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✾ 椿姫 ✾

梅雨ごもり 眼鏡かけたり 外したり、此れ、ニューヨーク生まれのドイツの俳人、ジャック・スタムさんの句なんですが、ホントね、此の時期、目の悪い人は困るんですよね~。僕もそうなんですが、温度差や湿気で、眼鏡のレンズが曇ってしまい閉口します。随分昔に聞いた話なんですが、卵の白身をレンズに濡れば曇らない由、でも、何だか勿体無くて、試していません…。

其の眼鏡姿が似合う渋い役者と謂えば、橋爪功さんでしょうか。実際、眼鏡メーカーのイメージキャラクターをやっていたぐらいでして、僕、映画「タンポポ」での好演が忘れられないんですが、息子さんがやらかしちゃいましたねえ…。しかし、芸能界の2世タレントって、どうしてこうも不祥事が多いのか、不思議に思えます。此れ、政界でも同様でありまして、世襲議員が多いですけれど、まともな人って、殆ど居ない様に思いませんか!?此処からは僕の憶測です。親の背を見て子は育つ、親の七光りと申しますが、芸能界も政界も余りの激務故、接する時間も少ないでしょうし、子供がグレるのは、親の苦労をしている姿を見る機会が無いからじゃないかなァ。自分の話で恐縮ですけれど、僕、両親は共働き、深夜でも帰って来ない事も多く、殆ど鍵っ子で一人っ子でした。共に大層忙しく、親子3人が揃うのは年に1度の家族旅行ぐらいでした。でもね、時折見る、両親の努力する姿に、ハッとする事がありましたもん。母親は、会社を持って多忙の日々でしたが、深夜に独り資料を読み、スピーチの練習をやっていました。父親は医師でしたが、僕が学校に行く頃に帰宅する事もありました。夜を徹して手術をし、凄い勢いで朝ご飯を平らげ、其のまま仮眠を取り、起きたら直ぐに診察に行ってましたもんね。其の姿を見ていたお蔭か僕、学生時代は確かに素行が宜しく無かったですが、道を踏み外さずに済みました。でもね、話は逸れますが僕、性格は段々と亡父に似て来た様に思います。兎に角金にセコい奴、組織のルールを捻じ曲げる輩、社会常識が著しく欠け威張る人、筋を通さない暗い奴、裏表があり文句ばかり謂う奴は大嫌い。明るく楽しくハッピーなのが一番。口が悪い。おっと、私事を書いて失礼致しましたm(__)m。

閑話休題、親子鷹と謂う言葉がありますけれど、僕が馴染みが深いのは文藝の世界でして、此れがね、結構興味深いんですよね。他の世界に較べ、非常に成功例が多い様に思います。吉本隆明と吉本ばなな。太宰治と津島佑子。壇一雄と壇ふみ。中上健次と中上紀。幸田露伴と幸田文。大岡信と大岡伶。阿川弘之と阿川佐和子。有吉佐和子と有吉玉青。江國滋と江國香織。宮脇俊三と宮脇灯子。北杜夫と斎藤由香。井上光晴と井上荒野。枚挙に暇がありません。でね、僕、面白く感じますのが、親子ですから似た部分はあるにせよ、作風が大きく異なる人が殆どなんですよ。新田次郎と藤原正彦の親子は、かなり親和性の高さを感じますけれど、此の両先生は例外でしょう。

此れ、海外でも同様でありまして、ビッグ・ネームになりますが、19世紀のフランスの作家、デュマ親子がそうですよね。大デュマと呼ばれたお父さんの方は、「三銃士」で知られますが、スケールの大きな、血沸き肉躍る話を得意としました。実際、私生活も豪快でして、大ベストセラーを連発してますから、自腹でお城を建てまして、女優さん達を呼び連日連夜の大パーティ、おまけにフランス市民革命には参加するわ、様々な社会運動をもスポンサードしたりして、亡くなる前はすっからかんという有り様でした。さて、大デュマの息子は小デュマと呼ばれますが、ご子息も又作家となったんですね。小デュマの代表作は「椿姫」でありまして、此れも父の作品に劣らないメガヒット、今尚オペラとして全世界で上演されています。ただ、内容は娼婦と青年の悲恋物でして、お父さんの豪快な作風とは全く異なり、静謐で緻密、繊細で嫋やかな世界観でありました。

日本でも全く同じ傾向が見られます。史上初の親子での直木賞受賞で話題となったのが、白石一郎と白石一文の両先生です。お父さんの一郎先生は、主に時代小説であり、本邦では珍しい海洋冒険小説なんですね。息子さんの一文先生は、お父さんとはまるで違いまして、恋愛小説を主なフィールドとしています。日本が誇るビッグ・ネーム、森鴎外と森茉莉の親子も又、対照的でした。お父さんの鴎外先生は、戯曲に歴史小説、詩に翻訳、史伝に評伝と、あらゆる分野を網羅した、将に文豪の名に恥じない大作家です。娘さんは、日々の生活を丹念にスケッチしたと申しますか、狭くはあるのですけれど、精密で美しい世界を築きました。

僕、つくづく思うんですが、作家の場合、座職であり、殆ど家で執筆していますよね。お子さんは、お父さんが日々呻吟し、真摯に必死に、文学と格闘する姿を目の当たりにした筈です。実際、新田次郎先生なぞ、家族団欒の夕食が終ると、顔付がガラリと変わり、「さあ戦争だ」と気合を入れて書斎に籠り、朝まで部屋から出て来ない事が当たり前だったとか。其の姿を見ていれば、そりゃあ子供だって身が引き締まる思いでしょう。将に、親の背中を見て育った訳です。

翻って日本の政界を見るに、二世三世議員が跳梁跋扈していまして、彼らは先代の苦労する姿なぞ見ていませんから、そりゃあ劣化するのも当たり前でしょう。現首相の父君、安部晋太郎議員は、総理目前で病に倒れた悲劇の人ですけれど、息子とは大違いですもん。幼いうちに両親や親族を亡くし、戦争や落選経験もあり、非常な辛酸を舐めた由、外務大臣や通産大臣や官房長官等重職を歴任、其の苦労故か、大変温厚でリベラルな方でした。今の総理、其のお父さんに反抗しているのか知りませんが、まるで違う乱暴な政治手法でありましょう。ちっとは親父を見習えと謂いたくなりますもんねえ。僕、一概に同族や世襲を否定する者ではありません。でも、歌舞伎などの伝統芸能とは違い、国政においては、他人様の命を預かる訳ですから、実力最優先でやって欲しいものです。読者諸賢の皆様方、そう思われませんか!?
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