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☃☽❀ 雪月花 ☃☽❀

いやァ、今朝は参ったなァ…。愛犬の甲斐犬のコロちゃん、とうとうボケたのか、連日深夜に散歩に連れて行けとせがむんですよね…。今日なぞ、2時過ぎに起こされまして、僕、フラフラの状態で住宅街をとぼとぼと歩いていまして、これじゃあ不審者ですよ、全く。しかしまァ、彼女が子犬の頃から、もう16年の付き合いですもんね、此処まで来たら、地の果てまでも共に歩みましょう。でもねえ、もう少しだけ寝かせてくれないかなァ、頼むぜ。

心なき 身にもあはれは しられけり しぎ立つ沢の 秋の夕暮、僕の大好きな西行法師の句でして、NHKの大河ドラマでは、贔屓の藤木直人君♡が演じていて素敵でしたけれど、朝夕は随分と肌寒さを感じる様になりました。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、何れも大変結構なんですが、僕、今年は矢張り、芸術の秋と思うんですね。と謂いますのは、今年下半期から来年上半期の美術展のライン・アップって、垂涎の的と申しますか、珠玉のコレクションが勢揃い、万里の波濤を超え、国内外の至宝が一堂に会するんですよ~♡あ、美術品なので人ではありませんから、一堂に会するって、適切な表現では無いかもしれません。でも、物に人格を与えたい位の素晴らしさなんですね。東京都美術館では、「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」でして、彼が如何に日本の浮世絵から影響を受けたかと謂う展覧会であります。ゴッホが描いた油絵の浮世絵なんて、滅多に観られませんよ。国立西洋美術館ではジャポニスム特集、「北斎が西洋に与えた衝撃」でして、浮世絵の構図って大胆かつ繊細ですから、セザンヌからドガからゴッホから、欧州の超一流画家が、こぞって模倣したんですね。要は真似、パクッた訳です。本物の北斎の原画と、パクった側の絵を並べて展示する由でして、或る意味人が悪い気もするんですが、日本人としては何だか誇らしいですよね。国立博物館では運慶の仏像が何十体も揃います。こりゃあ、今年の秋の上野は燃えてますよ。僕、都内に行くと、かなりの高確率で上野に行くんですが、都美から国立西洋美術館から国立博物館から、全て隣接してますもんね。アメ横を冷やかして、福神漬け発祥の店の「酒悦」で漬物を買い、鰻も蕎麦もとんかつも名店が揃い、精養軒で食事をすれば明治の新帰朝者の気分ですし、鈴本演芸場では落語も楽しめ、今秋にはTOHOシネマズが新装開店でしょ、こりゃ行くしかありません。

民間に目を向けますと、丸の内の東京ステーションギャラリーでは、シャガール。同じく丸の内の三菱1号美術館では、ロートレックにドガにルノワール。何とゴッホの不朽の名作、「夜のカフェテラス」まで来てますもん、此れ、絶対行かなきゃ!パナソニック汐留ミュージアムでは、カンディンスキーとルオー。紀尾井町のホテルニューオータニでは、ローランサン。新宿の損保ジャパン日本興亜美術館では、東郷青児。赤坂のサントリー美術館では、安土桃山時代の絵師、狩野元信。広尾の山種美術館では、日本女性美人画の第一人者、上村松園。うう~ん、どれも行きたいです~。

僕、かって幾度となく、上野の森の展覧会に足を運び、其の度に眼福、至福の時を過ごしました。けれど、唯一の難点は、人が多過ぎるんですよね…。そぼ降る雨の中、平日の午前中を狙って行っても、既に長蛇の列でして、折角名画を観られると謂うのに、2時間以上行列に並ばされては、溜息しか出ません。ですから、折角のフェルメールもルノワールもゴーギャンも、縄文の火焔式土器も丸山応挙も若沖も、くたびれ果てた状態で観たので、どうも悔いが残っています。でも、江戸期のポップ・アートと申しますか、若沖の再評価は僕、前々から好きでしたから、嬉しい限りです。今朝の日経に出てましたが、彼の絵は今秋、パリで大々的に展示されるとか。此れも、日本人として嬉しい限りです。

でもね、今年の白眉とも謂えますのが、箱根の岡田美術館で展示される、喜多川歌麿でありましょう。僕、江戸期の美人画では、歌麿は恐らく、世界一のレベルにあった偉大な画家と思います。でね、彼の最高傑作と謂われてますのが、「雪月花」の三部作なんですね。元々は漢詩から来ているのですけれど、雪月花最憶君、雪の時月の時花の時、何時も君を憶う、と謂う意味なんです。「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」でありまして、何れも有名な花街ですけれど、此の3枚に出て来る芸者数は総勢97名、全てが情緒溢れる日本美人でありまして、何れ菖蒲か杜若、花鳥風月もさり気無く取り入れ、婀娜っぽく雅であり、艶麗な美に酔いしれる事は請け合いです。しかもね、此の3部作、日本からパリに渡り我が国の資産家が買い取ったり、ワシントンやコネチカットの美術館にあったりと、全てが揃うのは何と、138年ぶりなんですって。此の展覧会、来月一杯までですから、こりゃもう、箱根まで飛ぶしかありません✈✈✈

さて、其の箱根ですけれど僕、かって親子で清遊した記憶があるんですが、幼かった時分の事ですからねえ。山中湖と富士山と、ジョンレノンや各国首脳に各界著名人が泊まり、そして皇族ご用達、クラシカルな冨士屋ホテルの佇まい位しか覚えていません。ただね、ぼんやり憶えていますのが、やけに観光バスが多かったんですよ。箱根の旅館に入り、父に聞きますと、「ああ、3つの会社が客の取り合いで戦争やってんだよ!三国志みたいなもんだ!ハハハ!」と笑い飛ばしていました。僕、冗談好きの父のジョークと思っていたんですが、長じてから、獅子文六先生の「箱根山」と謂う小説を読んで吃驚したんですね。当時の箱根は、観光と土地開発を巡り、3社が入り乱れ、企業戦争が勃発していたんですよ。

小田急、西武、東急の大手3社が、箱根観光の巨大マーケットを巡り、仁義無き戦いを繰り広げたんですね。都心から箱根までは凡そ1時間半、観光には適度な距離ですし、温泉あり富士山あり山中湖あり、見所が多いですもんね。最盛期には、年間2200万人の観光客だったそうで、遊覧船にロープウェーに旅館、ケーブルカーに鉄道に観光バス、土産物に飲食物に施設の入館料、此れが年間2200万人分となれば、莫大な利益が望める訳で、そりゃあ戦争にもなりますよね。しかもね、小田急の社長は別府の方でして、誰も逆らえない程の実績と威厳があったのでしょう、「安藤天皇」と呼ばれた程でした。西武の社長は、拳銃を持って襲って来た暴漢を得意の柔道で投げ飛ばして、「ピストル堤」との異名を持ち、お子さんは100人は居ると謂う艶福家です。東急の社長は五島慶太さん、東大をトップで卒業し運輸省に入ったインテリながら、強引過ぎるビジネス手法で、付いた綽名が「強盗慶太」でありました。己の企業の存続と、巨利とプライドと意地が掛かっている訳で、天皇とピストル男と強盗が戦ってるんですもん、もう何が何だか分かりませんよね。互いの会社の株の買い占め、土地の地上げ、訴訟合戦、観光現場での小競り合い等々、此の抗争は15年近く続いたんですが、最後は国が仲裁に入る形で手打ちとなったんですね。現在の箱根は、小田急も西武も東急も、互いの観光施設に相互乗り入れが可能でして、僕が行った頃に較べ、とっても便利になっています。

よおし僕、今月の末までは大きい仕事があるんですが、其れももう直ぐ終わりますし、箱根へと飛びまして、温泉に浸かって美人画を愛で、相模湾の美味しいお魚で一杯やりたいものです。でも其の前に、今日の仕事を頑張ります!
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