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東京の喜劇人

昨日の拙ブログで、志村けんの事を書きましたら、割と評判が良く、スタッフの皆さんや知人からも、お声を掛けて頂きまして、本当に嬉しく思いました。実は僕、大阪よりも東京のお笑いを好みまして、落語や軽演劇をこよなく愛しているんです。今回の出張ではとても時間が無く、新宿末廣亭に上野鈴本演芸場、浅草演芸ホールに浅草東洋館、池袋演芸場、何処にも行けずに残念でした。どの小屋も素敵なのですけれど、僕のお勧めは矢張り、末廣亭か鈴本かなァ。末廣亭は、新宿三丁目駅から程近く、裏通りを暫し行きますと、都会の雑踏と喧噪の中、古びた木造建築がありまして、其処なんですよね。平成の今、明治を体感出来ると謂う、独特の風情がありまして、前座や見習いの噺家さんが少々下手でも、江戸の雰囲気が楽しめます。鈴本は客席の角度に気を使ってるのでしょう、兎に角観やすいんですよね。そして、此処は切符売り場の上に太鼓櫓がありまして、開演前の呼び出し太鼓に終演後の追い出し太鼓を、直に聞く事が出来ます。太鼓の音を後にし、江戸情緒に浸りながら、鈴本演芸場のお隣にある、創業延宝三年の酒悦で、夜のお酒のあてに、佃煮や香の物や燻製を買うと。で、伊豆栄の鰻か、江知勝のすき焼か、蓮玉庵のお蕎麦でお酒を呑めば、気分はもう、昔の侍でありましょう。

さてさて、話を戻しまして、東京と大阪のお笑いの違いって、私見ですけれど、品があるか否かと思うんですよ。大阪の芸人さんって、本当にレベルが高く、僕も大笑いする事がしばしばですけれど、ちょっとガツガツしてるんですよね。必ず笑いを取ったるんやで~、と謂った雰囲気であります。東京の場合はシャイでして、あからさまな突っ込みが余り無く、照れを感じるんですよね。其れは或る意味、アーバンなテイストと思うのですけれど、どちらが良い悪いでは無く、好みの問題であり、文化の違いなんですが、僕は東京の笑いの方が好きかなァ。

でね、志村けんを観て思ったのが、東京の喜劇人の系譜でありまして、此れ、僕、とっても興味深い事に気付いたんです。驚くべき事に皆さん、共通項がある事を発見したんですよ。時代毎に順番に並べて参りましょうか。先ず、戦前のお笑い界のトップ・スター、今で謂えばビートたけしや明石屋さんまやタモリでしょう、エノケンとロッパと金語楼のお三方です。エノケンは、抜群の体技で爆笑王と呼ばれた人ですが、生まれは青山、煎餅屋の息子です。声帯模写、今で謂う物真似で大人気だったロッパは、麹町に生まれた男爵の息子、長じて雑誌編集者や新聞記者を経て、お笑いの舞台に立ちます。金語楼師匠は芝の生まれ、東京タワーの近くで育ち、生家はお茶屋さんでありまして、今では聞き慣れない言葉ですけれど、お客さんが芸者衆を呼んで、飲食を共にするお店ですね。お次は僕も大好きな三木のり平、彼は日本橋浜町に生まれ、精神科医の息子でした。伊東四朗は台東区に生まれ、お洋服屋さんの息子。三波伸介は麹町出身、実家は銀座のテーラー。国民栄誉賞の渥美清は上野に生を受け、同地で産湯を使い、お父さんは新聞記者、そしてご自身の生業として、フーテンの寅さん同様、本当に的屋をやっていました。

クレージーキャッツのリーダー、ハナ肇は、池袋生まれで水道屋さんのご長男。ドリフターズのリーダー、いかりや長介は墨田区生まれ、生家は築地の魚河岸です。トニー谷は、銀座生まれで実家は電気屋さん、長じて薬屋さんに勤め、ホテルマンを経て芸人となりました。一世を風靡した欽ちゃん、萩本欽一、一時期は彼がTVに出ない日はありませんでしたが、上野の生家はカメラ屋さんです。東八郎、息子さんはアズマックスと呼ばれ、親子揃って芸人ですけれど、彼は浅草に生まれ、警察官の息子でした。小沢昭一は蒲田生まれ、実家は写真館。世界のキタノ、ビートたけしは、足立区のペンキ屋さんの息子。

お笑いをやっていた劇団東京乾電池の主要メンバー、今では優れた役者さんの柄本明、彼は銀座生まれ、芸人になるまでは商社マンでした。同じ劇団に属していた高田純次、彼は調布生まれ、芸人の前は宝石販売のトップセールスマンでした。最近の方ですと、さまぁ~ずの大竹君と三村君、奇しくも僕と同い年なんですが、彼らは共に押上出身ですから、スカイツリーの処ですね。大竹君は八百屋勤務、三村君の生家は町工場です。おぎやはぎ、共に眼鏡を掛けたコンビですけれど、共に板橋に生まれ、コンビ結成前は、小木君はディズニーランドに勤め、矢作君は貿易会社勤務でした。

さてさて、縷々面々、長々と綴って参りましたけれど、此の東京の喜劇人の系譜、読者諸賢の皆様は疾うにお気付きでしょう。彼らは皆、共通項がありまして、主として下町に生まれ育ち、不特定多数の人々を相手にする職業に就いているんですね。或いは生家がそうなんです。幼い頃から、数多くのお客さんを見ていた訳で、人間への観察眼が相当磨かれたんじゃないでしょうか。コメディセンスは元々あったのは間違い無く、しかも幼少時からお笑いの必須条件である、人間の観察眼が備われば、鬼に金棒ですよねえ。でね、東京の軽演劇、廃れつつある様にも思うのですけれど、上記のさまぁ~ずやおぎやはぎに加え、東京の下町出身ではありませんけれど、サンドウィッチマンやバナナマン等々、前途有望な若手芸人さん達が、所属事務所の枠を超え、共に舞台に立っているんですね。僕のこよなく愛する東京の軽演劇の灯は、消える事は無さそうです。

でもね、政治だって実業界だって、クリエイティビティが必要であり、人を相手にする職業であり、他人様に喜んで頂く事においては、僕、お笑いの世界と変わらないと思うんです。となるとですよ、政治家も経営者も、もっともっと、様々な人々と会い、人格識見を磨く必要があるんじゃないでしょうか。政治家は二世三世議員ばかり、一部上場企業の社長は旧帝大卒ばかり、そして同じ様な感性の人と付き合ってばかりでは、視野狭窄かつ夜郎自大になり、とても此の国の舵取りは任せられないんじゃないかしらん…。と、今日は僕の趣味の話に終始して恐縮でしたm(__)m。
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