FC2ブログ

☾★ 夜の市長 ☆☽

冬季五輪も終わりまして、カーリングの女子代表も羽生君も宇野君も、本当に良かったですね。氷上の熱戦を横目で観ながら、昨日は僕、専ら読書に励んでいました。映画に行こうか迷ったのですけれど、面白そうな物は3月に入ってからの公開なんですよね~。「シェイプ・オブ・ウォーター」「ブラックパンサー」「15時17分、パリ行き」「グレーテストショーマン」「ザ・ビガイルド 欲望の目覚め」「スリービルボード」、傑作が目白押しでして、僕、どれから観ようか、迷いに迷っています。でね、昨日の大分は狐の嫁入りと申しますか、妙なお天気でして、雨が降っているのにお日様が覗いていたりして、晴耕雨読の顰に倣い、買い置きしておいた篠田節子先生の諸作を読み耽りました。僕、不勉強でお恥ずかしいんですが、篠田先生、様々な文学賞を制した売れっ子と、お名前は知っていたのですけれど、読むのは初めてだったんです。「インド・クリスタル」「仮想儀礼」「静かな黄昏の国」と立て続けに読破しまして、いやはや何とも、圧巻でした。圧倒的な取材量に支えられた、剃刀の様な切れ味と申しますか、パンデミックや老親介護、国際ビジネスや原発等々、骨太なテーマを扱っているのですけれど、リアルかつシビアな視点で、世の不正を数行で断罪する感がありました。特に、「静かな黄昏の国」、此れは日本の近未来を描いた物なんですが、此の国は少子高齢化が進み、アジア最貧国になっていると。そして、労働力が激減した故、各国の核廃棄物を引き受ける事で産業が成り立っている、そういう設定でした。全てが人工物となり、木々すら無くなり、核処理中間施設と老人ホームと共同墓地が並立していまして、将にディストピア、悪夢なんですよね…。少しだけ抜粋します。

あの未来の森が、こことは、思ってもみなかった。花々が闇の中で光り、温かな川が流れ、その川に南米産の奇形魚が泳ぎ、双頭の鹿が枝分かれした足を尻からぶらさげて遊ぶ森…。

優れた作家の想像力には脱帽ですけれど、実は此の作品、篠田先生が1994年頃に東電を何度も取材、2002年に発表した物なんですね。其れから10年が経ち、東北の大地震と原発のメルトダウンが起きた訳で、下手をすると此れからの日本は、「静かな黄昏の国」になりかねませんぜ。

拙ブログでは毎度申し上げてますけれど、政府や官僚の思惑以上に、テクノロジーや社会は進化し、激変してますでしょ。もうとても付いて行けていないのが、ありありと分かります。例えば人工知能のAI、森羅万象において万能に思えますけれど、開発者の意向が少しでも反映されまますと、偏見や差別感情を持つんだとか。今では此のAI、欧米の先進国では、新入社員の採用にも使われている訳で、そうなりますと、金髪碧眼の白人しか雇って貰えなくなりますよ。中国では、最早身分証明書は不要になりつつあるとか。警察官は、顔認証眼鏡を掛けていて、身元が瞬時に認証出来るんですって。しかも、監視カメラが大量に設置されてますからね。顔認証眼鏡と監視カメラとAIの組み合わせで、北京の人混みの100万人の中から、5人の容疑者を抽出、逮捕したんですって。此処まで来ると、本当に恐ろしいですよね…。

僕、為政者の皆さんには、先の篠田先生や、桐野夏生先生の様に、是非現実を見て欲しいんですよ。どうもね、臭い物に蓋と申しますか、見てみぬ振りをして、都合の悪い事は無かった事にしていませんか!?僕、今朝、経済誌の日経ビジネスを読んでましたら、「この国の未来は『川崎市』に凝縮されている」と謂う記事がありました。川崎市と謂えば僕、何度も訪れた事があります。高校生の頃、都内は大森駅の隣にある学習塾に行かされたんですね。真面目に勉強していれば、もっと良い大人になったと思うんですが、何せ間抜けな高校生でしたから、塾なぞちっとも行かず、其処で知り合った連中と、大森駅から京浜東北線に乗りまして、1駅先の蒲田、2駅先の川崎、6駅先の横浜で、フラフラ遊び廻っていました。蒲田ですと近過ぎ、横浜ですと遠過ぎ、自然と川崎で遊んでいたんですが、此処、何ともガラが悪かったんですよね。先の記事に依れば治安は益々悪化している由、少年による殺人事件も何度かありました。記事を引用します。

火災現場に佇んでいると、背後の公園から、酷く酩酊した中学生くらいの男子が千鳥足で出て来て倒れ込んだ。そこには既に2人の男子が寝ており、何れも焦点の合わない目で宙を見つめている。その傍ら、酒を片手に動物の遊具に乗り、ゆらゆら揺られている老人がいる。それらを見下ろす様に、警察の建物がそびえている。

ひえ~、荒廃してるなァと感じますけれど、川崎には、高級住宅地もあり大風俗街があり、少子高齢化に悩み、そして東南アジアや南米から来た労働者のコミュニティもあるんだとか。格差と少子高齢化と様々な人種が混在する、此れが近未来の日本と謂う訳なんでしょう。実際、外国人労働者って、年々歳々増え続け、今ではもう、128万人に達しました。クールジャパンと嘯く割には、何の対策もしておらず、社会問題化してますでしょ。

僕、カナダや欧州に学べと、声を大にして謂いたいんですよ。先ずカナダですけれど、トルドー首相が、「多様性は弱さでは無く強さだ」と宣言、実際、内閣の半分は女性大臣でしょ。ゲイや障害者、アフリカやアフガニスタンの移民、先住民族の人達も、大臣になっています。地域のコミュニティで移民を受け入れるシステムが完備してますもんね。ドイツでは、外国人移民を受け入れる際、語学や慣習は勿論の事、社会の成り立ちや歴史まで教える事を義務付けています。オランダの首都アムステルダムでは、ナイトメイヤー、「夜の市長」と銘打ち、夜間の公共交通の整備、治安維持、騒音対策等を、移民系の32歳の黒人俳優が担う事になりました。オランダって、国民の殆どが3か国語を喋れる位でして、かっては東南アジア全域やアフリカやカリブ海諸国に植民地がありましたから、移民が本当に多いんです。ですから、夜の市長の役割の1つに、「多様性の確保」もあるんですね。此れも一種の移民対策と謂えましょう。どうやら、ロンドンやニューヨークでも同様だそうで、「夜の市長」、大都市では必須になりそうです。実際、六本木でも銀座でも、様々な人種の方々が行き交い、何処の国か分からない位ですし、大分の様な田舎街だって、外人さんが本当に増えましたもんねえ。良かれ悪しかれ、疾うにボーダーレスな時代な訳で、従来の様な硬直した行政システムでは、とても対応不能と思えてなりません。

政治家の皆さん、もっともっと現場を見て、考え、リアルな政策を打ち出して下さいな。先ず、桐野夏生先生や、篠田節子先生の諸作品を読んで、勉強する事から始めては如何!?
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

しもごおり

Author:しもごおり
OSHブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR