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まんが道

僕が幼い頃、漫画というジャンルは全盛期を迎えていました。今年、僕は48歳ですけれど、今では見る影もありませんが、少年チャンピオン誌が全盛期でありました。「ブラック・ジャック」「がきデカ」「ドカベン」「マカロニほうれん荘」と大ヒット漫画が揃い、毎週夢中になって読んだものです。光陰矢の如しと申しますか、月日は流れて幾星霜、大手漫画雑誌も、大変な事になっているんですね~。少年漫画の雄であった、少年サンデー誌ですが、編集長が爆弾発言をして、話題になっています。

「今後、生え抜きの新人作家さんの育成を絶対的な使命とします。この方針に反する行動をとる編集部員は、容赦なく少年サンデー編集部から去ってもらいます。今後、本誌は大改革が始まります。多くの連載作品が誌面を去り、代わりに才能溢れる新人、若手作家さんが次々と誌面を賑わす事になります。」ですって。全ての意思決定は、編集長自身の独断と偏見と美意識がすべてであり、本誌の運命の責任は一人で負います、との事でありまして、いやあ、これを雑誌1頁を使って宣言するなんて、前代未聞でしょう。編集長は市原さんという方だそうですが、度胸ありますねえ、いや、頑張って欲しいと思います。

でもね、市原編集長、こりゃ大博打でしょ。少年サンデーと言えば、半世紀を超す歴史を持つ老舗であり、発行元の小学館は出版最大手の1つですし、随分と思い切った決断だなあ。しかし、サンデー誌の実情を見ますと、こうせざるを得なかったのかもしれません。僕が高校生の頃でしたか、サンデーは「うる星やつら」「タッチ」を擁して、最も勢いがあったと記憶していますが、その当時は発行部数が228万部、それから30年の時を経て、今では38万部と言いますから、6分の1になってしまった訳で、こりゃあ、大博打をせざるを得ませんよね。でもなあ、こういう追い込まれてから勝負に出ても、流れが悪過ぎるんですよね。将棋でもスポーツでも実業の世界でも同様ですが、危機に至る前に最善の手を打って初めて勝負になる訳でして、そうそう逆転打は打てるものではありません。ジャンプは240万部、マガジンが110万部と言いますから、38万部のサンデーが追い付くのは至難の業でしょう。しかしまあ、どうなる事やら、興味は沸きますよね。最近の漫画業界、僕は疎いんですが、明日久し振りに親友のMさんと会いますから、前以って聞いておけば良かったなあ。彼は滅茶苦茶に漫画に詳しいですからね~。それはさておき、面白いもので、各雑誌にはカラーがあるんですよね。ジャンプですと、有名な「友情」「努力」「勝利」であり、読者アンケートで人気の無い作品は容赦無く切る処でしょうか。マガジンは、最近は「はじめの一歩」ぐらいしか知りませんけれど、劇画・スポーツ・ギャグのイメージですかねえ。チャンピオンは、ヤンキー・喧嘩・男の絆、でしょうか。そしてサンデーは毛色が違いまして、ラブコメディ・恋愛・パロディが強く、アーバンでスタイリッシュな感じかなあ。良く出来た物で、夫々棲み分けていると言いますか、新生サンデーがどうなるのか、楽しみではあります。

ただ、市原編集長が苦戦しそうなもう1つの理由として、現在の漫画界って、細分化が甚だしいんですよね。余りに漫画雑誌が多過ぎて、全て把握している人って、本当に一握りのマニアだけと思います。だってね、ビッグコミック、スピリッツ、スペリオール。モーニング、アフタヌーン、イブニング。ヤングマガジン、ヤングジャンプ、ヤングチャンピオン。バンチにアクションにゴラク。思い付くだけでこれぐらいありまして、まだまだ存在しているんですから、日本における漫画の普及は世界一でしょうね。買うのは主に男性ですが、年齢に合わせて夫々の雑誌が造られている訳です。そしてね、漫画は世につれ世は漫画につれ、時代に合わせて随分と変化しているんですよね。グルメ、車、書画骨董、鉄道、スポーツ全般、囲碁将棋、政治経済歴史もの、コメディに恋愛にストーカー、SFにミステリーに戦争、世の中の森羅万象が漫画の題材になっていまして、街中の小さな鉄工所の技術力を描いた、「なっちゃん」という渋過ぎる物もあったぐらいです。毎回毎回、旋盤やらドリルやら鋳造やら出て来て、驚きましたもんね~。

さてさて、ご婦人方はご存じないと思いますが、昔から男子の皆さんに人気がありますのが、「女性にモテてモテて困っちゃう」というジャンルの漫画であります。これもね、時代につれて随分と様変わりしました。昔はね、例えば小池一夫先生という大御所が居まして、勿論今もご健在なんですね。小池先生が書く主人公の男性はまるでスーパーマン、剣の達人で料理上手で学があり、水も滴る美男子で将軍の息子でありまして、出会う女性は皆メロメロなんです。男性の余りの魅力故に、恋人の方から、「あなた様は敵から狙われる身です。あなた様を守る為に他の女性達も傍に置いて下さいッ!お願いなンですッ!」と言い出す有り様なんです。要するに、女性から別のガールフレンドを作る様に頼まれ、ならば仕方があるまい…と、ハーレムを形成しちゃうんですよ。どうかしてるぜ!と思う展開でして、小池先生の諸作品は、シリアスで面白い物が多いんですが、油断すると、直ぐにハーレムを造っちゃうんですから、困ったものなんですが、これが総計2000万部、爆発的大ヒットでした。この手の漫画、現在では随分様変わりしまして、かなりライトになりました。鉄道好きな主人公が、愛する電車に乗りながら全国各地で駅弁を食べる、という話なんですが、行く地方毎に、様々な女性達が同行するんですね。四国ではフランスから来た留学生、北海道では夏休みの旅行の女子大生、九州ではフリーのカメラマン、北陸では長期休暇を取ったキャリア・ウーマン、皆さんタイプの異なる美人揃いの上、偶々電車のルートが同じでありまして、旅は道連れ世は情け、すっかり仲良くなる、という按配なんです。旅の終わりには、ほっぺにキスしてくれたりして、そんな都合の良い話があるか、馬鹿!と思いますけれど、これが、スマッシュ・ヒットしているんですから、世の中分からないものです。でもね、昭和を駆け抜けた小池先生の話はかなり濃厚ですが、平成の今の駅弁の話、すっかりライトでしょ!?

それを強く感じますのが、大ヒットした「バクマン。」という漫画です。アニメ化もされ、今秋かな、実写映画の公開も決まりまして、一世を風靡した漫画なんですね。これ、2人の少年が漫画家を目指す、というお話なんですよ。ただ、この手の鼻祖と成りました漫画がありまして、これが「まんが道」という、藤子不二雄先生の作品なんです。「まんが道」も2人の少年が漫画家を目指すという、非常に似た話なんですが、「バクマン。」とは全く違います。平成の「バクマン。」は絵はシャープでスタイリッシュ、漫画業界の裏側もたっぷり見せ、恋愛模様やライバルも絡み、という、ヒットを目指して計算し尽くされた作品なんですね。昭和の「まんが道」は、絵は正直あか抜けませんが、何よりも、「漫画が好きなんだ、漫画家になりたい!」という熱い熱い情熱があるんですよ。平成の今、そりゃあ、よりアーバンな「バクマン。」の方が断然受けるでしょう。でも「バクマン。」にはちっとも熱が感じられず、僕、段違いに「まんが道」の方が好きです。

音楽でも政治でもスポーツでも仕事でも、上手く立ち回ってなるべく努力せず、嫌な思いもせず、誰からも嫌われず成功してやろう、という安直で卑しい心では、成功を収めるのは不可能ですし、誰からも相手にされず、何れは化けの皮が剥がれ、何の成果も得られないでしょう。何よりも大事な物、それは、「自分はこのフレーズを弾きたい」「この政策で世の中を良くしたい」「この職場を改革したい」、という熱い情熱、強い衝動でしょう。パンク・ロックという音楽のジャンルがありまして、彼らはテクニックという面では非常に稚拙でしたけれど、そのパッションで、巨大なムーヴメントが起きましたし、世界中にファンが居ます。幾らギターが上手かろうと、仕事が出来る様に見えようと、僕、最後に勝利するのは、人間性であり情熱であり誠意、そう思っています。だってね、優れたミュージシャン、作家、映画監督、皆さんの処女作は、幾らシニカルに隠そうとしても、情熱が溢れ出てますもん。僕の様な医療人の立場からすれば、「病院の役に立とう」「患者様の為に頑張ろう」「地域に貢献しよう」、こういう人が最も伸びると思いますし、またね、素直で努力している人が、少々失敗しても、大目に見てくれるんですよね。また、これは僕の個人的な意見ですが、何らかの熱を持っていない人とは、非常に仕事がやりにくいですよ~。どうか当院が、より一層患者様の為を思い、そして組織の発展を願う、熱い病院になります様に…。
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