南洲残影

其れにしても陰々滅々とした鬱陶しい雨が延々続きまして、僕、何だか苛々した気分です。もう直ぐに神無月でしょ、其れがまァ、梅雨時の様なお天気ですもんね~。本来ならば、人形の 窓辺の髪に 秋の風、七輪で 焼いた秋刀魚と 燗酒だ、前者は汀女の秀句、 後者は僕の駄句ですが、爽やかな気候の筈ですよねえ。しかし、またまた台風も来ているそうですし、皆様、天気予報には充分お気を付け下さいね。

さて、気分が不快なのは、一連のニュースの所為もあるんです。僕、納得行かない事ばっかりなんですよ。先ず、年末に、ロシアからプーチン大統領が来日するんですね。どうやらアベ総理、其処で北方4島を2つ返して貰い、其の実績を楯に解散を狙っているとか。自民の皆さん、沢山の議席数を持ってるんだから、何の為の選挙なの!?大体ね、アベが総理をやり始めて5年、もし今度解散したら、5度目の国政選挙でありまして、そんなにやる必要がありますかねえ!?大体、民意を問うって言いますけれど、国民の意見なんてちっとも聞かないじゃん!しかも、国政選挙って、1回するのに最低600億も掛かるんですよ。此れこそ、税金の無駄遣いでありましょう。話を戻しまして、日本政府はずっと、4島同時返還という態度を、半世紀以上続けて来た筈ですし、此れが公式見解でした。其れを何の説明も無くいきなりの方向転換でしょ。僕、物事を進める際に、こんな杜撰でいい加減なやり方をして、上手く行くとはとても思えません。第一ね、交渉の途中で条件が大きく変わるだなんて、相手にも失礼でしょ。僕、つい先日、「ユーラシアニズム ロシア新ナショナリズムの台頭」チャールズ・クローヴァー著 越智道雄訳 NHK出版、を読んだばかりなんですね。かなりの大著でありまして、読了するのに骨が折れました。此の本の帯の惹句には、プーチンの狙いが書かれていまして、僕、ドキッとしました。「ソビエト帝国の復活には、日本・イラン・ドイツとの同盟締結が必要だ。千島列島は返還しよう。ただし、日米安保の破棄と引き換えに----」とありました。プーチン大統領、此の究極の提案を、来日した際に仕掛けて来るんでしょうが、随分知恵の足りない首相と世間知らずの外務省では、横綱と取的の取り組みといった塩梅でして、役者が違いとても太刀打ち出来ないし、決断は無理でしょうねえ…。

国内に目を向けても、誠に問題山積であります。今朝のNHKニュースで取り上げていましたのが、子供の貧困問題でして、母子家庭の平均年収は192万円の由、うう~ん、此れで子供が多かったら、満足に食事も摂れず教育も受けられませんよね…。政府からの補助や援助は殆ど無く、民間のNPO団体が細々と支援しているのが現状でした。しかもね、普通の1世帯あたりの平均年収は392万円の由、此れ、2005年の調査から較べますと、73万円も減っているそうです。此の間、消費税も上がり物価も上がっていますから、生活は苦しくなる一方でしょ。高齢者にしても、老々介護の問題がありますし、家賃を払えず、車上生活を選んだ方も多いとか。風呂はネット・カフェのシャワーで済ませるだなんて、そりゃあ気持ちも荒みますよ。此の富裕層と貧困層の格差、赤子でも分かる理屈でして、幾ら株価が上がったって、実体経済が良くならないと、国民の幸福は無い、僕、そう思えてなりません。

そしてね、東京五輪の費用も膨らむばかりですよね。「コンパクトな、都内のみのオリンピックを」が謳い文句だったのに、費用は3兆を超えた上に、1都7県で開催って、そりゃ話が違うでしょ!僕、小池知事が、自民党やマスコミや都議会議員、官僚と土建屋とJOC、そして長年に渡る強固な利権システムに勝てるとは、到底思えませんもん。何処かで手打ちするのが関の山でしょうねえ。豊洲の問題があり、そして福島の汚染水は建屋内だけで7万㌧近くあり、熊本地震の被害総額は、4兆近いってんですよ。僕、東京五輪のお金をそっくり其のまま、福島と熊本に使うべきと思うんですけどね~。其れを批判すべき野党もどうしようも無く、蓮舫に野田は勿論の事、維新なんて、何れは自民の補完勢力になりそうですからね、お先真っ暗です。

そしてね、僕、どうしてマスコミが此れを書かないのか、不信感で一杯なんです。其れは、食糧備蓄の問題です。世界一天災が多いであろう我が国において、緊急時の為に、水や食糧を確保しておくのって、当然の事と思うんです。当院ですら、3日分の水と食糧が常にあります。しかも、此の国の食糧自給率の低さたるや、先進国で最低ランクじゃありませんか。では、実際の数字を見てみますと、米も小麦も2か月、家畜用の飼料は1か月、大豆に至っては20日分しかありません。ですから、日本で大きなトラブルが起きた際、此の国単独で自給出来るのは、僅か1か月程度でしょうねえ…。此れ、日本政府は国民の事なぞ、何も考えていないという証左と思います。欧州諸国を見てみましょうか。ノルウェーは小麦半年分、飼料3か月分の備蓄。スイスは穀物は勿論の事、砂糖や油やコーヒー等も、全て半年分。フィンランドは1年分。ドイツやチェコは、国の備蓄は勿論の事、政府首脳が国民に、「万が一に備え、夫々の家庭で、最低3日分の食糧を用意しておいて下さい。」と通達しました。

将に内憂外患の思いを強くしますけれど、日本政府の皆さん、妙な売国政策を振り回すよりも、先ずは食糧の備蓄だけでもしてくれませんか。僕の部屋には、救急箱も避難袋も、水も食糧品もありますけれど、上記の貧困層は其れすらも買えないかもしれず、其処をフォローするのが、政府の役目じゃありませんか。自国民の命を大事にしない政府だなんて、本当に腹が立ちます。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言います。僕、昔の日本人の方が余程優れていたと痛感するんですが、かって、義倉--ぎそう--というシステムがありました。此れ、時代により、穀倉院やら固寧倉やら社倉やら、呼び名は異なるんですが、要するに、災害や飢饉に備え、富裕層の寄付や庶民の協力も募り、全国各地に設置した食物倉なんです。実は此の仕組み、平安や奈良の昔から江戸期までずうっとありまして、其れも、民間主体の物と、公営の物と、2つあったんですね。頭が良いなあ、と感心しますのは、穀物が古くなりましたら、其れを安く売ったり低金利で貸し付けたりして、倉の維持費は勿論、大きな利益まで生んでいたそうです。此の義倉、最も有名な物と謂えば、やっぱり西郷さんかなァ。実は西郷さん、意見具申した際に殿様の逆鱗に触れ、島流しになった事があるんです。結局、西郷さんの言い分が正しかったのですけれど、其れで余計に殿様はプライドを傷つけられ、長期間の遠島となりました。さて、沖永良部島に配流された西郷さん、島民の貧しくも悲惨な暮らしを見ていて涙し、先の義倉を造る事を島役人に提案するんですね。折衝の後、見事義倉が建ちまして、島民の運用も上手だったのでしょう、其の余剰金で、奨学金制度は出来るは、病院まで建設しちゃったんですね。流石は西郷さん、偉い!僕、西郷さんに私淑して数十年になりますが、彼の偉さは、此の逸話に尽きます。或る日、西郷さんの書生が質問したそうです。「西郷先生、藩の命令と領民の言い分が異なった時、私はどうしたら良いでしょうか。」、此の問いに西郷さん、間髪入れず、「常に民の側につけ。」だったそうでして、僕、今の政治家に聞かせてやりたいですよ!此の馬鹿ちん!!

でね、此の義倉、今でも直ぐに出来ます。だってね、平成の日本において、廃棄している食べ物って、何と年間で2000万㌧、金額にして111兆円もあるんですよ!1億を超す日本国民全員が、毎日お握りを2つずつ棄てている計算の由でして、食品廃棄率は、本当に恥ずかしい事に世界一の由なんです…。今、冷凍技術も進んでいますから、此の廃棄食品--充分食べられる物ばかりだそうです--を、義倉に保存しておけば良いじゃありませんか。アベちゃん、戦争とか原発とかTPPより、こちらの政策の方が、余程後世に名を残せると思いますよ。アイディア料は入りませんから、騙されたと思って、やってご覧なさい。

さてさて、明日はどうにか曇り空の様ですが、お天気が回復するのは来週末の様です。皆様、お天気には充分注意して、素敵な週末をお過ごし下さいね~。
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