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☨ 最後の晩餐 ☨

読者の皆様、こんにちわ!いやあ、久方振りの更新となりましたけれど、如何お過ごしでしたか!?僕、先週はずっと都内におりまして、毎年夏に行われる、日本精神科病院協会開催のセミナーに参加して来ました。今日は溜まった書類を処理し、不在時の報告を受けていたら、拙ブログの更新が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでしたm(__)m。

さて、先週は講師の先生方のお話を、真面目に聴講していたんですが、やっぱり、官僚の人の喋り方って駄目ですねえ。アロガントでセルフィッシュ、即ち、傲慢かつ自己中心的なんですよ。隔離された世界に居ますから社会性皆無で非常識、従って早口かつ独善的な物言いですし、己の都合の悪い話題は少しずつ論旨をずらすという、極めて無責任な話ぶりでした。でも、こういう輩って、注意して観察すれば、実社会でも散見されます。只、民間の場合、失敗や失礼を繰り返せば顧客が減り、倒産してしまいます。でも、官僚の場合、チェック機関がありませんから、大失敗を繰り返し続けても、蛙の面へ何とやら、誰も責任を取らず、のうのうとデカい面をしている訳ですよ、全く。僕、まだ政治家の方が良いと思いますのは、彼らの場合、何年かに1度は選挙がありますから、変な奴は自然と淘汰されますもんね。でもね、僕達もしっかりしないと、と思ったのですが、先程ネットの記事を見ていましたら、「生活が苦しくて…」と、田舎の両親から電話があったと。都内に居るお子さんが、「お母さん、そりゃ自民党に入れてるからだよ。彼らの政策をご覧よ。」と答えた処、「エエッ!何処に入れても同じと思ってた!」ですって。此れ、アパシー、政治的無関心と言いますけれど、其れにしても酷過ぎます…。やっぱりねえ、国民夫々が、勉強し研鑽を重ね、感性を磨かなくては、此の国は何れ、潰れてしまいますよ!

という訳で僕、八十の手習いという諺もあるぐらいですし、都内に居る間、寸暇を惜しんで色々と行って参りました。とは申しましても、左程自由時間がある訳では無く、面白そうな映画も無く、此処は1つ、ポイントを絞らなくてはと思い立ち、こりゃ神田神保町が無難だろうと、研修先の芝公園駅から三田線に乗りまして、世界一の古書街に行って来た次第です。いや、すっかり堪能しましたし、永井荷風の「断腸亭日乗」全7巻を発見、すかさず購入し発送出来たのは嬉しい限りでした。早速今晩からじっくり読もうっと。でもね、先程世界一の古書街と書きましたけれど、確か全部で160店舗あるのかな、其れもね、ジャンル別の本屋さんなんですから、一見の価値はありますよ。松本清張と司馬遼太郎だけを扱ってたり、江戸時代の古地図と浮世絵のみとかね。漫画や映画のサブ・カルチャー、舞台や美術書、中国文学に翻訳書、そうそう、イタリアという国に特化した本屋さんもあるんです。此処、前々から知ってはいたんですが、料理本や新聞、小説に画集、政治書に写真集のみならず、イタリア直輸入のバッグやアクセサリーも売ってたりして、外人さんも多く、国際色豊かでした。さて、僕が「断腸亭日乗」を購入した三茶書房さんは日本文学が専門、しかも個人全集を主に扱っている処でした。鴎外に谷崎に鏡花等のビッグ・ネームは当たり前、横光利一や林芙美子や尾崎紅葉までありまして、僕、持って帰りたくなりましたが、全40巻とかですもんね~。値段も手が届かないのは勿論ですけれど、こんなのを買ってしまったら、40冊のハード・カバーを背負い、残りの道中は殆ど登山でありまして、泣く泣く断念しました。

そしてね、神保町って、美味しいお店が多く、文人墨客が足繁く通った街でもあります。例えば天婦羅の「はちまき」なんて、何処でもある様な、値段も安く美味しく気取りの無い処ですけれど、お店に入れば、江戸川乱歩に井伏鱒二、海音寺潮五郎に新田次郎、色紙や写真が処狭しとあったりしますもんね。僕、此処に来れば必ず、穴子海老天丼かかき揚げ丼か迷うのですけれど、何れにしてもサクサクの熱々でして、是非お試しあれ。さて、今回寄りましたのは、ビアホールのランチョンでした。此処、英文学者で作家の吉田健一先生のご贔屓のお店でして、吉田茂首相のご長男ですね。そう聞きますと、何だか格式の高いアイリッシュ・パブと思われるかもしれませんが然に非ず、ざっかけない、下町のてきぱきとしたサービスの安価なお店であります。炎天下を歩き廻った後の、クリーミィな泡の生ビールは大層美味でしたし、出来ますものは色々ありますけれど、何と言っても名物のビーフ・パイでありましょう。此れ、吉田先生の発案でして、談論風発の真っ最中に、手で食べる事の出来るおつまみを、という訳で出来た品なんです。即ち、パイの中に熱々のビーフ・シチューを詰めた物でして、これまた大変結構でした。僕、作家所縁のお店には随分行きました。永井荷風ご用達、蕎麦の「尾張屋」、洋食の「キッチンアリゾナ」。谷崎がこよなく愛した親子丼の「玉ひで」、生家の直ぐ傍の定食屋の「小春軒」。鴎外の行きつけの蕎麦屋の「蓮玉庵」、洋食屋の「精養軒」。歌人斎藤茂吉が足繁く通った鰻屋、「竹葉亭」。三島由紀夫の最後の晩餐となった鳥鍋の「末げん」。何れ劣らぬ老舗、格調溢れる名店揃いながら、かと言って気取りが無く納得出来るお値段なんですよね~♡

さてさて、神保町には小さな画廊も点在していまして、其れは立ち寄った人形町も同様なのですけれど、シャガールにミュシャ、ロートレックにゴッホ、棟方にカラヴァッジョ、中にはレプリカもありましたけれど、名画を観る事が出来、眼福でした。僕、其処でふと気付いたんですよ。海外の名画には、食事を題材にした物が多いんですが、本邦では、高橋由一の鮭の絵が目立つぐらいでしょ。日本人画家では最も海外の評価が高い、藤田嗣治にしても、僕の記憶する処では、「カフェにて」の貴婦人の傍らに赤ワインのグラスがある程度です。食事って本当に大切な物、此れが無くては生きて行けません。又、時には互いの距離を縮めたり、冠婚葬祭の折にも欠かせませんよね。彼の有名な三国志の桃園の誓いにしても、劉備・関羽・張飛の三傑が、豪奢な食事と美酒を酌み交わし、義兄弟の契りを結びます。では何故日本には、食事をモチーフした絵が無いのか、僕、神保町を歩きながら、とつおいつ考えていました。

海外ではね、古代イタリアのポンペイの遺跡に、魚を抱えた青年の絵が発見されたぐらいでして、レンブラントの解体された牛の絵も、ゴッホの寒村の食事風景も、勿論ダビンチの最後の晩餐も、何れも食をモチーフにした物です。僕、ふと気付いたのは、やはりキリスト教の影響だと思うんです。ワインはイエスの血であり、パンはイエスの肉、そう言われていますし、古い戒律では、クリスチャンは金曜日には魚を食べますでしょ。此れ、金曜日はイエスが十字架に掛けられた日だからですもんね。其の手の戒律が皆無の我が国では、食=宗教をテーマにする絵画が発達しなかった、という僕の結論でした。興味深いのは、アンディ・ウォーホールです。現代ポップ・アートを代表する画家でしたが、缶詰のキャンベル・スープの絵で一躍有名になりました。最先端を走り続けた彼は、87年に亡くなりましたけれど、最後に手掛けたのが、ウォーホール流の、「最後の晩餐」でした。ニューヨークを闊歩し、肩で風を切って歩いていた彼も、最後は原点に戻るんですねえ。考えてみれば、西洋の芸術、文学も映画も絵画も、聖書を題材とし、格闘する物が非常に多いですもんね~。と、自分なりの解釈が腑に落ち、途端にお腹が減り、お蕎麦屋で夕飯を済ませた僕でした。

久々にブログを書きましたが、やっぱり楽しいなア。其れでは皆様、今週は休み無く更新出来る筈ですので、今後とも拙ブログをご贔屓の程、何卒宜しくお願い致しますm(__)m。
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