、ご先祖様は、国学者や文部官僚や政治家、父君は海軍大佐と謂う、お堅い上流家庭なんですね。さて、色川先生は其れに猛反発したのでしょう、殆ど学校には行かずドロップアウト、寄席や映画館に入り浸り、無期停学処分を喰らい、様々な職種を経た後、博打打ちとなります。後に雀聖と呼ばれた程、麻雀が強かったそうですが、雑誌編集者へと転身、そして作家になるんですね。其の後は、阿佐田哲也名義で書いた「麻雀放浪記」が大ヒットしロングセラーとなり、本名の色川名義では、各文学賞を総なめしました。僕、色川先生の著作で、どれだけ人生を学んだか、本当に感謝しています。

先ず、先生で特筆すべきなのは、其の経験値でしょう。上流階級に生まれていますから、ハイソサエティで厳格な生活も知っていますし、10以上の職業を転々とし、博打打ちは勿論、担ぎ屋や闇屋、上から下から横から斜めから、ありとあらゆる事を見ているんですね。そして、大病を抱えており人の痛みが分かり、生来の優しさから、本当に多くの方々と付き合いがあったんです。作家達は勿論の事、編集者に画家。将棋指しに役者。ミュージシャンにコメディアン。漫画家に噺家。関取に評論家。大学教授にドクター。実業家にギャンブラー。映画監督にTV司会者。政治家にカメラマン。囲碁棋士に飲み屋のママさん。将に百花繚乱、絢爛たる物でして、凄い人脈と思いません!?本業の小説の世界でも、エンターテイメントから純文学から評論にエッセイ、何でもござれでありました。ジャズに演芸、料理に映画、将棋にギャンブル、裏社会に上流階級、何にでも詳しく、世界中を旅した人でもありました。では、色川先生の名言を幾つかご紹介します。

何もかも上手く行く訳が無い。全てを上手くやろうとするのは、間違った考えだ。
人生、9勝6敗を目指している。10勝5敗では無理が出る。
プロは持続を旨とすべし。プロはフォームであり、其れは自分自身で造り上げるもの。
初めての局面に遭遇したら、先ずは見。即ち、どんな小さな事でも、全てをじっくり観察する事だ。
最後の最後に1円でも浮けば良い。
幸運が続き過ぎると危ない。

抽象的で感覚的、些か難解かもしれませんが、何だか含蓄がありません!?ホント、貴乃花親方も日本相撲協会も、頭を冷やし、優れた先人達の知恵を借りないと、大相撲其の物が衰退する一方と思えてなりません…。
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