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✾ 薔薇と宝石 ♢

早いもので、もう30年近く昔の話になりますか。アメリカのアトランティック・シティで、ボクシングの世界タイトルマッチが行われました。チャンピオンはマイク・タイソン、当時は無敗の統一世界ヘビー級チャンピオンで、人気も実績も頭抜けた存在でした。対する挑戦者はこれまた無敗、オリンピックのゴールド・メダリストでありプロに転向してから二階級を制した、マイケル・スピンクスであります。タイソンはどのパンチも一撃必殺であり、スピンクスには切れ味抜群の右ストレートがあり、80年代を代表する、世界が注目した、超ビッグ・マッチでした。結果は何と、試合開始早々にタイソンの右のストレートが炸裂、1RKOという衝撃の結末でして、未だ20代だった僕は、矢鱈と興奮した事を覚えています。さて、此の大試合が行われたのが、トランプ・プラザというホテルだったんですね。そう、今回大統領になりましたトランプさん所有のカジノ・ホテルなんですよ。因みに、此の試合が行われた日だけで、カジノの売上は1億$を大きく超えた由、其れ以外にも宿泊費に飲食代にグッズ等々、全世界のTV放映権料や広告収入もある訳で、いやァ、凄いですよねえ…。さて、月日は流れ幾星霜、其れから30年の月日を経て、此処アトランティック・シティがどうなっているかと申しますと、大変悲惨な状況なんです。疾うの昔にトランプさんは手を引いており、ちっともお客さんは来ずにカジノでは閑古鳥が鳴く始末、幾つかのホテルは閉鎖し、其の影響でしょう、周辺の商店街も皆閉まり、犯罪発生率は全米上位に位置し、貧富の差は拡大、ゴースト・タウン化してしまいました…。

今、自民党の面々は、日本におけるカジノを設立しようと、強行採決をしてまで、法案を通す事に躍起になっています。僕、ラスベガスやウォーカー・ヒル、マカオにシドニーと、カジノに行った事がありますし、決して全面的に否定する者ではありません。只ね、今の無能な政権で、トランプさんでも失敗したカジノ経営が上手く出来るのか、周辺地域の治安は大丈夫か、果たして闇の勢力の進出を防げるのか、問題山積ですから、君子危うきに近寄らず、止めておくべき、という考えです。そしてね、先のアトランティック・シティで社会問題化したのが、博打にお金を注ぎ込む人が続出、貧困層が激増してしまったんですね。悲しい事に我が国は、先進国ではずば抜けてギャンブル依存症の人が多いんです…。罹患率は欧米の約4倍と言われており、其の数536万人、そしてアルコール依存症が109万人の由です。果たして、国はこういう事実をちゃんと確認しているのかなァ…。こんな状況でカジノがオープンしたら、直ぐにも社会問題化するのは、火を見るよりも明らかでありましょう。そしてね、日本国民の7割が、中小企業に勤める方と其の家族です。皆さん黙々と、日々額に汗して働く、善良な勤め人でしょう。僕、博打を産業にして、国の経済を活性化させようだなんて、邪道中の邪道であり、日本人の国民性に合わないと思います。お天道様の下、きちんと働くのが本道ですよ。其れをね、博打をして安直に金を稼ごうだなんて、国の為政者が言う事かなァ、ホントに情けないです…。

閑話休題、此の国には、極端な対立や貧富の差、激しい意見の相違は、そぐわない気がしてなりません。尤も、言うべき事も言わずに我慢して、状況が悪化する時もありますから、何とも悩ましい問題ではありますよね。さて僕、其れを象徴するのが日本古来のゲーム、将棋と思うんですよ。でね、将棋に似たゲームって、世界各地で独自の進化を遂げたんですね。元々は古代インドのチャトランガというゲームが元祖ですが、欧米に渡りチェスとなり、モンゴルではシャタル、韓国のチャンギ、中国の象棋、タイのマークルック、中近東のシャトランギ、エチオピアのセヌテレジと、夫々ルールが異なります。又、ボードゲームの代表格として、中国で生まれた囲碁もありますよね。さて、日本の将棋は、どのゲームともはっきり違う処があります。其れは、他のボードゲームは、敵味方を色分けしてあり、ゲーム後は別々に収納します。将棋は色分けしてませんから、ゲーム後は、敵味方の駒は、駒袋の中に一緒に収まるんですね。即ち、将棋とは対話のゲームであり、試合後はノー・サイドという、非常に日本的で、平和的な考え方が根底にあるんじゃないかなァ。僕、日本人の美点と思いますよ~。

さて、其の将棋界の棋士の皆さん、僕、心から敬愛しているんですが、実は今年、とんでもない麒麟児が現れたんですね。藤井聡太4段でありまして、何と中学2年生、14歳でプロになったという、史上最年少棋士の誕生であります。谷川・羽生の両名人よりも速いプロ入りでして、何処まで伸びるのか、空恐ろしい気がします。さて、藤井4段のプロデビュー戦が昨日決まったんですが、其れが何と、現役最年長、御年76歳の加藤一二三9段でした。実は加藤9段も中学生でプロ棋士になり、藤井4段に破られるまでの62年間、史上最年少記録保持者でして、新旧天才対決という訳です。早速、加藤先生のツイッターを見ましたら、62歳差を超えて、戦える事に感謝されていました。また、藤井4段も「身が引き締まる思いです。力を出し切れる様に頑張りたい。」との事でして、対局の日はクリスチャンの加藤先生に合わせたかの様なクリスマス・イブ、将棋の神様も粋な計らいをしますねえ。

62歳差を超えて同じゲームが出来る、此れぞコミュニケーションと思いませんか!?そして、「此の駒を取りますよ。」「そうですか、ならば私はこちらの歩を取ります。」、此れを繰り返すのが将棋ですから、棋は対話なり、と言われるのが分かって頂けたら幸いです。さて、先の自民党のカジノ法案の強行採決、此れなぞ対話を放棄している訳で、何だかがっかりしますが、皆様、コロンビアからのニュース、ご覧になりました?とは言っても、悲し過ぎる飛行機事故の件ではありません。

実はコロンビアという国、薔薇と宝石の産地ですけれど、まァ数世紀に渡り、絶え間無い戦乱が果てしなく続いておりました。紀元前から居たインディオ達が国を統治していた頃は、至って平穏無事だったのですが、15世紀にスペイン人が此の地を植民地としてからは苦難の連続なんですね。イギリスから攻め込まれ、撃退後はスペインとの間で独立戦争、其れには何とか勝つものの、独裁政権が樹立してしまうんです。其の結果、国内は、大地主や有力者を中心とする保守層+与党VS労働者・農民・学生+野党の構図となり、其処に軍部・共産党系のゲリラ部隊・麻薬マフィアまで絡んでしまいまして、もう滅茶苦茶な状態となってしまいました。何とまァ、此の対立、つい此の間まで52年間、半世紀を超す長きに渡ったんですが、漸く先日、解決となりました。其の立役者が、コロンビアのサントス大統領でして、アメリカの大学を卒業後、イギリスに渡りハーバード大を出て、そして母国の新聞記者を務めたという方であります。余程研鑽を積まれたのでしょう、そして勉学をして現場を見て相手の言い分も認め、5年近い粘り強い対話と交渉の末、今回の平和を勝ち取りました。僕、サントス大統領を尊敬しますし、本年度のノーベル平和賞受賞は当然の事と感じます。リーダーとしての鉄則、「決断を急がない」を肝に銘じておられたんじゃないでしょうか。

やはりね、日本の現政権の様に、徒に対立を煽る様なやり方は下の下ですよ。将棋の様にサントス大統領の様に、迂遠に見えますけれど、対話こそが問題解決の一番の早道、僕、そう思います。

さて、週末は冷え込む上に天気は下り坂の様子、皆様、風邪には充分お気を付けて、素敵なウィーク・エンドをお過ごし下さいね(^.^)/~~~それでは月曜日に又お会いしましょう♡
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