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敗れざる者たち

勝負は時の運、勝敗は兵家の常、勝負は鞘の内にあり、そう申しますけれど、昨夕、将棋の第74期名人戦に決着が付きました。46歳の羽生名人は破れ、28歳の若武者佐藤天彦新名人が誕生、「将棋界に激震走る」と、全国紙でも大きく扱われていました。僕、将棋をすこぶる愛していますけれど、両者の熱心なファンという訳ではありません。でもね、絶対的な強者が負ける時って、どんな世界でも大層物悲しいんですよね…。特に羽生名人は、棋界の記録を全て塗り替えた、歴代最強の棋士の一人でしょう。其れがねえ、つひに行く 道とはかねし 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを、あの天下無双であり、天馬空を行く発想を持った羽生名人が、無残過ぎる4連敗を喰らうとは…。僕、昨夕に其の棋譜を並べてみたんですが、最終局なぞ、途中までは寧ろ、羽生名人の方が良かったんですよね。其れが、いきなりの失速と申しますか、ボキリと折れるかの様な負け方でして、激戦が続き年齢故の疲労なのか、はたまた体調不良なのか、或いは棋力や気力が衰えたのか、目を背けたくなる感がありました。第2局でしたか、此れなぞ、敵方に詰みが生じていたのに、其れを見逃すなぞ、羽生先生には見られない凡ミスでした。其れにしても、羽生先生、一体全体、どうしちゃったの!?

さて、新名人の佐藤さんですが、天下の羽生さんを見事倒したのは特筆すべき大快挙ですし、立ち上がって拍手を贈りたいと思います。本当におめでとうございましたm(__)m。只、佐藤名人は此れが初のタイトル獲得でありまして、羽生先生は既に94回の戴冠を誇ります。正直、佐藤名人が羽生先生を、実績で抜く事は難しいでしょう。そして、タイトルは取って防衛して一人前、という言葉があります様に、佐藤名人の評価を下すには、未だ時期尚早と思いますねえ。そして、今回は、羽生先生は明らかに本調子ではありませんでしたから、リターンマッチで、両者の真の実力が分かる様に思います。

僕の大好きなボクシングの世界でも、かって全世界の注目の的だった、無敵のスター・ボクサーが、相手を翻弄し続けた抜群の反射神経や驚異のスピードを何時しか喪い、無残な敗北を喫するのを幾度と無く見て来ました。輪島に具志堅、辰吉に長谷川、最近では三浦に内山…。海外に目を向けますと、そうですねえ、スーパー・スターのレナードもタイソンも、チャベスもデラホーヤも、引退を決めた敗戦なぞ、哀れなものでした。また、エドウィン・ロサリオやアルツゥロ・ガッティ、フロイド・パターソンもジェラルド・マクラレンも、素晴らしいボクサーでしたのに、末路は悲惨極まりなかったですもんね…。

ビジネスの世界も同様ですよね。古くは、天皇と呼ばれ、流通界の革命児と賞された、三越百貨店社長の岡田茂。同じく流通業界の革命家と呼ばれた、ダイエーの中内社長。セブンイレブンの会長であり、コンビニ業界の父祖である、鈴木敏文。皆さん、天下を取ったのに、失脚の憂き目に遭いました。戦も同じです。古代ギリシャのスパルタ。ローマ帝国。其れに強く対抗したカルタゴ。近世のスペイン無敵艦隊。ナポレオンにヒトラー。本邦ならば、蘇我入鹿に平清盛に木曾義仲、足利義満に織田信長に大久保利通。皆、猛き者も遂には滅びぬ、でありましょう。

でもね、かっての時代は、一度負けると首を刎ねられ、一族郎党も同様の目に合うという厳しい制裁が待っていましたけれど、現代は決してそうではありません。たとえ倒されても、又立ち上がれば良いんです。大事なのは負けた後でして、其処でどう振る舞うか、如何に努力するかで男の真価が問われる、僕、そう思います!個人的な話になって恐縮ですけれど、僕なんて、紆余曲折五里霧中、散々酷い目に合いましたよ~。以前の勤務先の事ですから、もう随分昔になりますけれど、鶏が啼く頃から日付が変わるまで毎日働いて、銀行からは足蹴にされ、取引先には馬鹿にされ、同業者からは蔑まれ、味方からは裏切られ、其れが延々続く、散々な10年間でした。其れでも、「自分は真っ当にやっている。決して間違っていない。」と、艱難汝を珠にす、逆境が人を造ると、歯を食いしばって前を向いてやって来ました。物事が好転し始めたのが十数年前でしたか…。其れまでの努力の貯金に、金利が付いて戻って来る感がありまして、現在に至る、という訳です。そうですねえ、ボクシングで喩えれば、20戦15勝(10KO)4敗1分、という感じかなァ…。

さて、羽生先生は、希代の大棋士ですから、心身共に疲れを癒し、リフレッシュすれば、僕、きっと復活して来ると確信しているんです。何れ又、鬼神の様な強さを見せてくれるんじゃないかしらん。僕、気になりますのは、昨日執行猶予付きの判決が出た清原選手です。僕と同い歳なんですよね。僕のティーン・エイジャーの頃なぞ、こちらは田舎の平凡な高校生、かたや清原選手は甲子園の大スター、仰ぎ見る存在でありました。僕が自転車を漕いで古本屋さんでアルバイトをしている頃、あちらは1億円プレイヤーでフェラーリに乗っているんですから、こりゃもう勝負あった、であります。犬の世界ならば、僕がお腹を見せて服従している処でありましょう。そして、華麗な現役生活の後、今回の違法薬物での逮捕、判決が下ったんですが、僕、思うに、清原選手、マイク・タイソンの転落ぶりと酷似している様に感じます。

独特のフォーム、驚異のスピード、爆発的なパンチ力、僕、秘かに、全盛期のタイソンは、歴代ヘビー級チャンプの中でも、最強だったと思っています。好漢惜しむらくは、清原選手同様、ハートが弱かったんですよね。そしてね、此の2人の大スターの共通項は、「喪失」です。タイソンは、全幅の信頼を置いていた老トレーナーと死別、ビジネス・マネージャーとは喧嘩別れ、激しい女性関係による出会いと別離を繰り返し、気付くとイエスマンの悪い取り巻きばかりが周囲に居て、諫言を言う人は誰も居なくなるんですね。最後には、唯一の頼みの綱だったボクシングでも、自分の思う様にパンチを打てなくなり、自暴自棄になると。清原選手の記事を見る限り、マイク・タイソンと同じコースを辿っている様に思えてなりません。

清原選手が再起するには、先ずは本当に信頼出来る人を見つける事でしょう。簡単に見えて難しい事なのですけれど、愛と信頼でしか、人は立ち直れない様に思います。憂さ晴らしの暴力や、酒や、ドラッグや、派手なお姉さん達には、決して答えはありませんよ。僕、あれだけの実績を残したスターである清原選手ならば、必ずや再起出来ると信じています。僕や当院で、手助け出来る事がもしあれば、協力は惜しみませんよ!そしてね、人間到る処青山あり、何も野球に固執せずとも良いじゃありませんか。因みにタイソンですが、流石はヘビー級最強の男、見事に立ち直りつつあります。現在は何と、映画に出始めまして、「イップマン」というシリーズなのですが、アジア全域で大ヒットだとか。僕、予告編だけ観ましたけれど、確かに面白そうですね~。僕と同世代の男子、ほぼ全員のヒーローだった清原選手なんですから、兎に角、負けずに頑張れ!此れだけは言いたいんですが、清原選手の罪は決して宜しくありませんが、大勢の人達に迷惑を掛けた訳じゃありません。其れに較べますと、税金を猫糞した都知事や、明らかに口利きで多大な利益を得た甘利や、其れを見逃す検察の方が、僕、余程罪が重いと思いますよ~。だって、迷惑を掛けた人数や金額が違い過ぎますもん。こいつら皆、とっとと捕まえたら良いのに。
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