∽ vertigo ∽

読者の皆様、おはようございます。昨日の大分は結構暑かったですけれど、皆様は如何お過ごしでしたか!?僕、未だ日が昇らぬ朝まだきのうちに、家事や些細な用事を全て終わらせまして、TVの前に座りまして、先ずは、ラグビーの 雄叫び城に 轟きけり、日本代表のテスト・マッチの録画を再見しました。謂えね、土曜日のお昼にあった日本VSアイルランドのラグビー国際試合、生で観てはいたんですが、22-50の完敗でした。相手は世界ランキング4位、日本は確か11位、差があるのは仕方が無いにしても、どうして負けちゃったのか、敗因が知りたかったんですよね。現在の日本代表は、相手の裏のスペースにキックを蹴り込み、所謂アンストラクチャー、守備陣形が構築出来ない処をしつこく突いて行こう、と謂う作戦であります。日本は敵国に較べ身体の強さ大きさでは劣る訳で、ラグビーはコンタクトのスポーツですから、巨躯の相手とぶつかり合いを避け、キックを多用する事で、相手の陣地に混乱を巻き起こすと謂う、其の狙いは決して悪く無いとは思うんですね。

前回のワールドカップで3勝1敗だった、2015年の日本代表のコンセプトはまるで違いました。日本は敵国に較べ身体の強さ大きさでは劣る、ならばなるべくキックを使わずボールをキープ、連続攻撃でトライを取る、と謂う作戦です。現状認識が同じでも、勝利へのアプローチは大きく異なる訳でして、此れ、前監督のエディ・ジョーンズは、オーストラリア・アメリカ・日本の血を引く人でして、現監督のジェイミー・ジョゼフは、ニュージーランド原住民と白人のハーフ、しかも両者の現役時代の経験も全く異なりますから、勝利への道筋が変わって来るのは自明の理なのかも。でもね、先日の試合は、点差以上に差がありまして、試合の前半で殆ど勝負が付いてしまいました。日本の守備の綻びやミスを突かれトライを重ねられ、前半の30分過ぎには、30点近い差を付けられてしまった訳で、こうなりますと、自力で勝るアイルランドは、敵陣で時間を消費する事だけを考えれば良いんですから、こりゃあもう、勝負になりませんぜ。でね、僕、つくづく思ったんですが、1つの作戦だけでは勝てませんよ。前半は先のキック多用のやり方で上手く行かなかったんですから、ならば後半は以前の様にボールキープとか、作戦のオプションは必要と感じました。そして、其れ以上に大事なのが、勝利する為の木目細かなディティール、即ち細部への徹底と拘りじゃないかなァ。だって、平均身長で10㌢、平均体重で15㌔ぐらい劣る訳で、只漫然と試合をしていては、体力差で負けるだけでしょ。ならば、プレイの細部にまでとことん拘り考え抜き、そして猛練習をするしか勝つ術はありません。

日本文化を代表する工芸品の品々がありますよね。其れは根付であり織物であり和紙、輪島塗に浮世絵に江戸切子、戦後の鉄道模型にカメラにウォークマン、そして本邦を代表する日本車、家電、アニメ、枚挙に暇がありません。此れらの品々は皆、ディティールに拘り抜いた逸品揃いでして、矢張りねえ、優れた物って皆そうじゃないのかなァ。

閑話休題、昨日は僕、終日DVDを観ていました。マスター・オブ・サスペンスと呼ばれたヒッチコック監督のDVD-BOX、此れが埃を被っていまして、僕、彼の作品群は中学高校の頃に殆ど観てそれっきりだったんですね。昨日、大人の視点で久方振りに再見した処、滅茶苦茶に面白いんですよ。ホント、早朝から日暮れまで、ずうっと観てました。サスペンスの神様と謂うぐらいですからドキドキハラハラ、思わず息を呑むスリリングなシークエンスばかり、時が経つのを忘れる程でした。でね、ヒッチコックの映画を初めて観た、ローティーンの頃はちっとも気付かなかったのですけれど、趣味的なと申しますか、極めてアブノーマルな世界観であり、本当にパーソナルな作品なんですよね~。例えば「白い恐怖」、本作ではサルバドール・ダリの絵をふんだんに使ってますから、将にシュールリアリズムな世界であります。「レベッカ」は、死んだ美女の因縁話でして、此れはまるでラフカディオ・ハーン、怪談でありましょう。「見知らぬ乗客」は、汽車の中で交換殺人を持ちかけられるんですね。主人公は必死に断るも、相手は勝手に人殺しをしてしまい、執拗に約束の履行を迫られるお話です。「ロープ」は、ゲイ・カップルが哲学的理由で殺人を犯します。「裏窓」はピーピング・トム、覗き見の話でしょ。「サイコ」は、ホラーでありサスペンスですが、男性と母親の歪んだ関係を描いています。「泥棒成金」は、読んで字の如し、お洒落で粋な泥棒の話です。「パラダイン夫人の恋」は、夫を殺したであろう美貌の未亡人を、彼女に惚れ弁護士が庇うストーリー。「ハリーの災難」は、長閑な村で見つかった死体を巡るブラック・コメディ。「フレンジー」は、金髪女性だけを狙うシリアル・キラーのお話。此れ以外にもまだまだあるのですが、割愛します。

そして、極め付けが「めまい」でして、本作は、ストーカー紛いのマザコンが主人公、フェティシズムが根底にありまして、かなり歪んだ形の愛情を描いています。僕、吃驚しますのが、上記の作品群、昭和30年代に撮られていまして、まだまだ閉鎖的な時代なのに、かなり背徳的と申しますか、反社会的な物ばかりを取り上げていたんですねえ。さて、其の「めまい」ですけれど、ブロンドに執拗に拘る監督が、ブルネット--黒髪ですね--の醜女を酷い扱いをしてましたけれど、主演のキム・ノヴァクと謂う女優さん、グラマラスで妖艶でコケットリーな方ですが、本当に綺麗に撮っています。ヒッチコック監督、心底惚れてたんじゃないか、と思うぐらいでして、彼女が洗練されてゆく様を観るだけでも、一見の価値はあると思いました。

さて、此の「めまい」、昭和33年の作品なんですが、今から60年近く前の物なんですね。今だにヒッチコック監督の代表作とされ、評論家筋の評価も極めて高く、確か全米のランキングでも1位を記録した事を覚えています。でもね、僕、再見してつくづく思ったのですけれど、此れ、映画としては、まるで成立してないんですよ。殺人事件は途中から何処かに行ってしまいますし、ヒッチコック監督の金髪美人好きが大爆発している感がありまして、ストーカーっぽい男性主人公にも、ちっとも共感出来ません。只、本作が傑作なのは、尋常では無い細部への気配りであり、拘りでして、カメラ・ワーク、衣装に小道具にロケーション、演出も含め全てが抜群です。そして、果敢にも、実験的な映像にもチャレンジしていますから、色褪せないんですよね。だって、先の主演のキム・ノヴァクさん、撮影中はずうっと、朝から晩まで、私服から喋り方から食べ方、そして歩き方に始まり、所作全般を、延々と徹底的に指導されたとか。キムさんは大変だったでしょうが、スクリーンに映る彼女の様は、確かに見事でして、破綻しているストーリーを、微塵も感じさせませんもんね。

冒頭触れました日本ラグビー代表、勝利へのディティールが不足していたと書きました。此のヒッチコック監督ぐらい突き詰めなければ、体格に勝る相手に、勝利を収めるのは至難の技でしょう。例えば、日清チキンラーメンを造った、安藤百福さんがいらっしゃいます。安藤さんがチキンラーメンを完成させるまで、無一文から初めて、自宅に庭に小屋を造り、其処で1年間、日々の睡眠時間は僅か3時間、ずうっと研究し続けたんですね。ほぼ毎日、三食がラーメンだったそうですが、とうとう完成したのがチキンラーメンでして、此れ、未だに年間2億食近くが売れると謂う、永遠のベストセラーであります。

神は細部に宿ると申します。そう考えますと、辿り来て未だ山麓、当院もまだまだでありまして、僕を含め、基本を周知徹底、成功する為に細部にまで目を配り、各員一層奮闘努力せよ、なんですよね。そう考えますと、日暮れて道遠し、何だか気が遠くなる思いですが、僕、此処にお世話になっている間は、誠心誠意頑張る所存です。そして、リタイアの日が来たら、朝から晩まで、毎日映画を観て暮らせれば良いなァ。いやァ、今日は趣味の話に終始して恐縮ですけれど、映画って本当に良いもんですね~。其れでは又明日の拙ブログをお楽しみに、さよなら、さよなら、さよなら!
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