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神も許さぬ火を焚いたのは誰か?

思ふ人の 傍に割り込む 炬燵哉、其れにしても寒くなりました。三寒四温とは名ばかりでして、此処九州では昨日、阿蘇山で初冠雪があった由、道理で終日寒かったですものね。此の季節になりますと矢張り鍋物が一番でして、僕、鍋奉行ではありませんけれど、蟹も河豚も牡蠣も、夫々捨て難い美味しさでありましょう。僕、其の中でも好物の1つが矢張り鮟鱇鍋でして、随分前、両親と共に茨城の大洗で食べましたのが、所謂「どぶ汁」でありました。此れ、以前も紹介したかもしれませんけれど、海浜沿いの寒村である大洗町の名物なんですよね。先ず、鍋で鮟鱇の肝を炒め、ほぐして行きます。其の後、鮟鱇の身と多くの野菜、豆腐や油揚げを投入、お酒をほんの少し、最後に味噌を入れて出来上がります。鮟鱇と野菜の水分で充分なスープとなりますから、出汁や割り下を入れる必要はありません。鮟鱇を全て味わえ、シンプルながら濃厚で芳醇でして、此れ、冷酒にぴったんこですし、〆の雑炊も堪りません。う~ん、何だか今週末、行きたくなって来たな~。

さて、昨日は僕、疲れが出たのか早々に寝ちゃったんですが、朝から夕方まで、ずうっと映画を観ていました。謂えね、BSやケーブルTVで、古い邦画を大特集してまして、ついつい観てしまったんですが、殊の外、戦争の影響って非常に強かったんだと、思いを新たにしました。黒澤明の名作、「野良犬」にしても、此れ、復員兵の物語ですもんね。本作と同様、海外の名作「タクシードライバー」は、ベトナム戦争の帰還兵が主人公でしたよね。さて、「野良犬」の犯人は、中国から復員した際、荷物を置き引きされ、全ての物を失い、やむなく強盗殺人に手を染める、と謂う粗筋でした。追う刑事達も復員兵上がりですもん。陰と陽でありまして、犯人も刑事もポジとネガの関係にあると謂う、複雑かつ哀感漂う設定でした。おまけに、犯人役の木村功、刑事役の三船敏郎も志村喬も、皆軍隊に取られ、命からがら戦地から戻った役者さん達でしょ。道理でリアルな筈ですよ…。また、当時の優れた監督さん達って皆、軍隊経験がありますでしょ。僕、此の映画を観ると必ず泣いちゃうんですが、高峰秀子主演の「二十四の瞳」、本作でメガフォンを取った木下恵介監督は、中国での戦いで負傷しました。本作でも高峰秀子は戦争未亡人となるんですが、僕、木下監督は静かに反戦を訴えていた様に思います。同じく中国で一兵卒として戦ったのが山本薩夫監督、彼のフィルモグラフィは、其の殆どが左翼へのシンパシーに満ちたものでした。モスクワ映画祭でグランプリを獲得、何と100歳まで映画を撮り続けた新藤兼人監督は、海軍に籍を置きました。社会性の強い作品を次々と発表、代表作の1つが、「原爆の子」ですから、内容は推して知るべしでありましょう。

戦後の風潮から脱落した没落貴族を描いた「安城家の舞踏会」、此れを撮り、女性映画の巨匠と呼ばれたった吉村公三郎さん、彼はタイのバンコクで、機関銃部隊の隊長でした。帰国後、女性心理を濃やかに描いた作品を撮るんですから、人生分からないですよねえ。常にフィックス、固定したカメラ・ワークで、市民の日常を淡々と描いた小津安二郎監督も又、地獄の中国戦線からの帰還兵です。彼の遺作であり代表作「秋刀魚の味」、岩下志麻が本当に美しいのですけれど、主役の笠智衆は駆逐艦の艦長役、脇を固める加東大介は其の部下と謂う設定でした。実際、加東大介は、ニューギニアで終戦を迎えました。海軍と謂えば忘れてはならないのが、社長シリーズでありましょう。全部で33作品、日本中を爆笑の渦に巻き込んだ、松林宗恵監督は海軍少尉ですし、原作者の源氏鶏太先生も又、海軍のご出身です。

海外に目を向けましても、上記の「タクシードライバー」を筆頭に、「ランボー」に「ディア・ハンター」に「7月4日に生まれて」に「フォレスト・ガンプ」に「地獄の黙示録」、何れもベトナム戦争の帰還兵の現実を描いた秀作ばかりです。中でも、「プラトーン」を撮り、アカデミー賞3度受賞の名匠、オリバー・ストーン監督が其の筆頭でありまして、彼も又、ベトナムで実際に戦っていた兵士でした。帰国後、映画を撮り始めるのですけれど、其の作品群は、「JFK」「ニクソン」「ブッシュ」「スノーデン」「ウォール街」、何れもアメリカ社会の暗部や恥部を執拗に追及しています。

もうねえ、枚挙に暇が無いとは此の事でありましょう。そして僕、昨日始めて、名作の誉れ高い、「モスラVSゴジラ」を初めて観たんですよ。昭和39年の作品ですから、勿論特撮は劣りますけれど、社会性の強いエンターテイメントと謂うのが良く分かりました。驚きましたのは、本作のキー・ワードとして、放射能や際限無い土地開発、核実験に少数民族への迫害、政界の腐敗にマスコミの横暴等々、きちんと描いているんですね。此れ、現在でも通用する普遍的なテーマでして、僕、驚きました。でね、上記の監督さん達同様でして、本作も又、戦争経験者ばかりだったんです。本多猪四朗監督は中国で、特撮監督の円谷英二は国内ですが陸軍で軍務に従事、主役の宝田明は年齢故に従軍していませんが、小学生の頃満州で、ソ連軍に銃撃され腹部を怪我したと謂う、悲惨な過去があります。モスラが飛びゴジラが火を吹く、まァ荒唐無稽な物語なのですけれど、リアリティを感じさせるのは、演出も勿論そうですが、主要スタッフが戦争を体感している事が、極めて大きかった様に感じました。多くの優れた映画人達は、或る者は声高に、或る者は正攻法で、或る者は斜に構え、夫々のやり方で、平和を希求し続けて来た感があります。

脱ぎ捨てて 外套の肩 なほ怒り、実は僕、昨日から憤りを感じてならないんです。未だ怒っています。上記の先人達の苦労は何処へやら、昨日の早朝、沖縄の那覇市の国道で、泥酔した米兵が運転するトラックが突っ込み、軽トラを運転していた61歳の日本人男性が亡くなりました。謹んで哀悼の意を表しますし、こんな痛ましい事件はもう、金輪際起きて欲しくありません。そしてね、僕、此れだけは書いておきます。日米地位協定の取り決めがあり、日本は、米軍絡みの事件を自由に捜査出来ません。其の上、2006年に米兵が横須賀で強盗殺人事件を起こしたんですが、其の賠償金の6割は、日本政府が支払う事が決まったとか。

僕、単純な反米論者ではありません。共産主義も大嫌いです。でもねえ、物事何でも是々非々でして、幾ら偉そうにしていても、今回のアメリカのやり方、明らかにおかしいですぜ。僕、つくづく思うんですが、もし米軍基地が必要としても、此れ以上沖縄の人達ばかりに負担をかけ続けるって、アンフェアでしょ!?此れ、僕の持論なんですが、洋上に米軍基地を造り、其処に居て貰うのは駄目なんですかねえ!?

先の「モスラVSゴジラ」、印象的な台詞がありました。途中、核実験に対し、「神も許さぬ火を焚いたのは誰か」と謂う言葉がありました。そして、モスラや島民達は、身を挺してゴジラの危機から日本を救ってくれるのですけれど、「あの人達へのお礼は、我々が人間不信の無い、良い社会を造る事だ。」、此れですもんね。昭和39年に謂われた事が、今尚出来ていない訳で、僕、とっても恥ずかしいと思えてなりません…。何処かの未開国の総理が、メルトダウンした原発は、「アンダー・コントロールしている」とか何とか、寝言謂ってましたが、大嘘付きやがって。我が国の為政者の皆さん、「モスラVSゴジラ」を観て、猛省する様に!!
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