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kingsman : the secret service 

読者の皆様、おはようございます!週末は何だか蒸し暑く、座っているだけで、じっとりと汗が滲む様なお天気でしたが、如何お過ごしでしたか?僕、溜まっていた海外のTVドラマやボクシングの世界戦を観たり、犬の散歩をしたりと、割とのんびりしていたんですが、それだけでは詰まりませんから、大分駅の映画館に出掛けまして、「キングスマン」という、荒唐無稽なスパイ映画を観て来ました。近年のシリアスな、ジェイソン・ボーンや007のシリーズや、かってのオースティン・パワーズの様なコメディとは一味違い、いやァ、面白かったです!流石は、「キック・アス」や「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」でメガ・ヒットを飛ばしたマシュー・ヴォーン監督でありまして、スパイの小道具への拘りは充分感じますし、アメリカン・コミック風の味付けと外連味たっぷり、そしてイングランド出身らしく、シニカルな脚本も光りました。父と息子の関係、そして青年の紳士としての自立が縦軸であり、横軸が復讐であり世界を救う、という構図のお話なのかな。しかし、この監督さんのフィルモグラフィを見ていますと、どうも復讐譚が多く、若かりし頃にイジメを受けていて、それを映画の中で昇華しているんじゃないかなあ!?さて、007の多くの作品群を下敷きにしたシークエンスも多く、ジェームス・ボンドがこよなく愛したウオッカ・マティーニのレシピ、「ステアでは無くシェイクで…」を言う件なぞ、僕の様な長年のファンの皆さんは、思わずニヤリッとしたのではないでしょうか。勿論、美女とベッドで…、もお約束ですよね。そしてね、劇中にも主人公自らが触れますけれど、かっての名画へのオマージュも散見されました。「大逆転」「スター・ウォーズ」「ハリー・ポッター」「マイ・フェア・レディ」「プリティ・ウーマン」「ニキータ」「「シャイニング」、そしてアーサー王の伝説…。何でも、続編の舞台は我が日本で決定の由、今からとっても楽しみです。

この映画、多種多様な要素をぎゅうぎゅうに詰め込んでおりまして、それでも尚且つエンターテイメントとして成立しているという、稀有な作品と思います。書きたい事が沢山あるのですけれど、先ずは役者さん達から触れましょうか。ベネティア・アカデミー・ゴールデングローブと主演男優賞三冠制覇のコリン・ファース、彼はどちらかというと気品のある優雅な役柄が最も得意でして、「ブリジット・ジョーンズの日記」の弁護士役は忘れられません。今回はその彼がアクション・スターの様な大暴れですから、其処で先ずお客さんは吃驚ですよね。そして、悪の親玉を演じるのはサミュエル・L・ジャクソン、彼は悪漢も善玉も演じられる名優ですけれど、最近は良い役が多かったんです。其れを、今回はとんでもない悪党を嬉々として演じておりまして、最近彼を知った方は驚く事でしょう。教官役のマーク・ストロングは僕、悪役でしか記憶が無いんですが、前回彼を見た際は、確かロシアン・マフィアの親分だったんですが、今回は好人物を演じています。マイケル・ケイン、サーの称号を持つイングランドを代表する名優ですけれど、彼も最近は善人役ばかりでしたが、それを裏切るかの様な狡猾なピカレスクぶり、しびれました。新人スパイを演じる男女のお2人も、本作が殆ど映画デビューだった由、道理でビビッドでピュアな感じが良く出ていました。要は、「役者さんは何時もの役柄とは全て逆転」している訳で、面白いアプローチですよね。ヴィジュアル面においても、本作のデザイナーは、バットマン三部作を手掛けた人の由、スーツから靴から小道具から、愛情と拘りを持って撮っているのが一目瞭然、眼福でした。

そして、アーティスティックな、芸術的な薫りが其処彼処に漂うんですが、マシュー・ヴォーン監督、絵画に随分造詣が深いんじゃないかなァ。「キック・アス」ではウォーホールのポップ・アートが、「X-MEN」ではゴーギャンのタヒチの少女の絵が、夫々異彩を放っており、非常に効果的でした。本作でも、パンダのポップ・アート風の絵が随所に見られまして、ハミルトンかパオロッティか、はたまたラウシェンバーグかリキテンシュタインか、良く分かりませんけれど、印象的でしたねえ。上手い演出だなあ、と感心しましたのが、アメリカとイングランドの対比でした。アメリカ人はカジュアルでカラフルな洋服にポップ・ミュージックに巻き舌の英語。イングランド人はサヴィル・ロウのテイラー・メイドの寸分の隙も無いスーツ、BGMはエルガーの「威風堂々」、そしてキングス・イングリッシュという按配でありました。笑いますのは、ホスト役のアメリカ人の家で、銀の蓋付きのトレイで麗々しく運ばれて来ますのが、マクドナルドのビッグ・マックというギャグがありまして、それをブルゴーニュのシャトー・ラフィットだったかな、最高級の赤ワインに合せるんですよ。はっきり言ってミス・マッチと思うのですけれど、どうもアメリカ人蔑視の臭いがプンプンしました。

そしてね、監督ご自身の出身地であるイングランドにも容赦無いんですよ。イングランドは謂わずと知れた階級制度の国でありまして、上から順に、アッパー、アッパー・ミドル、ミドル、ロウワー・ミドル、ワーキング・クラス、と分かれているでしょう。彼の地では、住んでいる場所から、服装から、使う英語のアクセントから、階級によって異なります。そしてね、劇中、オックスフォードやケンブリッジ卒の嫌味な連中が出て来るんですが、彼らは皆、太目のノットにレジメンタルストライプのネクタイですから、単純明快一目瞭然、上流階級の出と分かります。尤もね、イングランド・スタイルの上流階級は、夏目漱石の謂う処の高等遊民でありまして、仕事をしている人は駄目なんですよ。英国貴族とは、昔からの先祖代々の資産で生活する者、という訳でして、僕、其処は大嫌いです。だってね、先祖代々と言われても、このイングランド人達は、殆どの領土を、スコットランドやアイルランドやウェールズのケルトの民達から奪った物でしょう。そして、世界中に植民地を作り、スペインを始めとする欧州諸国の数えきれない程の商船群から略奪を繰り返して出来上がったのが、大英帝国なんですもん。

只ね、これも相当揺らいでますよ。スコットランドの独立に関しての国民投票は、僅差で否決されたのは記憶に新しい処ですよね。でも、スコットランド国民党--スコットランド独立が党是です--は、新女性党首である、ニコラ・スタージョンさんが就任してからは右肩上がりの勢いなんです。議席は50増え、2004年の結党時の党員は1万に満たなかったのが、現在では13万を超すと言いますから、10年で13倍って、大したものです。ニコラさんは最下層であるワーキング・クラスの出身、そして差別されて続けているスコットランド人でしょう。それでも、彼女は、600年を超す歴史を持つ超名門のグラスゴー大卒の優秀な弁護士さんであり、「英国政界で最も危険な女」と呼ばれているとか。ニコラさん、是非とも頑張って頂いて、スコットランド独立を勝ち取って下さい!遠く大分から応援しています!そうそう、ニュージーランドは、元々イングランドの植民地でありまして、現在でも英国連邦の1つであり、正式名称は「ニュージーランド王国」なんですね。ニュージーランド王国は、イングランド国王が兼務するという決まりですから、エリザベス2世が君主という事になります。現在の国旗は、イングランドの象徴であるユニオン・ジャックという王室のエンブレムが入っているんですが、どうやらこれが変わるそうです。ニュージーランド・ラグビー代表のエンブレムでもある、シルバー・ファーン、シダをあしらった国旗にするか否か、国民投票になるんですって。かって全世界に覇を唱えた大英帝国も、本当の黄昏を迎えつつある、そういう気がしてなりません。今まで、全世界から収奪と略奪と虐殺を繰り返したんですから、その代償はきちんと払うべきでしょう。兎に角、ざまあみやがれ。

さて、映画の話に戻りまして、「キングスマン」では、紳士道について語っており、「マナーの遵守こそがジェントルマンだ」、そういうニュアンスの台詞があります。此処は非常に共感出来ましたし、ご説ご尤も、TPOに合せた服装、丁寧な言葉遣い、優雅な所作、社会人として必須の、とても大事な事と思います。僕ね、つくづく思うのですけれど、西欧の文化には紳士や騎士道がありますが、我が日本にも、世界に冠たる武士道があるじゃないですか。精神の高貴さとは、生まれでは無く、その人がどう考え、どう努力したかでしょう。それが、高潔や誠実、勇気や寛容、仁義礼智信の五常を生むと思います。僕、少なくとも当院のスタッフには、紳士淑女であって欲しいと願っていますし、「径寸十枚此れ国宝に非ず、一隅を照らす此れ即ち国宝也」、即ち、「金銀財宝は国の宝では無い。自分が置かれたその場所で一所懸命努力し、そこを照らす人こそ国宝である。」、これは天台宗の教えですが、人間たるもの、是非そうありたいですよね。

よおし、ではこれでお昼ご飯に行って来ようかな!?それでは皆さん、今週も拙ブログとお付き合いの程、宜しくお願い致しますm(__)m。
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