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ワルキューレの騎行 

おはようございます。読者の皆様方も、そろそろ正月休みが終わり、仕事始めの方も多いかと存じます。お屠蘇気分も抜けないとは思いますけれど、1年間、お互い頑張りましょうね!

昨日、僕、年頭のご挨拶を、スタッフ全員の前でさせて頂きまして、拙い内容だったとは思いますが、今後の当院の在り方、そして医療業界の方向性等々、一所懸命お伝えしました。夕方に退社しまして、麦酒を一口飲み、安倍総理の年頭所感をニュースで見ていたんですが、このご仁、脳天気というか現状認識能力に欠けているのか、呑気な太平楽を並べておりまして、愕然としました。挑戦という言葉をしきりと連発した上、「震災の復興は新たなステージに進んだ」「もはやデフレでは無い」「日本が将に世界の中心で輝く1年」「世界の中で日本がリーダーシップを発揮して行く」、身の程知らずの戯言でありました。あのねえ、悪いけど、複雑怪奇で魑魅魍魎が跳梁跋扈、百鬼夜行が徘徊する国際政治のパワー・ゲームの中で、アンタがリーダーとなって取り仕切る能力なんて、ある訳無いでしょ!?馬鹿と煙は高い処が好き、なんて申しますけれど、豚もおだてりゃ木に登る、もうね、大人しくして、内政の充実のみ考えて欲しいですねえ。年金、赤字国債、東北の復興、少子高齢化対策、地方と都心部の経済格差の解消、此れだけでも大難題でありまして、其れがきちんと処理出来てから、「世界の中で日本がリーダーシップを発揮」すれば良いと思いますよ。テメエの頭の上の蠅も追えない癖に、隴を得て蜀を望むという、実力以上の高望み、アンタとはもうやってられんわ、失礼しました~、と言いたい処であります。大体ね、自分のオツムの出来を考えれば、出来る事と出来ない事ぐらい分かるでしょうに、虚言癖でもあるんですかねえ、こんな総理を戴いているのは、僕達国民の不幸でありましょう。

と言いますのもね、年明け早々から、世界は激震じゃありませんか。サウジアラビア・バーレーン・スーダンとイランが国交を断交、中東は大揺れです。スンニ派が大多数を占めるサウジが、拘留していたシーア派の指導者を処刑しました。その結果、シーア派が多いイランが猛反発したんですね。イランにある、サウジ大使館や領事館が暴徒に襲われ放火、という最悪の事態となりました。此れ、中東の国々の殆どがスンニ派なんですよね。僕の私見ですけれど、少数派のシーア派は、イスラム教が絶対であり、血縁を重視します。スンニ派は、もう少し柔軟性があり、イスラムの教えさえ守っていれば、指導者は血縁者じゃなくても構わない、という考えでしょう。ISを支持しているのはスンニ派であり、おまけに中東は世界有数の産油国ですから、この紛争が続けば、原油価格にも影響が出ますよね。今現在、同じ中東のイエメンやシリアでも内戦状態な訳で、となりますと、世界経済にも多大な影響を及ぼします。此れにタリバンやロシア、アメリカやイスラエルの思惑も当然絡んで来る訳で、下手をすると、第5次中東戦争ですよ、トホホ…。おまけに、昨年から揺れ続けるウクライナですが、とうとうデフォルト、破産してしまいました。確か、日本政府は1500億円を彼の国に融資した筈ですけれど、此れ、多分返って来ませんよ。政府与党の大失策と思うんですが、大手マスコミは全く報道しておりません。そして、アメリカはオレゴン州で、150人の武装市民が自治体の建物を占拠、「連邦政府の圧政」に抗議活動を開始、市民への参加を呼び掛けています。オレゴンと言えば、州の自治権が非常に強い、極めてリベラルな土地柄として知られていますが、地元の農家の方々がこぞって武装蜂起だなんて、こりゃあ滅多に無い事件と言えましょう。

僕、今度の正月休みに、内田樹先生の諸作品をまとめて再読しておりました。此の内田先生、今現在、僕が最も信頼する学者なんですね。専門はフランス現代思想、神戸女学院大学教授を務め、合気道七段の武道の達人であり、多くのベストセラーを著している先生であります。其の内田先生の対談集を読んでいて、僕、強く共感した部分がありまして、其れを要約しますね。

TVを見ていたら、G7のニュースをやっていました。真ん中に立っていたのはドイツのメルケル首相です。記念撮影の立ち位置は、国際間の力関係を表します。今、G7の中で、最も重要視されているのは、ドイツという事でしょう。僕達が気付かないうちに、ドイツの力はそこまで強くなっているのでしょう。「ドイツが出て来たら、どうなるんだろうね」と言いながら、僕は日本はその備えを全くしていないと思いました。何しろ、今の日本では、ドイツ語を読める人がどんどん少なくなっています。人文系の学科で、真っ先に衰微したのが独文科でした。かっては、ドイツの法律、文化、文学、宗教の専門家が沢山いました。でもこの30年間、独文も仏文も、「アメリカの覇権」のあおりを受けて、すっかり存在感を喪いました。今回の安倍政権の、人文系学科の廃止で、そのあたりの専門分野は、もっと冷遇されるでしょう。今、ドイツが、世界を動かすキー・プレイヤーとして浮上して来ています。ところが今、日本のドイツ専門家は、アメリカ専門家の1000分の1もいないでしょう。もし、アメリカが衰退した時に、何処か他のリーダーが出て来ると考えれば、その備えはしておくべきでしょう。アメリカの支配が終わった時、日本はどの国と結んでいくのか、どういう国家戦略で行くのか、そういうシュミレーションを誰もしていない。歴史は動くという、当たり前の事を、想定していないんですね。そして勿論、イスラム社会への対応も非常に大事でしょう。でも、我が国のイスラム専門家は育っておらず、国際的なネットワークもありません。

うう~ん、僕の考えと殆ど同じでありまして、以前の拙ブログでも再三触れましたけれど、今まで世界を制覇した国は3つ、古代ローマ、大英帝国、アメリカであります。夫々、パクス・ロマーナ、パクス・ブリタニカ、パクス・アメリカーナと呼ばれていますよね。かっては、情報伝達の手段が限られていました。帆船に伝書鳩、早馬や飛脚ぐらい、新聞すら無かった訳で、時代の流れが非常に緩やか、よって、夫々の帝国は長く栄華を誇りました。でも、現代はこれだけ情報機器が発達し、世の中の流れが非常に速くなっています。となると、その帝国の賞味期限も、自ずから短くなるのは自明の理でありましょう。

僕、民主主義の根幹、其れは「多様性」だと思うんですよね。自分とは異なる価値観やライフ・スタイルや考え方を許容する事、それこそが民主主義と思います。石川さゆりでもモーツアルトでも、坂本龍一にももクロ、椎名林檎やビートルズ、どの音楽も素晴らしい点がある訳で、今の日本政府の施策は、「兎に角ワーグナーが良いんだ!これだけ聞け!」てなもんでしょ。「僕、ビヨンセを聞いても良いですか?」「駄目だ!ワーグナーだ!」って、これじゃあ只のファシズム、独裁とちっとも変わりませんや。先の内田先生の含蓄に富む言葉を味わえば、「世界の中で日本がリーダーシップを発揮していく」なんて馬鹿げた事は、僕、とても言えないと思うなあ。
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