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鰯雲

身にかへて 秋やかなし きりぎりす よなよなこゑを をしまざるらむ、葉月も終わりとうとう長月、今年ももう、折り返し点を疾うに過ぎまして、年の瀬に向けて段々と忙しくなってきそうですが、読者の皆様は如何お過ごしでしょうか。何でもまたまた台風襲来の由、どうやら今年最大級の勢力だそうで、皆様、警戒をおさおさ怠りなく、どうぞお気を付け下さいませm(__)m。

さて、昨日は僕、東京出張の疲れが抜けず、風邪気味でもあるんですが、どうしても映画が観たくなりまして、行って来ましたよ、「アントマン&ワスプ」。此のマーベル社の一連のシリーズ、とうとう20作目となりまして、何処まで行くのか、もう此処まで来たら、とん付いて行く心算ですけれど、ホントに外れが無いんですよね~。驚嘆すべき事でありましょう。世界一のヒット作となった前作、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」が、余りにダークでシリアス、そしてカタストロフィーを感じさせる物でしたから、今回の「アントマン&ワスプ」は、きっと肩の力を抜いた、気楽な作品だろうなァ、そう予想していたんです。

日曜日、劇場に着いてみますと、ほぼ満員でありまして、朝イチであり、しかもこんな田舎の大分で、其の集客力に先ず感心しました。しかもね、車椅子に乗った方がおり、僕の様に1人で来ている映画好きもちらほら、そして中学生や高校生のグループ、大学生や社会人らしきカップル、多くの家族連れ、老夫婦に外国人、もうねえ、殆ど全ての世代が集まっている感じなんです。そして映画が始まりまして、僕、其の演出力にまたまた感心しました。CGも見事ですし、ドキドキハラハラでとってもスリリング、アットホームで笑えるシークエンスもたっぷり、ラストはドキリとさせられ、脚本も抜群でしたねえ。キャスティングも国際色豊かで完璧に近く、大ベテランのマイケル・ダグラスとローレンス・フィッシュバーンの存在感は流石でして、彼らはロシア系と黒人です。主役のアントマンを演じるポール・ラッドはユダヤ系でしょ。アントマンのちょっと間抜けな相棒達、マイケル・ペーニャにティップ・ハリスは、メキシカンと黒人。其の他、韓国系にイタリア系にカナダ、アメリカにアイリッシュに東欧と、様々な男優さん達が共演していました。おっと、此のマーベル映画のファンにはもうお馴染み、御大スタン・リーも勿論カメオ出演していまして、もう直ぐ96歳なのに、本当にお元気でして、一安心でした。未見の方の為、粗筋には一切触れませんけれど、本作は将にザッツ・エンターテイメント、面白さは僕が保証します!

でね、もう1つ感心したんですが、此れらの優秀な男性陣は実は添え物でして、本当の主役は女性達なんですよね。僕、主役のアントマンが狂言廻しと申しますか、コメディ・リリーフ的な役割に徹するとは思いも寄りませんでした。尤も、本作の3人の女優さん達、皆さん本当にカッコ良くて、素敵でしたもの。本作は実はフェミニンな、女性礼讃映画と謂うのが僕の解釈でした。本作の主役とも謂うべき、ワスプ役を演じたのは、エバンジェン・リリーでして、彼女はカナダの生まれ、大学卒業後海外留学をし、キャビン・アテンダントをし、英仏両語が堪能、かつアクションもこなせる美女であります。取っ付き難い様にも見えますが、実はガール・ネクスト・ドア、おきゃんでお転婆な、親しみ易い美人さんですね。其の母親役のミシェル・ファイファーは、ドイツ・オランダ・北欧の血を引く大ベテラン女優でして、ベルリンから英国アカデミーから、国際映画賞を総舐め、御歳60歳とは思えない美貌、将にクール・ビューティでした。敵役を演じるのは、新人のハナ・ジョン・カーメン、ナイジェリア人の父とノルウェー人の母を持ち、イギリスで生まれ育ち、楽器とダンスと語学に長けた28歳の女優さんです。エキゾチックな美貌であり、今後此の子、スターダムに躍り出るんじゃないかしらん。此の3人の美女の攻防が、大きな見せ場でありました。

たのめなる 人はなけれど 秋の夜は 月みで寝べき 心ちこそせね、平安期の歌人であり、恋多き人妻として知られた、和泉式部の秀句ですけれど、僕、先の「アントマン&ワスプ」に象徴される様に、此れからはきっと、女性の時代と思えてなりません。拙ブログでは常々、其れを訴えていますが、現在開幕中のベネチア国際映画祭でも、話題をさらっているのは、メキシコのアルフォンソ・キュアロン監督の「ローマ」と、ギリシャのヨルゴス・アンティモス監督の「ザ・フェイバリット」でしょ。此の2作、時代やテーマはまるで異なるんですが、元気溌剌の女性達が主役と謂う共通項があるんですね。

でね、僕、唐突なんですが、此れからは、昭和文学の再評価が始まる気がするんですよ。昭和と謂う時代は矢張り、女性の立場が弱く、男尊女卑の傾向が強かったと思うんですね。でも、其れだからこそ、其の状況に決して負けず、逞しく生きる女性を描いた作品群がありまして、今は埋もれていますけれど、近い内にきっと、スポットライトが当たる気がしてなりません。

有名な処では、松本清張先生の「わるいやつら」「けものみち」「黒革の手帖」だって、女性が男性を踏み台にして、のし上がって行く話でしょ。此れは消えゆく物へのレクイエムかもしれませんけれど、谷崎先生の「細雪」、幸田文先生の「流れる」は、女性達の社会を描いた、文学史に残る傑作でありましょう。徳田秋声先生の「あらくれ」、和田傳先生の「鰯雲」、高井有一先生の「この国の空」、何れ劣らず、パワフルな自立した女性が主人公であります。上記の作品群は、殆どが男性作家の手による物ですけれど、女流作家に至っては、林芙美子先生に有吉佐和子先生、宮尾登美子先生に宇野千代先生等々、枚挙に暇がありません。

近々僕、大手出版社の知人と会う機会があるかもしれず、もし再会したら、此の手の昭和文学の傑作を、復活して販売したらと提案してみようかしら…。尤も、上記の作品、僕全て持ってますし、当院の女性スタッフの皆さんの為にも、図書室に全て、寄付しようっと!!今日の拙ブログは、映画に文学と、僕の趣味の話に終始して恐縮でしたm(__)m。明日はもっと違うお話を書きますね♡
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