FC2ブログ

♪ カストラート ♪

読者の皆様、おはようございますm(__)m。週末は如何お過ごしでしたか!?僕、遠方で仏事があり、新幹線に乗って移動の連続でした。生憎の鬱陶しい天気もあり、疲れ果ててしまいまして、昨日は終日寝たっきり、お蔭で随分楽になりましたけれど、未だ頭の中がすっきりしませんねえ。仕事が無ければ、アメリカン・スタイルで、ウオッカ・ベースのブラッディ・メアリーを目覚めの一杯で呑みたい処ですが、とてもとても…。此の疲労の残り具合では、直ぐに酔っ払ってしまって、寝床に逆戻りになりそうです。

さてさて、電車に乗っている最中、携帯で知ったのですが、イギリス、とうとうEUを離脱しちゃいましたねえ。此のトピックスについては、随分前から、拙ブログで再三再四取り上げて来ました。自慢じゃありませんが、僕の予想がどんぴしゃり、少々怖い気もしますけれど、皆往生の素懐を遂げるとぞ聞こえし、とうとう大英帝国の終わりの始まりと言えましょう。全世界に植民地を持ち、日の沈む事が無いと言われた大帝国も、驕れる人も久しからず、スコットランドや北アイルランド、そして何とロンドン市までもが独立を目指しています。ケルト系のスコットランドやアイルランドは分かるにしても、ロンドンは国際金融センターとして、シンガポールのスタイルを目指しているかの様でして、いやァ、吃驚ですよねえ。上記のシナリオですが、ロンドンは未だしも、スコットランド以下は独立の可能性が高く、投資家の皆様、今が底値じゃないと思いますよ~。1か月後に予定される国民投票で、スコットランドが無事独立を果たせば、またまた株価は大暴落、其れは確実でしょう。何せ、イギリスに支社や工場のある日本企業は、凡そ1400社と言いますから、日本の株価に影響が出ない筈がありませんよね。たけき者も遂には滅びぬ、哀れイングランド人の国は、日本で謂えば、本州の西日本--山口から大阪まで--程度の、小さな面積だけになってしまいそうです。

投票結果を精査しますと、僕、非常に興味を覚えました。と申しますのは、将にパンドラの箱を開けた感がありまして、票の偏りが凄まじいんですよね。地域・世代・身分--イギリスは階級制の国です--は勿論の事、収入の多寡・信ずる宗教に依って、離脱派か残留派かが、綺麗に分かれていました。其れに加えて、アングロサクソンVSケルト、移民の賛否もありますもんね。もう少し大きな視点で見ますと、領土に安全保障、経済に政治の問題--イギリスの首相は勿論、野党党首も変わるそうです--もありますし、将に藪をつついて蛇を出すでありまして、キャメロン元首相、覆水盆に返らず、今頃相当後悔していると思いますよ~。そして、EUや自国からの独立のムーブメントが、欧州全域に拡大しています。オランダ、スペイン、フランス、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ハンガリーにチェコ辺りは、EU離脱を目指し、息を潜めて様子を伺っている状況です。どうもね、ロシアが手を突っ込んで、此の混乱を巻き起こしているという見方もあり、此の五里霧中暗中模索の状態、まだまだ続きそうですねえ。

其の大混乱、カオスを象徴するのが、各種の数字でしょう。今回の国民投票をやり直そうという署名は、何と340万も集まりました。ロンドン市が独立すべきとの主張に、15万人が賛同しています。そして、金曜日1日だけで、世界経済の損失額は215兆円にも上るとか。僕、不思議でなりませんのは、英国王室からは、何の発言も無いんですよね。まァ、下手すると彼らの身分もどうなるか分かりませんから、沈黙は金、様子を窺う事で精一杯かも。そしてね、此の状況が続きますと、経済は勿論なんですが、誰も言わないんですが、軍事面でも非常な混乱が生じる筈なんです。英国海軍の3大根拠地の1つ、クライド基地は、スコットランドにありますから、此の軍港も喪いますもんね。そして、地中海の要衝、ジブラルタルはイギリスの飛び地の軍港なのですけれど、此の地は、スペイン国内にありますから、今直ぐに返してくれ、と言って来るのは必定でありましょう。又、EUは欧州の軍事同盟でもありまして、ヨーロッパ各国は皆、ドイツのレオパルド2が正式戦車です。でも、EUから離脱すれば、此の戦車使うな、という事になる可能性が生じます。東欧の陸上の守りに空白が生じた際、ロシアが狙って来ないとも限りませんよ~。

経済面に関しても、EUに属している時には掛からなかった関税が生じますから、英国にある多くの外国資本の工場は、欧州本土に移転するでしょう。そして、スコットランドや北アイルランド独立により、600万を超す人口が一挙に減ります。スコットランドの多くの港、石炭、北海油田、大金融センターのエディンバラ、シリコングレンと呼ばれる多くの巨大半導体産業、スコッチウヰスキー、酪農、これらをイングランドは全て喪う訳で、何とまァ愚かな選択をした事か…。

僕、偶々「マネー・モンスター」という映画を観たんですね。此れ、サスペンスフルかつ舞台劇の様、役者さんの演技には少々違和感があったのですけれど、中々の作品でした。株式市場を題材にした作品でして、TVの司会者が、「此の会社の株を買え!絶対に損はしないぜ!」と、視聴者を煽りに煽るんです。其れを鵜のみにし、貧困層の若者が、其の株を買うんですね。ところが敢え無く株価は大暴落、若者が番組の生放送中に闖入、立て籠もる、というお話でした。マネー・ゲームに奔走する現代社会、其の本質を捉えた佳作と思います。劇中、白眉と思いましたのは、貧困層の若者が、富裕層である司会者に喰ってかかるシークエンスがあるんですね。「時給14ドルで、此のニューヨークで、どうやって夢を見るんだ!千ドルを超すスーツを着た奴に説教されたくない!」、其の通りでありましょう。でも、本作のヒロインであるジュリア・ロバーツ、余りに整形し過ぎでして、何だかまるで人造人間の様で苦手、どうにも馴染めなかったなァ…。

さて僕、此の問題、実は先の英国にも共通している様に思ったんですよ。と言いますのは、離脱派は功なり遂げた富裕層である高齢者達が殆ど、残留派は貧しい若者達ばかりだったでしょ。僕、人生の先輩であるご老人の叡智も、とっても大事と思います。でもね、老いては子に従え、という諺もあります様に、今後の英国を背負って立つのは若者じゃありませんか。大英帝国の夢よもう1度、ご老人の考えも分からんではありませんが、今回の選択ばかりは、英国史に残る大失敗だと思うな~。

でもね、どんな生き物にも寿命があります。僕、英国という形態は、其の使命を終えたのかな、そう感じるんですよ。やっぱりね、日本よりも小さな島国が、7つの海に植民地を持ち、全世界を何百年も仕切っていたって、相当無理がありますもんね。そして、自国内でも、スコットランドを始めとする、ケルト系の人達から搾取を続けて来たが故の繁栄でしょう。大英帝国のプライドと、移民やEUへの疑心暗鬼が故に自滅したという、何だか英国を代表する劇作家、シェークスピアの「マクベス」を思わせる結末でした。やっぱりねえ、無理って良くないですよ。奴隷からの収奪や、自国民への圧政からの繁栄なぞ、ひとえに風の前の塵に同じ、驕れる者は久しからず、であります。其の「無理」で想起されますのが、バロック期の欧州で人々から絶賛された、カストラートでしょうか。此のカストラートとは、男性歌手の局部を切っちゃうんですね。即ち去勢でありまして、変声期の前に切断するんです。どうなるかと申しますと、声は美しいボーイ・ソプラノのまま、身体は大人に成長するんですね。ボーイ・ソプラノの高音を、大人の声量で唄えるという、野太くも艶があり高い声、という事なんでしょうね。少年にはシャウトする体力が無い、大人には子供の高い声が無い、女性は声量に難がある、ならばいっそ切ってしまえ、という凄い発想でした。勿論、非人道的ですし、現在ではカストラートの声は決して聴けず、音楽史の中に埋もれてしまいました。其れでも、異形の者が発する、其の蠱惑的な歌声は、まるで現在の新自由主義の様に、欧州の多くの人達を魅了した訳ですね。でもやっぱり無茶は無茶、やっちゃあいけない事、僕、そう思います。

其のカストラートじゃありませんが、彼らが歴史の陰に消えた様に、英国の皆さん、此れからは、決して無茶しちゃあいけませんや。今までの英国史を振り返れば、陰惨な裏切りと略奪と戦争の繰り返しでしょ。人様のプライドを踏みにじり、言葉や土地や財産を奪い、命を奪ってまでの繁栄なぞ、恥ずべき鬼畜の行為でありまして、本来ならば、お天道様の下を歩けませんよ。ブリテン島自体、元々はケルト系の人しか住んで居なかったんですから、アングロサクソン側に少しでも土地が残るだけありがたい、そう思わないと。さて、此の混乱、下手すると数年は続くかもしれませんが、どうか1日も早く、欧州に安定が訪れます様に…。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

しもごおり

Author:しもごおり
OSHブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR