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カインの末裔

今日は先ずはお礼から。昨日の段階で、拙ブログの総拍手数が、45万を突破していました。此れも一重に、読者の皆様方の日々のご贔屓の賜物です。此の場を借りまして、厚く厚く御礼申し上げます。若輩者の稚拙な話にお付き合い頂き、何時も本当にありがとうございますm(__)m。心より感謝していますし、今日で拙ブログの更新は1167回目になるのですけれど、何処まで続くか分かりませんが、先ずはプロ野球の名球会じゃありませんが、2000本安打ならぬ2000回を超える様、頑張ってみたい、そう思っています。今後とも、ご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い致しますm(__)m。

夜来風雨声 花落知多少、此処大分は、昨晩から凄まじい雷雨でして、僕、まるで地鳴りの様な音に感じ、幾度と無く目が覚めてしまいました。強烈な湿気の所為か、全身から疲れが噴き出る感があり、だらしない姿のまま、ひねもすのたりのたり哉、TVの前と布団を往復する有り様でして、すっかり怠惰に過ごしてしまい、反省しています…。さて、寝るのにも倦み、枕頭の書を読み耽っていたんですが、其れは、有島武郎先生の「或る女」という大正期の小説でした。いやァ、「或る女」、凄まじいお話ですねェ。本作は、日本文学全集には必ず入っている様な有名な作品でして、僕、未読でお恥ずかしかったんですが、読了後の感想は、ただただ強烈でした~。美人で勝気な女性が、親の決めた相手と結婚の為、渡米するのですけれど、蛍火や 女の道を 踏み外し、其の航海中、客船の事務長と灼熱の恋に落ちてしまうと。2人はアメリカで下船せず、そのまま帰国、愛の逃避行にひた走る、というお話でした。吃驚したのは、此れ、殆ど実話でありまして、作者の友人の実体験に基づいているんですね。ですから、作者も名前を変えて作中に登場しますし、昼ドラの様な通俗的なストーリィなんですが、流石は文豪有島武郎、緊密な文体ですし、学のある格調高い文章ですから、ちっとも下品ではありませんでした。しかもね、これまた吃驚しますのは、此の小説を発表した2年後、有島先生は、「或る女」を地で行く様に、美人の人妻と心中しちゃうんですから、将に事実は小説より奇なり、でありましょう。

さて、作中出て来ますヒロインが、コケットリーな魅力に満ち溢れた悪女であり、謂わばファム・ファタール、男性を破滅させる女でありまして、注意深く読みますと、有島先生、どうも彼女に惚れてたんじゃないかしら…。其れはさておき、僕、興味を覚えましたのは、有島武郎先生って、全てを持っていた方なんですね。生家は大富豪な士族であり男爵の家系、地元北海道には有島農場という大農園を持ち、学習院を出て北大を経てハーバードに留学、大学教授を務めながらベストセラー小説を多く手掛け、二枚目であり心優しい性格だった由、男性からは頼りにされ、女性にモテてモテて仕方無かったそうです。平々凡々な僕からすると、何だか羨ましく思います。でもねえ、月満つれば欠けるのが世の習いでして、有島先生、余りに全てが揃っていて、虚無的になってたんじゃないかなあ…。敬虔なクリスチャンだったり、アナーキーな思想にかぶれたり、心中の前には、有島農場を全ての小作人に譲り渡しているんですよね。僕、其処に、有島先生の悲劇を見ます。全てが揃うと、人は其れを壊したくなるんでしょうか。スポーツ界に目を向けても、マイク・タイソンに清原がそうでしょう。音楽やショー・ビジネスの世界は言わずもがな、最近のプリンスを筆頭に死屍累々じゃありませんか。そうそう、27クラブ、という言葉がありまして、ロック界のスーパー・スターは、ドラッグに溺れてしまい、何故か27歳で夭折された方が非常に多いんです。ジム・モリソン、ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、近年では、カート・コバーンやエイミー・ワインハウス…。そして、20世紀を代表する大富豪、ハワード・ヒューズにしても、飛行機と映画製作と巨乳のお姉さん達に入れあげ、最後はオーバードーズ、麻薬中毒の悲惨な死を迎えた訳ですもんね。

此処からは、全く僕の個人的解釈なんですが、大芸術家でも、長命の方も沢山いらっしゃるんですよね。有島武郎が属していたのは、白樺派、と呼ばれる文藝グループでした。でもね、此のグループ、45で亡くなった有島先生以外は、皆長生きなんですよね。僕、何故其の違いがあるのか考え、調べてみたんですが、其の答えの1つは、食生活にあった、そう思えるんですよ。

白樺派の筆頭格と謂えば、文豪志賀直哉と、画家の梅原龍三郎でありましょう。此のご両人、兎に角良く食べるんですよ。グルメと謂うよりグルマン、大変な食いしん坊でありまして、先ずは志賀先生ですけれど、代表作である、「小僧の神様」だって、鮨屋のお話ですもんね。僕、お弟子さんである、阿川弘之先生が書かれた伝記、「志賀直哉」をかって読んだ事があります。そうしたらまァ、朝ご飯のトーストに載せます物は、キャビアにフォアグラにチーズですもんねえ。鰻にすっぽんに洋食、中華に割烹に鮨屋と足繁く通い、渡欧中には、ローマで蛸を、スペインで海老を、フランスでフォアグラをガンガン食べています。ガマガエルを捕まえ焼いて食べ、沢に自生するクレソンをサラダにし、食べに食べて、88歳まで生きた訳です。だってねえ、志賀先生、ご自身の日記に、「みだらでは無い、強い性欲を持ちたい」と書き残しているぐらいですから、それだけ食べていれば、そりゃ精力絶倫でしょう。

梅原先生も負けてはおりません。僕のオフィスには、其の梅原先生の薔薇の絵が掛かっていますけれど、流石はルノワールのお弟子さんでありまして、一事が万事、フランス流なんですね。大好物は、コニャックとフォアグラ、フカヒレと鰻、ビフテキにスコッチ、そしてね、フレンチを食べた際の事です。フレンチの正餐では、オードブル、スープ、サラダ、ソルベ、魚、肉と進んで、フロマージュ、チーズが出ますよね。でもね、其の日のお料理が今一つな場合、口直しで、〆にチーズを食べる習慣があるんですって。そして、マールという、葡萄の搾りかすで造った、40℃の強いブランデーも呑むと。梅原先生、フレンチを鱈腹食べた後、「ううん、今日はどうもいかんな」と言い、ギャルソンを呼び、大きなチーズとストレートのマールを、ぺロリと平らげたとか。同席していた日本人は、皆さんお腹一杯、とても食べられなかったそうですよ。又、鰻の獅子喰い、と称して、手を使わずに大量の蒲焼に喰らいつきたい、常々そう仰っていたそうです。90を過ぎても裸婦のモデル達を口説きまくり、此の迫力と食欲と性欲には脱帽しますが、道理でね、97歳まで生きただけの事はあります。

相反する様に、有島先生は食には左程興味を持たず、殆どベジタリアンに近かったそうです。僕、ベジタリアンを決して否定する訳ではありません。でも、物事何でも自然が一番、そう思うんですよね。肉も魚も、貝も野菜も、ご飯も豆も、其の時々の旬の物を、バランス良く美味しく頂く、其れが長寿の秘訣じゃないかしら。健全な精神は健全な肉体に宿る、よおし、此れから病院食堂で、美味しい給食を食べて、午後も頑張ります!
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